女性リーダー支援基金 ~ 一粒の麦 ~に採択されるまで(二次審査オンライン面接)
女性リーダー支援基金 ~ 一粒の麦 ~に採択いただきました。これを読んでいる方に、少しでも何か参考になればと思い、一つ前の記事では、一次審査の書類に書いた内容をそのままシェアしました。そして、この記事では、二次審査のスピーチをシェアします。
面接の方法は、プレゼンテーション5分+質疑応答15分、計20分。
スライドの投影は不可。口頭で、自己紹介、自分の強みと弱み、ビジョンとその実現に向けてどう行動するか、何が課題でどう乗り越えるか などを自由にお話ください。
このように「5分」など制限時間がある場合、これを厳守することはとーーーっても大事なので、私は必ず、事前に準備をします。
ストップウォッチで時間を計りながら、原稿を作成するのですが、最初の数行を書いて、実際に音読してみて「このくらいで20秒だから、5分だとしたらあと何文字」というふうに書き進めます。たいたい最初は超過するので、そこから余計なものを削っていって5分に納めます。
今回の持ち時間は5分、スライドが使えないので、できるだけわかりやすく、というのを意識して、5つのパートで構成しました。
そして、何度か録音しながら練習し、それを聴きなおして、聴き取りにくいところは訓読みに直したり、滑舌を気をつけたりして直していきました。
以下、5分に収めたスピーチの原稿です。
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初めまして。吉岡マコです。シングルマザーズシスターフッドというNPOで、ひとり親の女性の心と体のセルフケアを支援しています。まずは、自分の強みと弱みをお話しします。私の強みは、まず自分の生活圏、から、問題意識を抱いたことに対して、半径1mからの解決策を見出して、小さくても最初の一歩を踏み出すという、行動派であることです。その上で、その解決策が、社会に求められるものであれば、それを半径1mにとどめず、ノウハウとフィロソフィーを標準化し、担い手を育て、他地域に展開する、ということにもチャレンジしてきたことです。
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現在のNPOを始める前に運営していたマドレボニータというNPOは1998年の9月に活動を始めたのですが、きっかけは、98年の3月に私自身が出産したときに、日本の母子保健に産後のケアが無いことに気づいて、無いなら、自分で産後のエクササイズのプログラムを作ろう、といって始めた活動です。東京で小さく始めた活動ですが、社会の要請に応えて、活動をNPO法人化しまして、担い手となるインストラクターを育て、全国20都道府県、7万人にプログラムを届けるまでに成長しました。全国に担い手が育っていたおかげで、私は昨年の12月に代表を退くことができました。
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一方、弱みをあげるとしたら「アドボカシー」です。私たちは「産後白書」といった調査報告書を作成したり、アプリやリーフレットなどで産後ケアの重要性を社会に啓発してきましたが、国や地方自治体の施策といった部分にはほとんど影響力を持つことができずにきました。もっと戦略的にアドボカシー活動をおこなえたら、より社会的なインパクトを生み出せたのではないか?と思っています。
最後に、ビジョンをお話しします。
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私は、どのような境遇にあっても、自分の選択に誇りを持ち、自分らしく生きるためには、心と体の健康と、人とのつながりが土台となることを確信しています。これまで日本の妊産婦に向けてそのような活動をしてきましたが、昨年より、その対象をシングルマザーに絞って活動を始めました。一人でも多くのシングルマザーが心身ともに健康で、自分の力を発揮できて、その子どもも健やかに育つような社会になるよう、尽力したいです。その中で、一人ひとりの、自分らしさ、多様な家族のあり方が尊重され、差別や偏見のない社会を作ることに寄与したいです。
5
私は、子どもが0歳の時にシングルマザーになり、たくさんの人に助けられなんとかサバイブしました。その子は今、社会人2年目になります。このパンデミック下で活動をはじめて、すでに33都道府県のシングルマザーと繋がりました。印象的だったのは「自分以外のシングルマザーに初めて出会いました」という声が予想以上に多かったことです。自分がひとり親であることを明かさずに生活していて地域の支援には繋がれていない。けれど、私たちのオンラインの支援に思いがけずつながり、体を動かしたり、他のシングルマザーと話す機会を得て、元気を取り戻していく様子には希望を感じています。ただ、この取組みはあくまでも「今がよくなる」という性質のものであり、シングルマザーの「未来が良くなる」ためには、次に「学び」というステップが必要であることがわかってきました。その日暮らしになりやすいひとり親には、未来を見据えて行動を起こすチャンスが必要なんです。そして、その次のステップとして「貢献」というステップがあります。支援される側だった自分にも、何かできることがある、そういうパラダイムシフトが起きることは、人としての誇りを高めてくれます。この、セルフケア、学び、貢献という3つのステップが循環していくよう、活動をより充実させていきたいと思っています。
ココマデ
これでピッタリ5分でした。「制限時間を守っていただきありがとうございます」と司会進行の方に言われました。その後、質疑応答があり、20分の面談はあっという間に終わったのでした。
どんな質問をされるの?なんて答えた?ということも皆さん、興味あるかと思います。質問は、活動内容についてのものが多かったですが、こんな質問もありました。
「そんな実績のある吉岡さんに、こういう支援は必要なんでしょうか?」
この質問に対しては「これまでの実績を全て次世代にサクセッションして、0から新しいチャレンジをしているんです」ということをお伝えしました。
長年、活動していると、自分が支援する側になることも増えてきました。メンターを引き受けたり、アドバイスを求められたり。できる限り、自分の経験を活かして貢献できたらと思っています。その一方で「支援が必要なくなるステージなんてない」と思うんですよね。
この質問を思い出しては「あぁ、これは採択されないな」と諦めていたので、採択の通知がきた時にはびっくりしました。新しいチャレンジを応援してくれる方がいてくださることにとっても励まされます。
こうして話を聴いていただける機会があること、興味を持って質問してくださること、そのような場に恵まれたことに感謝いたします。
本支援金は、担い手の育成に活用していきます。シングルマザーのエンパワメントが全国のあちこちで起きるよう、尽力していきます。
今回、一緒に選ばれたパワフルなカッコイイ5人の仲間とも、お互いインスパイアしていけたら嬉しいです。素敵な出会いに感謝します。
シングルマザーズシスターフッドでは活動を支えてくださるマンスリーサポーター会員を募集しています。月額1,000円〜のご寄付で、シングルマザーが自信をつけ、親子でより良い人生を生きられるようになるためのサポート活動を応援することができます。ぜひお仲間になっていただければ幸いです。詳細はこちら。 単発のご寄付はこちらから。
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