【LUMIXの弱点②】プロカメラマンに向いてない
「こんな人には向いてない、LUMIX」第二段のテーマは「プロカメラマン」です。
まずはフォトグラファーとプロカメラマンの違いについて考えてみたいと思います。
フォトグラファーとプロカメラマンの違い
箇条書きで書き出してみます。
フォトグラファーは写真家主体でスケジュールを組み、撮影しますが、プロカメラマンは決められたスケジュールに従って撮影します。
フォトグラファーは撮影する時間に制限がない事が多いですが、プロカメラマンは撮影時間に制限があることが多いです。
フォトグラファーは思う写真が撮れなくても改めて撮り直すことができますが、プロカメラマンはその一瞬を逃すことができないです。
つまり、フォトグラファーは最悪、決定的瞬間を逃してしまっても自己責任で再チャレンジすればいいのですが、プロカメラマンは決定的瞬間を逃してしまうと撮り直しができず責任問題に問われてしまうのです。
フォトグラファーには向いているカメラ
LUMIXのカメラはフォトグラファー的な使い方をする人たちにはいいカメラだと思います。
PanasonicのLUMIX公式noteの中に、STILLUMIXというnote特集があります。
いろいろな方たちがLUMIXのカメラを使用して、写真を撮影して紹介しています。
私もスナップ好きなのですが、それぞれに独特の世界観があって面白いですよね。
しかし、よくよく見てみると、紹介している人たちはみなさん揃ってフォトグラファーなのです。
STILLUMIXの公式ページを覗いてみると、やはり「SNSで活躍する『フォトグラファー』」を中心にLUMIXの使用感を伝えているようです。
別にフォトグラファーさんを蔑むつもりはありません。
私にはこのような写真は撮れませんし、すばらしい写真を撮る技術や知識を持っていることは尊敬の念さえ持ちます。
しかし、これだけ写真をテーマにLUMIXの良さを伝えているのに、「プロカメラマン」としての意見が一つも出ていないのって不思議ではありませんか?
個人情報や秘密保持契約の兼ね合いもあってそう簡単に写真を公開することはできない…それは分かります。
しかし、せめてプロカメラマンが「LUMIXを実地テストで使ってみた感想」くらいは掲載されてもいいのではないでしょうか。
そういう記事がない事自体が、LUMIXが聞いて寄り添おうとしているユーザーの声の中に、プロカメラマンの声が含まれていない事を象徴しています。
結局のところ、LUMIXは、「最悪撮れても撮れなくても問題ないような撮影」でしか使うことを想定できておらず、
1カット1カットの決定的瞬間を逃すことができない撮影には得意ではないのです。
散歩ついでに日常を撮影したり、子供の写真を撮ったり、風景を撮ったりといった使い方なら全然問題ないですし、それどころか、忠実な色合いで、素直な写りで、色乗りがよくて最高なんです。
しかし、限られた時間の中で、刻々と変わる状況変化に対応しつつ、1枚も撮りこぼす事がないように撮影しないといけないような場面にはLUMIXは向かないと私は思います。
プロカメラマンが必要とするカメラとは?
そんなこと言っても、あまりイメージしづらいと思いますので、具体的に「プロカメラマンが必要とするカメラ」について考えてみましょう。
私が思いつく項目をあげてみました。
【スピード】
電源を入れたら即座に撮影できるカメラ
撮影後すぐプレビュー表示が可能で、再びすぐに撮影に入れるカメラ
【AF】
AFが瞬時にあって、動体撮影でもピントが食いつくカメラ
AFがあわないときにすぐにMFに切り替えられて、即座に手動でフォーカスを合わせられるカメラ
【イメージ調整】
撮影中に常時プレビューで撮影後のイメージが表示できるカメラ
撮って出しでホワイトバランス・露出が追い込みやすいカメラ
フリッカーが出にくいカメラ
【外部】
クリップオンストロボが使いやすいカメラ
バッテリーの持ちがいいカメラ
(ちなみに、私はプロカメラマンではありませんが、結婚式やイベントの撮影をすることがあります。いわゆるセミプロだと思います。使用しているのは主にCanon一眼レフ機で、その経験に基づいています。)
その逆を行くLUMIX
LUMIXユーザーの方は分かると思いますが、残念ながらLUMIX機はほとんどこの要件を満たしておりません。
プロカメラマンだったら絶対にこんな仕様では困ると思います。
最近発売されたG9PROIIやS5IIは特に、以前のモデルよりも「電源を入れてからシャッターを切れるようになるまでの時間が長くなり不便になった」という声や、「プレビューボタンを押してから、撮影した画像が表示されるまでが遅い」という声がありました。
今はほとんどそのような声は聞かなくなりました。
それは、自由に時間を使える趣味の撮影や自分のペースで撮影できる目的で利用している方が多いからでしょう。
現ユーザーのほとんどは、「こんな仕様でもどうしても困る」ということはないのです。
過去「LUMIXが使いにくい」と言って乗り換えた人たち
私の知っている人で、昔LUMIXを使っていたものの、「LUMIXは使えない」と言って他のメーカーに乗り換えていった方が居ます。
当時、私はその人の考えが全く理解できず、
「LUMIXはこんなに使いやすいカメラなのに、それが分からないなんてもったいないなー」
くらいに思っていました。
しかし、今になってその理由が分かりました。
その方は、LUMIXを業務用途で使用し、決定的瞬間をおさめる必要があったときに失敗してしまい、不都合が生じたのです。
1枚1枚ミスが許されない状況の中で、撮影した納品しないといけない写真が使えないレベルのものだったら絶叫ものでしょう。
そのように考えたときに、その方が仰っていたことが理解できました。
プロカメラマンが使いやすいカメラにする必要があるのか?
「そんなこと言ったって、そんな一部の特殊なユーザーの要望を聞く必要があるのか」
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、よく考えてみてください。
もし、自分の持っている機種がアップデートされて先ほど書いた項目が良くなったとしたら、めちゃくちゃくちゃ使いやすくなると思いませんか?
現ユーザーも困ってないから、慣れてしまったから感覚が麻痺しているだけなんです。
だから、それらが改善されることはすべてのユーザーに大きなメリットがあります。
もし現プロカメラマンでLUMIXユーザーの方が居るなら、使いにくい部分をもっと発信すべきです。
現ユーザーの方たちも最初に使ったときに感じた「違和感」に慣れることなく、使いにくい部分を声を大にして言うべきです。
声が大きくなればなるほど、改善の一歩は早くに進み出すでしょう。(現にこのnoteを私が書いているのも決してLUMIXへのアンチ活動では決してなく、「改善して欲しいから」です。)
スチルカメラで目指すべきもの
使いやすいと思っていたLUMIXが圧倒的に欠けているピースはこれなのです。
これで良しとしていてはカメラとしての発展性はありません。
正直、中の人にも、現LUMIXユーザーにもあまり嬉しくない話だと思います。(このシリーズのnoteはほとんどいいねされないし苦笑)
「画質がいい」とか「素直な色合い」とか言ってる場合じゃないです。
この状況が変わらなければ、LUMIXがフルサイズ機でいくらスチルフラグシップ機を発売しても、プロカメラマンが使うことはないでしょう。
フォトグラファーに比べたらプロカメラマンの方が確実に人口は多いと思います。(調べたわけではないので実際どうかは知りません)
それはつまり、LUMIXのスチルカメラとしてのシェアが増えないことを意味するでしょう。
私はこのままでは良くないと思います。
次回、プロカメラマンは「LUMIXの仕様の何が困るのか」を更に深堀りします。
最後までご覧くださりありがとうございました。
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