【一級建築士 製図試験】やったこと・やらなかったこと
こんにちは、macoです。
令和2年の一級建築士の学科試験に独学3か月で合格し、その勢いで製図試験も突破。ストレート合格しました!
学科試験に3か月で合格したスケジュールはこちら。
製図試験にストレート合格したスケジュールはこちら。
この記事では、製図勉強中に私がやったこと・やらなかったことをご紹介したいと思います。
学科試験に合格するとすぐに製図試験の準備が始まります。
製図初受験の初年度生は、製図試験2回目以降の過年度生とは作図スピード、エスキス、知識などに大きく差があり、7月時点では圧倒されてしまいます。
ですが、製図試験までの期間でしっかり準備すればストレート合格も十分可能です。
製図試験対策としてやりたいこと・やるべきことは沢山あります。
とは言え時間は有限ですし、少しでも合格に近づくためには「やること」と「やらないこと」の取捨選択が欠かせません。
やる必要があるかどうかを自分自身で考え、不要なものを削ぎ落し、自分のやるべきことを明確に意識する必要があります。
これから製図試験を受験する方の参考になれば幸いです。ではどうぞ。
やったこと
私が実際にやったことを重要度順にご紹介します。
やったこと①:法令集を引く
1番重要だと思ったのはこれです。
え?製図の勉強なのに?と思った方、一級建築士の製図試験で一番大切なことはなんだと思いますか?
綺麗な作図?素敵なプラン?いいえ、違います。法令を遵守した建築物を設計することです。
法令違反をしてしまうと即ランクⅣ。採点の土俵に乗ることすらできません、、、
私は製図試験の勉強を始めたときに、EPS(電気設備の配線を通すパイプスペースのこと)の点検用の扉に特定防火設備が必要なのではないか?と思ったんですよね(確か、資格学校の課題の解答例を見て疑問に思いました)。
結論から言うと、EPSは竪穴区画されているので、特定防火設備は不要なんですが、講師の方に質問しても納得のいく答えが得られませんでした(私の質問の仕方も悪かったんだと思います)。
どうしても疑問を解消したくて、ネット検索したのですが答えが分からず。
聞く相手もおらず、Twitterで先輩合格者にいきなりリプで聞いてみたんです、、、(勢いってすごい、、、)
その時、別の先輩合格者であるpadmateaさん(以下padさん)が法令集の○○条を確認してみてくださいねと横からリプをくれました!!!(優しすぎない?)
私がリプを送った方も、EPSは竪穴区画されているから特定防火設備はいらないよ~と教えてくれたのですが、この時padさんから「法令集をよく読むこと」、「建築技術教育普及センターが出している過去問の標準解答例をよく見ること」とアドバイスを頂きました。
このアドバイスは本当にありがたかったです。これ以降、法規で疑問に思ったことは必ず法令集を引くようにしました。
自分で確認することで理解が深まり、図面上でなぜこの様に表現されているのか?ということを意識できるようになりました。
法令集をしょっちゅう引きすぎて、製図の勉強をしているのか法規の勉強をしているのか、、、という感じでしたけど。
法規をもっと理解できていれば、もう少し楽に勉強を進められたと思います。
学科試験で勉強する法規の知識は製図でも使いますよ。学科試験で高さ制限の問題は絶対捨てちゃだめですよ。
やったこと②:資格学校を使い倒した
こちらの記事でもご紹介しましたが、私は日建学院の設計製図本科コースに通学していました。
利用できることは、何でも利用しました。
営業さんに頼み、欲しかった年度の過去問と解答例を個別で貰いました。
講師の先生には毎回質問しました。ゆっくり話す時間があまりなかったので、付箋に毎回3つくらい質問を書いて、宿題に貼って渡していました。
3回目くらいには顔と名前を覚えられ「おっ!macoさん今日も質問いっぱいだね!」と言われましたw
宿題についても、エスキス図面でOKの時も一式図を作図したり、ユニットの分け方やコアの位置を変えて2案作成し、添削して頂きました。
講師の方にとっては完全にサービス添削(サービス残業的な)だったと思うのですが、ダメだと断られないことを良いことに他の受講生より多く添削してもらっていました。
最後の方は「今日の課題は模試形式で解きたいから、敷地図書いてある用紙が欲しいです。ないならホワイトボードに先に敷地の形状を書いてください。」とかお願いしていました。
先生や他の受講生に迷惑にならないようには気を付けていましたが、遠慮はしませんでした。
講師の方とも冗談を言い合うくらい打ち解けましたし、営業さんとは合否発表後も電話でちょっとした雑談をするくらいの仲になりました。
講師の先生も営業さんも、嫌な顔せずに対応してくれて本当にありがたかったです。
