⁑お知らせ⁑宝塚の本箱「火怨 北の燿星アテルイ」が配信されました。
Book Bangの連載「宝塚の本箱」、
「阿弖流為ーATERUIー」の原作である小説「火怨 北の燿星アテルイ」について書きました!
2017年に、宝塚歌劇団星組で上演された、「阿弖流為ーATERUIー」。
大好評を博した、熱い舞台でした。
今回、原作を読んでみて、さらに色濃く浮かび上がってきたことがたくさんありました。
人はなぜ戦うのか。
たとえどんなものであっても、私は争うこと自体を肯定したくないと考えています。
それでも、「戦さ」というものに生涯を懸けた(懸けざるを得なかった)登場人物の姿に胸が熱くなり、臨場感ある戦場の描写に引き込まれました。
「火怨 北の燿星アテルイ」には、守るべきもののため、自分自身に挑むようにして戦う人々の思いが描かれていました。
「どちらが正義か」という拘りすら捨てて、極限の場でお互いを尊重し合う武人たち。
全ての戦争で、敵対する兵同士が憎み合っているわけではありません。
答えは出なくとも、争いの意味を考えながら読んだ小説でした。
大地に躍動する阿弖流為たちの声を、皆さまにも聴いて頂けますように……。
色合いに歴史の味わいが滲む、はるな檸檬さんのイラストとともに、ぜひお楽しみくださいませ!
https://www.bookbang.jp/takarabako/article/255
先日の「ハリネズミラジオ」で、茨木のり子さんの「落ちこぼれ」という詩を読みました。
ひっかかりなく心に入ってくる、優しい詩でした。
ネガティヴなイメージしかなかった、「落ちこぼれ」という言葉。
この詩を読んだら、なんて可愛らしい言葉だろうと微笑んでしまいました。
「落ちこぼれ」、それが和菓子の名前だとしたら、一体どんな色合いだろう。
大の和菓子好きである私は、「落ちこぼれ」というねりきりの色形を想像してみたり。
私は様々な落ちこぼれ経験を持っていますが、せめてこの詩にあるような「落ちこぼれ」でありたいな、そんな風に思いました。
元気な虫たちの声が聞こえてくる季節になりました。
嵐に負けない青空が心に広がる、そんな1日となりますように。