【製図試験】手順固定&時間計測のススメ②:エスキス編
こんにちは、macoです。
令和2年の一級建築士の学科試験に独学3か月で合格し、その勢いで製図試験も突破。ストレート合格しました!
学科試験に3か月で合格したスケジュールはこちら。
製図試験にストレート合格したスケジュールはこちら。
こちらの記事では、製図試験の対策として私がやっていた、手順の固定と時間の計測についてご紹介します。
私は作図とエスキス、どちらも手順固定&時間計測をしていました。
今回はエスキス編です。
手順固定&時間計測はメリットがたくさんあるので、是非試してみてほしいです。
作図編はこちら。
作図編にて、手順を固定する理由や時間を計測するメリットを詳しく説明しています。
作図編を読んでからこの記事を読んで頂けると分かり易いと思います。
エスキスの手順はどうやって決めるの?
作図の手順を固定するよりも、エスキスの手順を固定する方が苦戦しました。
7月~8月上旬はエスキスについては訳も分からずに、学校の手順を何となくやっているだけ。
なかなかうまくいかず、自分に合うやり方を見つけるためにいろんな方のエスキスの手法を参考に(パクったとも言う)、自分に一番しっくりくるものを試行錯誤して作っていきました。
最終系ができたのは、9月下旬でした。
私が参考にしたエスキス手法をご紹介します。
参考①:はかせさん方式(海豆研究所)
困った時は海豆研究所のはかせさんの出番です!
こちらの記事を読み、簡単トレース・エスキスをGETしました。
こちらの簡単トレース・エスキスは手順を真似るだけでエスキスができてしまうという資料です。しかも無料!!(いつかは有料になるかも?)
ただし、簡単トレース・エスキスには弱点があります。
エスキスに2時間~2時間半かかるんです、、、
エスキスを1時間で仕上げる猛者もいる試験ですので、エスキスにそんなに時間を掛けたくない!という方には向いていません。
私は資格学校のエスキスと簡単トレース・エスキスをベースにして、エスキスの手順をアレンジしていきました。
参考②:コーシノニシムラさん方式
何度かやっていくうちに、しっくりこないところがあり、次はコーシノニシムラさんのエスキス手順を見てみました。
コーシノニシムラさんは結構ざっくりとしたエスキスで、「大減点さえしなければいいでしょ」という感じでやっていたそうです。
私は結構細かいところまで詰めないと不安になるので(というか詰めないと考えを整理できないタイプ)、残念ながらコーシノニシムラさん方式は断念しました。
ですが、コーシノニシムラさんが、「面積は一番大きいMAXに近くなるようにボリュームを取ると設計しやすい」と動画内で仰っていたので、そのやり方を取り入れました。
エスキスが苦手だったのですが、器のボリュームをなるべく大きく取ることで何とか要求室を収めることができるようになりました。
それ以外にも参考になることが沢山ありましたので、エスキスに悩んでいる人は是非一度見てみてください。
参考③:教育的ウラ指導方式
教育的ウラ指導から出版されている製図試験のウラ指導も参考にしました。
もともとは過去問分析のために購入したものですが、エスキスについてもとても参考になりました。
基本プログラム図の書き方を参考にし、自分のエスキスに取り入れました。
ローカの通し方なども大変勉強になり、購入して本当に良かったです。
過去問と標準解答例も10年分以上収録されてますし(2020年度版は平成18年~令和元年まで)、平成26年以降の合格者の再現図も収録されていますので、買って損はありません。
参考④:中倉さん方式(株式会社TNDE)
株式会社TNDE代表の中倉さんという方が、お忙しい実務の間を縫って、一級建築士試験についてYouTubeで情報発信してくださっています。
中倉さんのエスキスはサムネイルにもある通り、超精密な読み取りと超論理的なエスキスです。
こちらの二つ動画からは学ぶことが沢山ありました。2本とも30分越えの動画ですが、見る価値ありますよ!!私は繰り返し何度も拝見しました。
(中倉さんの何がすごいって、この説明の動画を作るために問題文も作ってしまったんです!!!中倉さんのすごさを語りだすと止まらないので、別記事で詳しくご紹介したいと考えています。)
中倉さんのエスキス手法からは、最初の方で構造や設備などについてメモする手順を取り入れました。
エスキス用紙に一度書いて構造や設備の条件を整理することで、抜けがなくなりました。
問題文の読み取り方も非常に参考になります。
読み落とし、読み飛ばしで悩んでいる方は、是非中倉さんの動画を視聴してみてください。
なお、中倉さんの動画内で使用している教材については、現在は有料にて一括での教材配布のみの対応となっているそうです。
私は中倉さんの教材は貰わずYouTube視聴のみでしたが、YouTubeでは公開していない作図等についての教材もあるそうです。
詳しくはYouTubeの概要欄に記載がありますので、教材を希望する場合は注意事項をよく読んでから申し込みをしましょう。
中倉さんは本業の傍らでこのような活動をして下さっていますので、ご迷惑にならないようお気をつけください。
時間計測もしてみましょう
時間の計測をした方が良いということは作図編でもご説明した通りです。
