ラジオ深夜便に出演して気づいたこと
先週の木曜日、6月22日にNHKのラジオ深夜便と言う番組に出演しました。ラジオ第1とFMで365日休まず、夜11:05から6時間生放送で放送されている番組。
1990年に放送開始、ということは今年で33年!という長寿番組です。月に1回 第3木曜日「みんなの子育て⭐︎深夜便」 という日があり、その4時台の「言葉の贈り物」というコーナーに呼んでいただきました。(聞き逃し配信は6/29深夜まで)
放送時間は50分とたっぷりだったので、収録では1時間20分くらいお話しして、それを編集していただきました。レモネードラジオ#13 で、このラジオ深夜便に出演して気づいたこと、裏話などなど喋っています。
この、コーナーのイントロダクションの原稿を検討するやり取りの中で、とても重要な気づきがあったので、そのことを最後に話しています。
事前に収録された このインタビューを流す前に、アナウンサーの方がゲストの紹介してくれます。 その原稿も事前にいただいていて、気になるところがあれば手を入れてください言われていたので、実は 1点だけ直したところがあるんです。
私の紹介をしてくれているパートで、こんな原稿を最初いただいていました。
普通に聴いていたら、そんなに違和感はないでしょう。
でも私は「ああ、またか」って思ったのでした。
「悩みに寄り添う取り組みを続けています」という部分が、私は、うーんちょっと違うんだよなと思って、「悩み」という言葉を違う言葉で言い換えてもらいました。
シングルマザーに限らず、悩みはどんな人にもあるものだと思います。
ただ、シングルマザーズシスターフッドは「悩み」にはフォーカスしていないんです。悩みはあって当たり前。それを乗り越えるために、まず、心と体を整えていこう、という部分をサポートしています。
そして、悩みもあるけれど、希望もあるよね?その希望も、みんなで励まし合って(シスターフッド)叶えていこうっていうスタンスで活動しています。
悩みは解決できたらいいけど、シングルマザーは、悩んでいるだけの存在ではなくて、希望を持って、それを叶えるために頑張っている存在でもあります。
そういう側面て、意外と見過ごされがちじゃないですか?
ん?見過ごされているのか?
あるいは、それが許されていない、という見方もできるかもしれません。
こういう紹介原稿を作るときにも、無意識に、シングルマザーの希望、ではなくて、シングルマザーの悩み、という言葉の方が先に出てきてしまう。それもアンコンシャスバイアスじゃないかな。
そういう無自覚な言説から、シングルマザーの印象が、気の毒とか、かわいそう、というような、偏見が生まれ、強化されてしまうのではないか。シングルマザー当事者も、無意識にそれを内面化してしまって、そういう姿を演じてしまう。
全然悪気のない人からも、変な気の使われ方をしてしまったり、それでかえって居心地が悪くなってしまったりして、希望のある話がしにくかったり、困っている話をした方がいいのかなとか気を遣ってしまって、自分らしくいられない、みたいなことって、結構あるあるだったりします。
シングルマザーズシスターフッドでは、 差別とか偏見とか、そういった、シングルマザーやその子どもたちの生きづらさにつながるようなものをなくしていきたいという願いを込めて、5月と12月に、シングルマザーのエッセイを発表してその多様性を祝福するキャンペーンをしています。オンラインのセルフケア講座も、参加してくれたみんなが、明るく、元気になれるような、場づくりをしています。
悩みに寄り添う、ではなく、希望に寄り添う、というスタンスでいます。
冒頭のお話に戻ると、アナウンサーさんが私を紹介してくれる原稿の中で、その
「悩み」というワードを、 「希望」というワードに変えてもらいました。
あまり誰も気にしないかもしれないけどね、その違いは大きいと思っていているんです。
そんな話をレモネードラジオでしているので、よかったら聴いてみてください。次回のレモネードラジオでは、NPO学会で発表した話をしようかなと思っています。
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