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地テシ:391 全97バサ 終わったよ!

 終わったよ! 無事に終わったよ! 「バサラオ」全ステージが終わったよ!
 ご来場頂きました方も、ライブビューイングやライブ配信でご覧頂いた方も、見たかったけど見られなかった方も、そもそも見る気の無かった方も、どちらさまもありがとうございました。みんなボロボロになりながらもなんとか最後まで無事に終えることができました。ホッとしております。いや、無事に終わってホント良かったよ。

 ええと、まあ、今回書きたいことは以上です。では、また。




 とかいうのも寂しいので、もうちょっとつらつらと書いてみましょうかね。
 まあ、私自身について言いますれば、最後の数日は鼻炎が悪化して鼻水が止まらずに声が不調になってしまったことが悔やまれます。全くもって不覚です。

 ところで如何でしょうか皆様。「バサラオ」ロス、略して「バサロス」になっておられませんでしょうか。もっと略して「バス」でもいいのですが、来年初夏あたりに公開されるゲキ×シネまで首を長くして、いや鼻を高くして、いや特に鼻にして、お待ち下さいませ。


 さて、福岡から東京から大阪への旅の想い出は次回にするとして、今回は公演の想い出とか書いてみたいのですが、裏話とかはね、色々とね、難しいのよ。
 ですので、前回までと同様にセリフについての解説のようなモノでも書いておきましょうか。まあどうでもいいコトばかりですが。

百年早いわ!
 普通、この罵倒は「(お前はまだ未熟なので、それに手を出すのは)百年早いわ!」という状況で使われると思います。つまり「百年早いのは《お前》」ですよね。
 でも今作では「(この方は凄いので、それに手を出したのはお前よりも)百年早いわ!」という状況で使われています。つまり「百年早いのは《この方》」なのです。普通はこういう用法では使わないよね。
 その後の「そんなに歳を取ってはいない」というツッコミの面白さに引っ張られて誤魔化されていましたが、これは中島かずきさんが仕込んだ修辞学的なギャグなのではないでしょうか
 でもさ、あまりの耳馴染みの良さとか、そもそも本来は「十年早い!」じゃないだろうかとか、色んなコトに気を取られて気付きませんでした。いや、気付いてはいたのでしょうが、ちゃんと認識はしていませんでした。全くもって不覚です。まさかこんな所にレトリカルな小ネタが仕込んであるとは。なにしろ私がそのコトに気付いたのは千秋楽直前の93ステージ目くらいでしたよ。え? 気付いてなかったの私だけですか? じゃあしょうがないか。

いてもたすか!
 台本には「いてまえ、ほら!」と書いてある台詞を「いてもうたるぞ!」とか「いてまうど! こら!」などといろいろ言っていたある俳優が、ある日、勢い余って大きな声で「いてもたすかー!」と言いました。意味が判りません。いや、意味は判りませんが怒っていることは伝わるから全然いいのですが、あまりにも語呂が良くてさ。 いてもたすかー。

ないまぜにする
 台本を読んだ時には方言かもとか思ったのですが、「綯い交ぜにする」と表記する一般的な言葉でした。「様々な色の糸をより合わせて紐を綯う」コトから「様々なモノを混ぜ合わせて一緒にする」という意味が発生したようです。
 余談ですが、歌舞伎の荒事(あらごと)のシーンで使用される鉢巻きのコトも「ないまぜ」と言うそうですよ。

生きさらばえるか!
 「生きさらばえる」とはどういう言葉なのでしょう。「老いさらばえる」なら聞いたことありますけどね。どうやら「さらばえる」には「痩せ衰える」という意味があるようです。となると「生きさらばえる」とは「痩せ衰えてなお生きる」という意味になりそうです。
 しかし、この戯曲の流れからならば「みっともなく生き続ける」と解釈した方が良さそうですね。あまり聞かない言葉ですから、「老いさらばえる」から中島さんが連想した新語なのかもしれません。判りませんけど。
 でも、私はこの言葉がとても気に入っています。なんだかみっともなさが伝わってきますよね。生きさらばえる。

●ブリティッシュ・メタルの覇王、Judas Priestの新譜「Invincible Shield」のタイトルチューン「Invincible Shield」では、サビの部分で「Invincible」が連呼されるのですが、なんど聞いても「ニッシンボー」と言っているように聞こえます。いや、それだけなんだけど。

●その他にも、この時代の倒幕や建武の新政での大きな勢力となった、楠木正成などの「悪党」についてや、《山の民》《山窩(サンカ)》などと呼ばれる《ミカドより他に上ナシの自由の民》についても書きたかったのですが、戯曲版ならともかく上演されたバージョンでは割とサラッとしか描かれておりませんので今回は言及しません。
 10月に初めてゲキ×シネとして上映される、隆慶一郎さん原作の「吉原御免状」とも繋がるテーマですので、気になる方は色々と調べてみて下さいませ。


 まあね、そんなこんなの「バサラオ」も無事に終了しました。終了したんですよ。千秋楽には劇団☆新感線の2025年の予定も発表されましたよね。異種格闘技感溢れる初夏公演と、劇団員大集合の秋冬公演。来年の45周年はこの趣の違う二本で暴れ回ります。初夏には東阪共に新しい初めての劇場に行くのも楽しみですね。

 そして私に限って言えば、来年の2月には大阪公演のみの「FOLKER」がありますよ。本当に久しぶりに後藤ひろひとさんの作品に出演します。こちらも楽しみです。


 そんなワケでね、いまだにクタクタなので今回はこの辺で。私は休息とゲームと散歩の日々に戻ります。では、また。