いざ、入学……!
美容師に、俺はなる!!
……と、宣言するや否や、速攻で美容学校の入学願書みたいなのを書いた気がする。
そして、入学手続きが何かよく分からないうちにすんでしまい、あっという間に入学試験。
一応、あるんだ。試験。ぬるい面接と小論文(と言う名の「入学動機の作文」)
もちろん、受かる。入学できない人は多分、いない。それくらいぬるい。
同時くらいに、自分のお腹に命が宿った。
仕方ないので一年休学にする事に。通信コースなので先に提出課題を終わらせてしまうと良いよと、学校からの提案に従う事に。
なになに?中卒の生徒は物理化学・保健・英語の教科が高卒より多いです……って?何ですと!?
最終学歴が中卒なのが色んな人にバレる。まあ良いけど。良いけど。
一年ちょっと後。子供を保育園に預けて、いざスクーリング(通学)スタート。
美容学校の通信教育は、基本的にサロンに勤務している大前提で(先輩に教わりやがれのスタイル)数ヶ月の短い間で国家試験課題を詰め込み教育するシステム。
要するに、国家試験に合格し、免許を取るために特化したカリキュラムな訳で。
もちろん一緒に学ぶのは、すでに美容室に勤務していて、美容師になる夢に溢れた人達で。
休学した私にとっては、全員がはじめましてのクラスメイト達。
あからさまにギャルみたいなパツキン女子。セットのギャル男(後で発覚する。この二人は幼馴染だと)、くしゅくしゅパーマ丸眼鏡ハイセンスお洒落男子、見るからに清楚な黒髪レディ、多分ちょっと個性派ガール、顔の濃いめなちょいワルおにーさん……いや、これ、世間の美容師のイメージまんまじゃないか!!しかも皆フツーに雑談している!息をするように談笑している!
これは、地味眼鏡の私が居ていい場所じゃない。息が詰まりそうだ。……辞めてもいいかな?
これから2年間付き合う担任登場。
真っ赤なリップ。あからさまに昔「ヤンチャ」したでしょって歯並び。パシッと切り揃えた黒髪でも隠せないレベルに漂う元ヤンオーラ。
話さなくてもわかる。私こう言う人一番相性悪いやつ。
イメージとしては、ヤンキー映画やドラマに出てくるコテコテな元レディース的な。
……美容学校、辞めても、いいかなぁ!?(※登校初日)