エスキスでも作図の時と同様に、エクセルにて時間計測表を作成し、エスキスをするときには時間をメモするようにしていました。
こんな感じです。
、、、エスキスに夢中になって時間をメモし忘れることが多く、作図の時ほど厳密に時間を計測できていませんでした。
ですが、数回細かく計測したところ、私の場合はチビコマ・倍コマに非常に時間かかるということが分かりました。
(チビコマ=方眼用紙1マスを4本の柱で囲まれた空間と考えること。倍コマ=方眼用紙4マスを4本の柱で囲まれた空間と考えること。)
特にチビコマで細かくやり過ぎているということが分かったのですが、これは最後まで改善できませんでした、、、
試行錯誤の結果、チビコマ・倍コマの時間は削らず、1/400のエスキスを省くことにしました。
(チビコマには時間をかけず、すぐ次の手順に行ける人が大半だと思います。そもそもそんな時間かける工程ではないということは頭では分かっていたのですが、、、エスキスって性格でますよね、、、)
1/400のエスキスで細部まで詰めて、1/200の作図を行うのが理想だと思うのですが、そこまでたどり着く前にタイムアップしてしまうことが多かったです。
エスキスのデッドラインはチェック込みで2時間30分と決めていたので、泣く泣く1/400のエスキスは断念しました。
はかせさんの簡単トレース・エスキスでも1/400エスキスは必須ではないと書いてありましたし、普段の練習でも常に倍コマから作図していたので、何とかなりました。
※いつも時間が足りず、とにかく完図させるために倍コマから作図せざるを得なかったからです。偶然の産物。
エスキス用紙のどこに何を書くか固定する
製図試験では検討・下書き用としてエスキス用紙が一枚配られます。
私はこのエスキス用紙の使い方も固定していました。
どこに何を書くか決め、毎回その通りに使っていました。
エスキス用紙は試験開始後すぐに四つ折りにしていました。
横に使い、左上・左下・右上・右下、それぞれのスペース毎に検討することを決めていました。
こうすることで、手順を飛ばしてしまい検討し忘れていることがあった場合でも、エスキス用紙の書き込み具合で違和感を感じて手順を飛ばしてしまったことに気付けるようになりました。
最終的なエスキス手順と時間はどうなったの?
最終的なエスキス手順が決まったのは、9月下旬頃でした。
ちなみにエスキスは試験までにトータルで42回やっていました。
①面積チェック
②構造・設備チェック
③高さ制限、階数チェック
④駐車場
⑤駐輪場
⑥屋外施設ボリューム
⑦機能図
-------50分-------
⑧敷地の縁空き、アプローチ
⑨階振り
⑩基準階の配置、スパン想定
-------1時間20分-------
⑪チビコマ
⑫倍コマ
-------2時間20分-------
⑬面積表
⑭敷地配置図
⑮作図前チェック
-------2時間30分-------
資格学校のエスキスと簡単トレース・エスキスをベースにしつつ、いろいろ試してこの手順に落ち着きました。
本試験当日もこの手順を守り、チェック込みで約2時間でエスキスをまとめました。
私はいつもエスキスに2時間半程度かかっていたので、本試験当日はかなり順調なペースでエスキスをまとめることができました。
(本試験のエスキスについては別記事で公開する予定です。)
取捨選択も必要
エスキスの手順を確立するのは、初受験者にはかなり大変だと思います。
私自身、作図の手順は比較的すんなり決まりましたが、エスキスの手順は終盤まで試行錯誤しました。
結局、チビコマで考えすぎる癖は治りませんでしたが、自分なりにどうすれば良いかを考えて、1/400のエスキスを省くという苦肉の策で試験を切り抜けました。
試験日まで時間がもっとあれば、チビコマのやり方を改善をしていたと思います。
ですが、試験日までの残り時間を考え、無理にチビコマの癖を矯正せずに、1/400を省略して倍コマから作図するという判断をしました。
私にとっては1/400のエスキスは不要なものだと考えたので、捨てました。
その代わりチビコマ・倍コマに時間をかけるという選択をしました。
この時の判断は正解だったと思います。ですが、これがすべての人に当てはまるわけではありません。
大切なのは、自分の力量・持っている技術を把握し、試験当日に照準を合せることです。
そして、エスキスは合格するための手段であり、目的ではないということも忘れてはいけません。
エスキスを完璧に仕上げることが目的ではなく、合格することが目的です。
まとめ
エスキス手順の固定と時間を計測するメリットについてご紹介しました!
とくにエスキスに時間がかかる人は手順を固定して、時間を計測してみてください。
どの工程が遅いのか?どの工程で手が止まっているのか?が分からなければ、改善もできません。
エスキスは人によって様々なやり方があります。
とにかくトライ&エラーでどんどん手を動かして、自分に合ったエスキスを見つけてみましょう。
あなたの合格を心から応援しています!
■macoってどんな人?
■製図試験当日の様子
■Twitterはこちら。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?