やったこと③:クラスメイトとの相互添削
こちらの記事でも書きましたが、席が近かったクラスメイトと連絡先を交換してライングループを作り、課題の相互添削をしていました。
連絡先を交換したのは私を含めて3人。これ以上には声を掛けませんでした。
人数が多すぎても手が回らなくなるし、二人だと少ないので、3人でちょうど良かったです。
クラスメイトとの相互添削をして良かった点は、同じ課題をやっているので図面のチェックがすぐできるので、負担になり過ぎませんでした。
他の資格学校の方とやろうとするとまずは課題を教えてもらわないといけないので、それを読むだけでもかなり時間が奪われてしまいます。
その点、自分の解いたことのある課題はきちんと条件が頭に入っているので、すぐにチェックができました。
相互添削の良いところは、自分の気づいていないことを指摘してもらえるところと、一発アウトになる項目を素早くチェックする訓練ができるところです。
また、同じ課題でもエスキスは十人十色、ミスも様々です。
たまたまでしたが、受験回数、性別、年齢、得意な事などがばらけていて、バランスの良い3人だったこともあり、相互添削をすることでエスキスやミスの引き出しが増え、とても勉強になりました。
相互添削の時に気を付けていたことは、必ず相手の図面の良いところを褒めることです。
ただ間違いばかりを指摘されるよりも、良いところをあげることで、一緒に頑張ろうという結束力が生まれた気がします。
講義の前後にクラスメイトとちょっとした会話ができるとやっぱり楽しかったですし、課題でやらかした失敗もネタにしつつ、モチベーション維持にも繋がりました。
ちなみに相互添削していた3人とも合格できました!
やったこと④:標準解答例をみる
やったこと①で書いたように、padさんからアドバイスを受けて、標準解答例をよく見るようにしていました。
最初は建築技術教育普及センターのHPに掲載してある7年分(今は8年分?)のみ見ていたのですが、もっと古いものも見たい!と思い、教育的ウラ指導(以下ウラ指導)が出版している製図試験のウラ指導を購入しました!
こちらの2020年版には平成18年~令和元年までの14年分の過去問及び標準解答例が掲載されているんです。
これをA3にコピーしてすぐ眺められるようにファイリングしていました。
図面の表記で迷ったら標準解答例を確認していました。
日建学院の作図指導で書かなくて良いと言われたものでも、標準解答例の方に合わせて作図するようにしていました。
標準解答例を見ているだけでも勉強になることが沢山ありますし、色塗りしながらゾーニングを勉強したり、たくさん得るものがありました。
やったこと⑤:手順固定&時間計測
エスキス、作図ともに手順を固定して毎回時間を計測するようにしていました。
手順を固定することでミスをなるべく減らせるようになりますし、固定した手順の時間を計測することでどこが遅いのかを把握できるようにしていました。
やり易いように順番を変えたり、手順を追加したりしながら、トライ&エラーを繰り返しました。
いつもも同じ手順で進めることで、進みが順調なのか、遅れているのかを把握することもできるのでおすすめです。
こちらの記事で詳しく説明しています↓
■作図編
■エスキス編
やったこと⑥:教育的ウラ指導の後半戦一発逆転模試&ウェビナー受講
こちらの記事でもご紹介しましたが、日建学院の通学講義以外にも、ウラ指導の後半戦一発逆転模試(以下ウラ模試)を受講しました。
それまでは過去問を少しやった程度で、基本的には日建学院の課題ばかりやっていました。
ウラ模試を受講したことで、自分が資格学校の課題に慣れすぎていたこと、問題文の読み飛ばし・思い込みなどをしてしまっていることに気付くことができました。
模試の結果はランクⅣだったのですが、自分の弱点や強みを知ることができたので、日程を調整してウラ模試を受講してよかったなと思いました。
また、ウラ模試受講生限定でウェビナーを使った講義もありました。
こちらも大変勉強になり、受講してよかったです。
■ウラ模試についてはこちらで詳しく紹介しています↓
やったこと⑦:YouTubeやSNSで情報収集
一級建築士YouTuberの動画を視聴したり、Twitterで情報収集しました。
資格学校の言うことだけを鵜呑みにせずに、自分で情報を集め、いろいろな方のやり方や意見を参考にしながら勉強を進めました。
もちろんYouTubeやTwitterの意見も鵜呑みにせず、総合的に判断するようにしていました。
■おすすめ①:人見知りマンさん
やったこと⑧:課題の再エスキス
9月中旬以降はエスキス中心の勉強をしていたのですが、前にやった課題を再度エスキスするということをしていました。
