地テシ:255 「神州無頼街」大阪公演が終わったってよ! そして国芳を見に行ったよ!
「神州無頼街」大阪公演が無事に終わりました! ご来場頂きました方も、気にして頂いた方も、知らなかった方も、どなたさまもありがとうございました。約二週間、15ステージの大阪公演ではありましたが、なんとか無事に終えることが出来ました。
しかし、この後には静岡公演、東京公演がございます。まだまだ気を緩めることなく、気をつけて最後まで走り抜けたいと思いますので、どうぞ気にしたり気にしなかったりして頂けますとワイワイです。いや、幸いです。普通にタイプミスしました。
と、大阪公演終了のお知らせをしている最中ではございますが、劇団から立て続けに様々な情報が飛び込んで参りました。
まずは「神州無頼街」ライブビューイングの情報から!
5/14(土)ですって! 東京公演の半ば辺りですから、いい感じに盛り上がっている頃でしょう。
公演をご覧頂いた方にはもう一度、大画面でアップで引きで、色んな角度からお楽しみ頂けますし、様々な制約によって劇場にお越しになれない方には、遠い劇場まで行かなくてもお近くの映画館でお楽しみ頂けます。
ライブビューイングですから完全生中継ですよ。今、まさに東京で行われている公演を、日本全国どころか台湾でもご覧頂けるのです。土曜日ですしね。季節も五月。良い季候です。五月晴れの中、色んな場所でお楽しみ下さい。もし雨が降ったらごめんなさい。
更に! このライブビューイングを記念して、福士蒼汰さんと宮野真守さんにそれぞれ主演を務めて頂いた「髑髏城の七人」Season月 《上弦の月》&《下弦の月》のゲキ×シネ復活上映も決定致しました!
こちらは4/11(月)〜14(木)ですよ! 短い期間ではありますし、全国10館だけですが、お二人がバディを組むキッカケとなった公演です。五年前の作品ではありますが、こちらもゼヒ大画面でお楽しみ下さいませ。
更に更に! ここに来て次回公演の告知まで行われてしまいました! 2022年秋公演は「薔薇とサムライ2ー海賊女王の帰還ー」ですって!
もはや「五右衛門ロック」という元のタイトルも消えてしまい、薔薇サムの方が一人歩きしてしまいました。12年振りに、あのアンヌ・ザ・トルネード改めアンヌ・デ・アルワイダ女王が帰ってきますよ! 多分、五右衛門も帰ってくるんじゃないかな。しかも生バンド付きでな!
いつものあの人とか、お久しぶりのあの人とか、初めましてのあの人とか、とにかく豪華ゲストとバンドとアクションとアンサンブルと劇団員と全スタッフとで派手なお祭り騒ぎをお届けしたいと思います。となれば、今年は春も秋もお祭というコトじゃないですか! それもまた良いんじゃない?
あ、それから、先日から始まりました新連載「タイムトラベル館」の第二回も公開されておりますよ。今回はさとみさんとエマさんのタイムカプセルを開けております。開けてびっくり、お二人とも動物でした。それも又良し。
そんなこんなで様々な告知が連投されておりますが、私は大阪と静岡の間で束の間の休息です。
大阪公演の千秋楽は二回公演でした。新感線で千秋楽が二回公演なのは久しぶりです。旅公演で千秋楽が昼公演だけの場合、俳優部はその日の内に東京に戻るスケジュールが組まれます。
しかし、千秋楽に夜公演があると、その日は宿泊になります。もう夜行以外に東京に帰る手段が無いからね。つまり翌日の帰京になります。千秋楽の二回公演は体力的には辛いのですが、翌日にゆっくり荷造りしてゆっくり帰れるのが良いですね。
今回の私も翌日移動でして、その日は帰るだけのスケジュールです。急いで帰ってするべき仕事もありません。つまり、その日は《東京に帰る》だけでいいのです。もちろん早く帰って家でノンビリするのも手ですが、なんとなく勿体ない気もするのです。
となれば、何か有意義な使い方をしたくなるじゃないですか。帰るだけなんだから。どこかに寄り道したっていいのです。
そんなことを思いついたのが千秋楽の日の夜。明日、帰る前にどこかに寄ろうかなとか考え始めたのは遅かったでしょうか。そういえば、気になる展覧会が京都で開かれていたんだよな。と思って検索してみて思い出しました。
