OM-1MARKIIレビュー【絵作り編】
さて、OM-1markIIを使う中で外観・UIは大変好印象だったのですが、唯一気になったのが絵作りの部分です。
LUMIXしか使ったことなかった私がOM機を使用してみたところ、正直なところ最初は「OM機を買って失敗したかな?」と思うくらい、ファインダーやモニターに写る絵が好みではありませんでした。
OM機を使っているユーザーさんの写真を見ると素敵な写真なのですが、RAW現像されている方が多いんですよね。
もしかしてOM機はRAW現像前提で使う機種なのでは?と思いました。
OMはRAW現像前提のカメラ?
そこで、X(Twitter)にてアンケートを採ってみました。
結果を見ると、撮って出しで使っている人は少ない(LUMIXユーザー比)と言えると思います。
やっぱりOM機はRAW現像時にその真価を発揮するんじゃーん…そんなのんきなことは言ってられません。
撮って出しの絵は撮影体験に直結します。
何としても撮って出しのクオリティを上げたい!と思いつつ、しばらくOM機を使い込んでみました。
すると最初はOMの出てくる絵に違和感があったのですが、OMの設定をカスタマイズすることで、好みの絵が出せるようになっていきました。
今回は私がどのような設定をしたのかをメインに紹介したいと思います。
「OMの写りってなんか微妙…」と思っておられる方は参考になるかもしれません。
私のOM-1MARKII設定
モニター・EVF
モニターを見ていて出てくる絵の違和感の原因の一つがモニターの色合いでした。
自分なりに調整してみたところ、モニターの色合いが大きくずれている事が分かりました。
モニターの色合い B4,M4
EVFの明るさ -2
にしたところ、モニターとEVFの色合いと明るさがそろったように感じました。
AWBの調整
OM機は室内(人工光源下)での撮影で、AWBの色合いがおかしいと感じることが多々ありました。
AWB時の設定で
電球残し:Off
WB補正:A2,M1
あたりにすると、色合いが割と私の好みになりました。
ピクチャーモードの設定
OMのピクチャーモードに、「i-Finish」という設定があります。
これは取扱説明書によると「カメラが被写体を自動的に判別して、最適な色やコントラストを再現する」という色モードだそうです。
この設定を使うと色を誇張しすぎていたり、コントラストがガラッと変わったりします。
撮影者の好みだと思いますが、私的にはあまり好きではなかったです。
i-Finishの効果を「弱」に設定するとほどよい感じになりました。
画質(ISO)について
高感度ノイズ
高ISOで撮影したときに、ベタっとした塗り絵っぽい印象に感じました。
私は人物(子供)を撮影することが多いのですが、あまりちゃんと照明の当たらない環境下で撮ると人肌が塗り絵っぽくなります。
LUMIX G9IIはそこまで塗り絵っぽくならなかったので、その方が好みでした。
この違いが生まれるのはいくつか理由があると考えられます。
情報量(bit数)の違い
G9IIはダイナミックレンジブースト機能のおかげで、16bit相当のRAWデータを持っているそうです。(16bitをフル活用できているかどうかは不明)
それに対してOM-1markIIは12bit RAW。
よって、G9IIの方が階調表現が豊かにできるのは当然とも考えられます。
ノイズ処理に対する考え方の違い
これはOMとLUMIXの両方を使用しているフォロワーさんから教えていただいたのですが、OMとLUMIXではノイズ処理に対する考え方が異なるようです。
OMはノイズを消すためなら、ディティールが損なわれてもいいという考え方のようです。
それに対して、LUMIXはノイズを消さずに、できるだけディティールを残そうという考えのようです。
これも好きずきではありますが、私は塗り絵に近い表現はあまり好きではありません。
設定でノイズ低減をOFFか弱にしておくといいと思います。
ちなみに、パソコンソフトOM Workspaceを使うともっときれいにノイズ処理ができるそうです(私はまだ使ってません)
同じISO感度ならOMの方が画質がいい!?
私の感覚で感じたことですが、LUMIXのISO1600とOMのISO 1600では、OMの方がきれいに感じました。
Photons to Photoのテスト結果を見ると、間違いないんではないかなと思いました。
この機能を使うと面白い!
ハイライト・シャドウコントロール
明部、暗部、中間部の明るさを調整することができます。
私はそのときによっても変わりますが、シャドウとハイライトは-2~-1くらいで抑えておいて、中間部をそのときの状況に応じて変えるのが好きです。
カラークリエイター
特定の色に転がして彩度を調整し、写真の色合いを大きく変えることができます。
まとめ
OM機は色の処理についてはデフォルト設定や仕様の部分で損しているなと感じました。
その写りが好きな人には良いかもしれませんが、好まない人には全くあわないと思います。
しかも、OM機の特性上、どこの設定を変えれば変えられるのかわかりにくい。
私はカメラを買った後なので何としても使おうと思って頑張りましたが、普通に店頭で触って「あわないな」と思ったら購入対象から外れてしまう可能性もあると思います。
モニターのデフォルトの色合いがおかしいだけなのに、写りが気持ち悪いという理由で却下されてしまってはもったいないですよね。
そういう意味で、メーカーは損しているんじゃないかなと思いました。
初期設定でのOMの絵作りの部分は唯一のOMの弱点だと思っています。