もう一回やっても意味ないんじゃない?と思うかもしれませんが、時間が経ってからやるとまた違った視点で問題を見ることができ、毎回気づきがありました。
特に最初の方にやった課題は、当時は全くできない状態で解いているため、9月以降に再度エスキスをしたときには意外とすんなりエスキスができたりして、成長を感じることもありました。
上手くいくこともあれば、2回目なのに読み落としてランクⅣになったりすることもあり、慣れへの戒めになったりもしました。
特にウラ模試は3回再エスキスしました。
3回やっても上手くいかず、9月末~10月頭は精神的にズタボロでしたけど、、、
やったこと⑨:記述の音声学習
9月以降は記述を録音したものを隙間時間に聞いて音声学習をしました。
手がふさがっていても、耳が空いていれば出来るので、家事の合間によく聞いていました。
■記述の勉強法についてはこちらで詳しく紹介しています。
やったこと⑩:文字・数字の練習
最初の図面を添削してもらったときに、講師の方から文字と数字の書き方のアドバイスを受けました。
少し練習すると良いと言われたので、よく使う室名や数字は隙間時間にちまちま書く練習をしました。
練習の成果がすぐにでて、図面の見栄えが良くなったと言われました。
それ以上に効果を感じたのは、本試験の残り2分で断面図の室名が真っ白だったときに、血の気が引きながらも手が動いてくれて、なんとか文字を書けた時です。
多分練習していなかったら、手が動かなかったと思います。講師の先生が「本試験でどれだけ焦っても、やってきたことは手がちゃんと覚えている」と言っていた通りだと思いました。
以上が私がやった10のことです。
やらなかったこと
ここからはやらなかった事をご紹介します。
やらなかったこと①:他の資格学校の課題を解く
日建学院ではユニット型ばかりやっていたので、こんなに偏っていて大丈夫!?と不安になりましたが、他の学校の課題には手を出さないことにしていました。
理由は2つあります。
一つ目の理由は単純に時間がなかったからです。他の資格学校の課題を解いてるほど時間がない!!!
課題がこなせず消化不良になると、ものすごくストレスを感じるタイプなので、日建学院以外の課題はほとんどやりませんでした。
一応、情報としては目を通していましたが、他の学校はこんな感じなんだな~程度に留めておきました。
二つ目の理由は、資格学校毎に指導方針が違うため、他の資格学校の課題は解きにくいと聞いたことがあったからです。
解きにくい問題を解いて、ただでさえ苦手なエスキスで自信を喪失する必要はないなと思い、やりませんでした。
やらなかったこと②:綺麗な作図
私はフリーハンドで作図していたのですが、正直あまり作図が上手い方ではありません。
作図スピードアップのためと腰痛対策のためにフリーハンドを選択しましたが、線はふにゃふにゃで、お世辞にも綺麗な図面ではありませんでした。
採点官も人間ですから綺麗な作図の方が印象もいいでしょうし、定規できっちり書きたい気持ちもありましたが、時間内に完図することを最優先しました。
包絡?なにそれ美味しいの?状態でしたし、、、
乱雑にならないようには気を付けていましたが綺麗な作図は諦め、ある程度の作図スピードになったところでエスキス重視の勉強に切り替えました。
やらなかったこと③:記述の写経
最初のうちは記述の練習で、記述の解答例の写経をやっていたんですが、時間が掛かるし、手も疲れるのでやめました!
その代わりに音声学習を取り入れ、以降は練習で記述を書くのはやめました。
やらなかったこと④:1/400でのエスキス
エスキスが苦手でかなり時間が掛かっていたので、1/400でのエスキスはやめました。
本当は1/400できちんと詳細まで詰めてから作図に行きたかったのですが、チビコマ→倍コマ→作図という手順にしました。
それでもエスキスにはいつも2時間30分程度掛かっていたので、1/400のエスキスをしていたら3時間以上掛かっていたと思います。
私の作図スピードを考えると、完図させるためにはエスキス2時間半が最低ラインだったので、1/400は泣く泣く諦めました。
以上がやらなかった4つのことです。
※やったこと、やらなかったことの各項目について、もう少し詳細に説明する記事もアップする予定です。記事をあげたらリンクを貼っておきます。
最後に
今回は製図勉強中にやったこと・やらなかったことをご紹介してみました!いかがだったでしょうか?
すべてを完璧に勉強できれば良いんですが、時間は有限ですし、なかなかそうはいきません。
製図試験の勉強では、一人ひとりに合った戦略が必要です。
やること・やらないことを自分で取捨選択して、勉強を進めていきましょう。
あなたの合格を心から応援しています!
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