京都文化博物館で歌川国芳と月岡芳年を中心とした浮世絵の特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」が開かれていたんです。気になっていたんだけど、さすがに行けないだろうなと思っていたのです。
いや、漠然とそう思ってはいたのですが、よく考えたら行けるんじゃないか。明日は帰るだけなんだからさ。よし、寄り道しよう。そうだ、京都、行こう。
そんなワケで大阪駅から新快速に乗って京都に向かいました。JR西日本のホームドアってワイヤーが上下に移動するのね。
乗降時に上に上がった5本のワイヤーが、出発時に降りてくる。
大阪駅も京都駅もこの方式でした。久しぶりにJR西日本に乗車したからさ、ビックリしちゃった。なんか昔の踏切みたいでいいけどね。
さて、本当に久しぶりの京都です。懐かしい場所に行ったり京都見物などしたいところですが、さすがにそんな時間はありません。京都駅から京都市営地下鉄に乗って烏丸御池(からすまおいけ)駅へ向かいます。京都市街のど真ん中に京都文化博物館はありました。
まずは別館から入ったのですが、これがまた凄い。明治39年に建てられた旧日本銀行京都支店がそのまま別館として展示されていて、中にも入る事ができるのです。辰野金吾の設計です。
いやあ、古建築好きにはたまりませんね。こちらは重要文化財です。
そして本館の特別展へ。幕末から明治に掛けての浮世絵界では、長年培われてきた日本の技術と、突如襲来した西洋画の技法が邂逅し、新たなうねりを作り出していた時期なのです。「神州無頼街」の時代設定と同じ頃ですね。
その時代を代表する浮世絵師といえば歌川国芳(うたがわくによし)です。大胆な構図、奇想天外なモチーフ、精密な描画が特徴で、多くの弟子を育てたことでも有名です。本展では国芳を中心に、月岡芳年(つきおかよしとし)などの弟子たちの作品も多く展示されていました。
武者絵や怪奇絵などが多く、凄惨で血みどろな歌舞伎の一場面を描いた作品群も展示されていたりして、国芳お得意の動物絵は少なめ。しかし、浮世絵から連想されるノッペリとした作品だけで無く、西洋に影響された立体感や陰影を表現した作品が多いのも特徴です。
この企画展では写真撮影がOKでしたので、気になる作品は思わず写真を撮ってしまいました。その中から三つだけご紹介いたしましょう。
まずは国芳の「烈猛伝 源三位頼政」(れつもうでん げんざんみよりまさ)
グッと反り返って矢を射るポーズも美しいですが、顔の部分に寄ってみると、表現がもうほとんど現代の漫画です。
コミックスの表紙イラストと言われても納得するくらいに現代的です。衣裳も刀の拵えも精緻で躍動感に溢れています。はじめ、頼政がこっちを見てるのかと思いましたが、どうやら寄り目になっているだけのようですね。
次は芳年の「月百姿 吼噦」(つきひゃくし こんかい)
僧侶に化けた老孤の正体が現れかけている所らしいのですが、ポーズといい構図といい色使いといい、なんとも言えない美しさと色気がありますね。
最後も芳年の「見立多以尽 洋行がしたい」(みたてたいづくし ようこうがしたい)
明治11年の作品ですが、当時すでに何校かの女子学校が開設されていたので、洋行に憧れる女学生も多かったのでしょう。
チェック柄のシャツを着てハイカラなカンジですが、当時着物の下にシャツを着るコトも多かったのでしょうか。
着物の下にシャツ? なんか最近見たような気がしますね。あ、今回の私の衣裳だ! チェックじゃないけどな!
この展覧会は4/10まで。あと一週間で終わってしまいます。京阪神にお住まいの浮世絵好きにはオススメですよ!
ええと、そんなこんなの「神州無頼街」大阪公演。からの告知連発。からの久しぶりの京都。次は富士市で無頼街。今日もどこかで無頼街。誰も知らない知られちゃいけない。
懐かしのデビルマンのエンディング曲を思い出しながら、富士市に向かう準備でもしましょうかね。では、また来週。