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地テシ:327 「薔薇とサムライ2」ゲキ×シネ 始まったよ!

「旦那、このS&Bの黄色い粉はどうするんですかい?」
「ああ、そらぁね、ボウルに空けてちょっと水を入れてね、
 グールグールとかき混ぜてね、うん、
 カラシになるまで練って


というワケでね、NAPPOS PRODUCE「嵐になるまで待って」が無事に終了いたしました!

ご来場頂きました皆様も配信をご覧頂いた皆さんも来られなかった皆様も知らなかった皆様も、どちら様もありがとうございました。
おかげさまで評判も良く、私も楽しく演じさせて頂きました。なんかね〜、なんだか好き勝手やらせて頂きましたよ。いや、あれでも取捨選択はしてるよ。してるんだよ。

キャラメルボックスで何度も再演を繰り返している名作をプロデュース公演で再構成しようというのですから、変化はあってしかるべきでしょう。変わるところもあり、変わらないところもあり。最新版の「あらって」として面白い作品になったと思います。

いや、それにしても「手話のセリフ」が難しかったなあ。千秋楽まで必ずどこかを間違え続けました。手話をしながらセリフを口で言う、あるいは手話を読み取って口に出して言う、という手話に絡んだシーンを演じる時には頭と手と口がフル稼働し、そりゃもうセリフと手話で大混乱ですよ。大根の乱ですよ。カボチャ帝国の圧政に抵抗し続けた大根たちがついに立ち上がったんですよ。ナスと共に。いや、ナスは関係ありません。大根とカボチャもね。
要するに同時通訳なんです、手話と日本語の。しかもそれを同時に発するから単純にセリフ量が二倍になるってコトです。ひとり二ヶ国語放送なんです。脳の処理速度が追いつかなくなるんですよね。

あと、稽古中に気が付いたのが言い換えが効かないというコト。通常、セリフを忘れてしまった場合には、同じような内容の別の言い回しで切り抜けたりすることも多いのですが、手話の場合はそれができません。だって覚えている手話の語彙数が圧倒的に少ないからね。だから稽古序盤には「ええと何だっけ」とか言いながら手話を飛ばしてしまったりもしました。申し訳ありません。
ちなみに、最悪の場合を考えて「もう一度お願いします」と「もう一度やりなおします」という手話も覚えておきましたよ。でも、それを使う必要がなくてホッとしました。

手話のセリフの難しさについては毎月連載しているコラム「未確認ヒコー舞台:UFB」にも書きましたので、よろしければお読み下さいませ。

ちなみに今号から「日刊☆えんぶ」ではなく「えんぶ☆TOWN」内の「情報☆キック」にお引っ越ししておりますのでお気をつけ下さい。


さて、終わる舞台があれば始まる映像もあり。いよいよ8/4(金)から劇団☆新感線「薔薇とサムライ2」のゲキ×シネが始まりました! 全国の映画館で8/24(木)までの三週間の限定上映です(映画館によって多少異なります)。

また、8/18(金)からはドルビーシネマでの上映もあるんですよ。全国に9スクリーンしかないってんですから貴重ですよね。

今作ではサウンドデザインをイギリスのアビーロードスタジオで行っておりますので、音響関係も充実しております。音も映像も最高のドルビーシネマでもお楽しみ頂ければと思います。

上映も始まりましたからもうご覧になった方もおられるかもしれませんが、実は私も関係者試写会で既に見ちゃいました。共演者のレスポンスも細かく拾うカメラワークも新鮮ですが、例によって音関係が素晴らしく良くなっております。
今作は生バンドによる演奏もあるミュージカル調の作品ですから歌もたくさんあります。繊細な小声によるセリフもあれば、爆音の歌唱もあります。全体的に強弱の激しいダイナミックレンジの広い作品でした。
なのに! どのセリフも、どの歌詞も、どの効果音も、どの音楽も、クリアに明瞭に聞こえるし見事にバランスも取れています。これには驚きました。まさにストレスフリー!
ゲキ×シネでは毎回音の良さに驚いておりますが、今回もまた難しいチューニングをクリアして頂いております。さすがはアビーロードスタジオです。


そんなこんなの終わったり始まったりする日々です。劇団☆新感線の次回公演「天號星」の稽古も始まっておりますので、そちらもどうぞお楽しみに! 9〜10月が東京のTHEATER MILANO-Za、11月が大阪のCJPO WWホールですよ!