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地テシ:393 バサ旅の思い出

 先日はひょんなタイミングでゲキ×シネ「吉原御免状」の宣伝を致しましたが、今日はまた「バサラオ」に戻って三都市公演の思い出をザックリまとめてみたいと思います。
 7/7の博多座初日から明治座を経て10/17のフェスティバルホールでの大千秋楽まで、三ヶ月以上にも及ぶ公演でしたから途中で季節も変わるかもとか思っていたのに、ほぼずっと「夏」だったのが実に残念です。まあせいぜい「夏→真夏→夏」といったところでしょうか。いやあ、暑かったねえ今年の夏は。


 ええと、福岡の旅の思い出はすでにこちらにまとめてありますね。

 ですので、それ以外の福岡の思い出を思い出してみましょう。日本語って難しいね。思い出、おもいで。思い出、おもいだ。

 まずは博多座近くの川端通商店街にあった、飾り山笠「ガンダム博多迅雷伝」

「逆襲のシャア」のνガンダムとサザビーだそうです

 そして博多祇園山笠の追い山笠の出発点となる櫛田神社

福岡に行ったらすぐにお詣りに行きました

 福岡市地下鉄の祇園駅では博多座の回り舞台が解説されていました。

回り舞台の擬音は「ぐるりん」

 ついでにゼンリンミュージアムに行った時の小倉も思い出してみましょう。

 JR小倉前駅で見つけたドゲンジャーズショーの広告。ドゲンジャーズというのは九州に実在するヒーローたちの集まりです。

ドゲンジャーズは地元九州ではテレビ番組もあるほどの人気なんです

 リバーウォーク北九州で見つけたカバの親子

微笑ましい姿ではありますが疲れて休んでいるようにも見えちゃう

 こうしてみると、福岡公演の頃には休演日に色々と出歩く元気があったってコトですよね。我ながらたいしたもんです。東京以降の休演日には身体のメンテナンス以外では出掛けませんでしたもんねえ。疲労は徐々に蓄積されるんですよ。


 そんなワケですから、東京では劇場近くの街をご紹介しましょうか。明治座の最寄りの駅と言えば都営新宿線の浜町駅や東京メトロの人形町駅、水天宮前駅が思いつきます。いずれも隅田川の手前ですから江戸の昔から発展した街です。
 
 浜町あたりは江戸時代は大名屋敷地でして、明治以降もその名残でお屋敷街だったようですが、大正12年の関東大震災でガラッと様相を変えます。密集した町屋は取り除かれて広い道が縦横に走り、隅田川沿いには復興事業として広大な浜町公園が置かれました。
 そんな浜町公園での夏祭りの、開催時間じゃない昼間の様子。

三角コーンの行列。夜は物凄い賑わいでしたよ

 水天宮前あたりも大名屋敷地でしたが、水路の多いエリアだったようです。そんな大名屋敷の一つに久留米藩有馬家の中屋敷もありました。
 久留米の水天宮は安産の神様として有名でしたが、江戸時代に芝赤羽橋にある久留米藩有馬家上屋敷にも分霊勧請されました。藩邸内にあるにもかかわらず、月に一度は庶民にも開放されて大変な人気となり「情け有馬の水天宮」という洒落ができたというのは有名な話。
 明治になって有馬家のお屋敷がかつての中屋敷あたりに移転したために水天宮も移転してきて現在地にあるというワケなのです。2016年には全館免震構造の近代的な構造に改築され、外から見ると低層階はコンクリートの塊のように見えますが、上には伝統的な社殿が建てられていますよ。

一階部分はコンクリート打ちっぱなしの駐車場
こちらが参道。コンクリートの無機質な感じですが…
中には立派な社殿が。赤ちゃんを抱いたご夫婦のお礼参りがひっきりなし

 それに対して人形町あたりは庶民の街でした。なにしろ江戸初期には浅草日本堤に移る前の吉原遊廓があった場所ですからね。江戸時代にはこの辺りに歌舞伎小屋の中村座と市村座があり、人形浄瑠璃などの小屋もあって、人形職人なども多く住んだことから人形町と呼ばれるようになったのだそうです。
 江戸時代から続く鳥料理「玉ひで」や金物屋「うぶけや」、他にも明治から続く老舗なども多いエリアです。甘酒横丁はもちろん、ちょっと細道を歩いてみるだけでも看板建築の古っぽい商店や民家が建ち並んでいるのが判ります。

ハサミや剃刀の老舗「うぶけや」さん。「玉ひで」さんは建て替え中でした
有名な「人形町今半」さん。よく差し入れですき焼き弁当を頂きます。美味!
江戸初期の著名な医師・岡本玄冶の屋敷があった玄冶店(げんやだな)
人形町通りの南西側が芝居町

 こういった下町文化や江戸から続く歌舞伎小屋などの興行文化が今の明治座に繋がっていくのですね。


 でもねえ、最後の大阪公演ではスケジュールがホントにタイトだったのよ。短めの公演期間とはいえ休演日だって一日しかなかったし。なんだかもうグッタリした日々でした。
 あ、でも最近話題になっている映画「侍タイムスリッパー」は観に行ったよ! なんといっても山口馬木也さんが素晴らしい。もう侍にしか見えない。まあ、前からそう思ってたけどさ。

時代劇映画の斬られ役へのリスペクトが満載

 幕末の侍が現代にタイムスリップしてくるというコメディ調の映画なのだけれども「サムライが現代に現れてドッタンバッタン」なんてのは主眼ではありません。だってすぐに現代に馴染んじゃうんだもの。それよりも、幕末の侍が現代に生きてどう思うのか、どう生きるのかに焦点を合わせている意外と硬派な作品でした。

 そんなワケであまり出歩かなかった今回の大阪で撮った写真は少なくて、例によってセブンイレブンのご当地デリの写真とか。

焼きつくねと万願寺とうがらしが特に美味しかったです

 知らないうちに北大阪急行線が延伸してたとか。いや知ってたけど。

千里中央駅より右の二駅は50年ぶりの新駅です。でもまだ乗っていません

 梅田の大阪富国生命ビルで見つけた「Hello Kitty Forest」とかしかないんだよな。

赤いリボンのソファーがカワイイ


 そんなこんなの三ヶ月。稽古も入れると五ヶ月ほどに及んだ「バサラオ」ですが、無事に97バサ終わってホッとしております。ホントどうなることかと思ってましたからね春には。
 あ、そうだ。「バサラオ」公演についての写真をちょっとだけ。「狐晴明九尾狩」の時には私の衣裳にPS5コントローラやアップルマークのような紋が入っていましたが、今回の衣裳に入っていた紋はこちら。

ほら、ドロイドのオレンジ色のあれよ

 私も始めは判らなかったんだけど、これって実は「スター・ウォーズ」の丸いドロイドBB-8のオレンジの模様っぽくなっているんですよ。アトリエ88%さんの遊び心です。

 その衣裳も今回は袂が長いので、稽古場では現場衣裳さんが袂の長い仮の稽古着を作って下さいました。ありがとうございます。他の人用のもあるので区別が付くように襟の所に役名を書いてくれていましたが、稽古終盤になってようやく気付きました。

キタカカ

 私の役名はキタタカですよ。では、また来週。