こんな人には向いてない、LUMIX
こんにちは、まつです。
前回の「家族写真やスナップ写真にLUMIXをおすすめする理由」の記事が大変好評をいただきました。ありがとうございました。
さて、今回は前回とは打って変わりまして、「LUMIXはオススメしません!」という内容です(真顔)
…いや、冗談とかではなく本気です。
私自身、長年LUMIXを使ってみて、「LUMIXは痒いところに手が届いて使いやすくていいよね!」と思う一方で、「こういう使い方する人のこと考えてないよね?」とか「こういうこと考えて設計開発してないよね?」と感じる部分があります。
これは中の人たちが「カメラをどう捉えて、ユーザーにどんな役割を果たしたいのか」という根幹の部分にも関わることであると思っています。
もしかしたら私の考えることは中の人からしたら「そもそもベースとなる考え方が違う」とか「それは仕様である」と言われる話かもしれません。
ですので、「LUMIXのここがダメ」とは言いません。
「こういう目的で使うにはLUMIXは使いにくい」という意味合いで「こんな人には向いてない、LUMIX」というタイトルにしました。
このnoteを通して中の人が前向きに意見を取り入れてくれて、LUMIXがもっと使いやすくなれば良いなと思っています。
言わば私にとっての愛の鞭です。
今回の内容はカメラ初心者の方には伝わりにくい話もあるかと思います。
その点、ご承知おきください。
LUMIXの謎「本当にスチルユーザーのことを考えて開発してるのか?」
LUMIXの新機種発表会
LUMIXの新機種発表会を見ていると、「こんなにスペックが良くなりました~」「こんな機能がついて撮影が便利になりました」という話を聞きます。
しかし、その内容は動画についてが大半で、写真に関しては驚くほど情報が少なかったです。一部界隈の間では「LUMIXはスチルを軽視している」という声も上がっていました。
それに対して、ユーザーの間では「動画はまだまだ性能や機能向上の余地があるけど、写真はただ写真を撮るだけだから、写真の性能を上げるような伸びしろがないでしょ」という意見もありました。
これには私は反対です。
近年のパナソニックはユーザーの声を聞いてユーザーの喜ぶ機種を作ろうとしているように感じます。
また、「スチルユーザーのことも考えているよ」とアピールするかの如く、先日発売されたフラグシップスチル機のG9PROIIはたくさんの写真家に事前に使ってもらって、使用感や作例写真を公開してその製品の良さをアピールしていました。
しかし、それは結果論の話であり、
「設計・開発の段階から、本当に写真を撮る人のことを考えてカメラを作ってきたのか?」
「スチル面の良さのアピールは言わばスチルユーザーを満足させるためのパフォーマンスではないのか?」
という疑問を投げかけたいです。
動画スペックの異常な高さ
それが際だって感じるのがG9PROIIの動画スペックの高さです。
G9PROIIはフルサイズのS5IIやS5IIXと同じ筐体なのですが動画性能のスペックもほぼ似ています。
それが結果的に動画フラグシップ機を名乗るGH6よりも部分的にはスチルフラグシップ機のG9PROIIの方が上、という状態になっています。
それはシステムUIを共通化してコスト削減のため。確かにそれは理解できます。また、動画もちゃんと撮れて嬉しい部分もあります。
しかし、それはそれ、これはこれです。
やはりスチルフラグシップ機と名乗る以上は「写真」を撮ることを考えて設計開発したのかな?と思います。
G9PROIIの進化
「位相差AFが搭載されてピントの食いつきが良くなった、ダイナミックレンジブーストでノイズが減った、色乗りが良くなった。」
どれも前機種からの改善点なのですが、「これって動画にも写真にも関係ある部分じゃないのかな?」と思いました。
写真だけに関係することで思いついたのは「連写性能が上がったこと」くらいです。(他にもあったらすみません)
ユーザーの声を聞くようになったパナソニック
以前、PanasonicのLUMIX公式noteの中で、「今までユーザーの声を無視して来てしまった」
「これからはユーザーの声に寄り添ってより作品づくりがしやすくなるように目指していきたい」といった内容がありました。
これを読んだときは「面白いな」「前向きな印象を感じるな」と思ったのですが、ふと「寄り添っていくユーザーとは誰なのか?」を考えました。
動画に強いLUMIXと言われるとおり、LUMIXユーザーとは動画ユーザーの方が圧倒的に多い(もしくは目立つ)のです。
つまり、LUMIXが寄り添っているユーザーの実体というは必然的に動画ユーザーなのではないか?と考えました。
パナソニック公式のマーケティングの一環として、LUMIXユーザーを紹介する「だから、LUMIX」というYoutubeチャンネルがあります。
動画自体はとても興味深く面白い内容なので是非見てみてください。
しかし、残念ながら紹介されているのは全て動画ユーザーなのです。
このようなところからも、広い目で見るとやはり無意識に動画ユーザーが優遇されているのを感じます。
これは私の仮説ですが、
「動画もスチルも大事にしている」と公式は言うものの、実際には潜在的に動画ユーザーの声を聞いていて、無意識に写真より動画性能を上げるカメラを開発している。
おまけで写真スペックも向上した、写真も動画も撮れるカメラを市場に出している。
そう考えると、今回のG9PROIIの写真と動画スペックについて、しっくりきました。
スチルスペック向上の機会損失
「結果的にスチルの性能も向上して満足できる製品ができているからいいじゃないか」
そう思うかもしれませんが、
「もし、もっとスチルユーザーの声を聞いて、スチル目線でカメラを開発していたら、もっといい物が出来上がっていたんではないか」
私はそう思わずには居られません。
動画性能向上に力を入れた結果、スチル面のアップデートが疎かになり、スチル性能が向上する機会が失われてしまったのではないか、と考えます。
LUMIXは使えないカメラか
「それなら前回のnoteは嘘だったのか!」
いいえ、嘘ではありません。あれはすべて私が感じ、思ったことを正直に書きました。
家族写真を撮ったり、スナップを撮ったりするには全く困らない。それどころか、目的と価格と性能がマッチした素晴らしいカメラなのです。
しかし、スチルのプロユースで考えたときに、「これでは使えない」「これでは喜べないユーザーが出てきてもしょうがない」
それもまた真実なのです。
では、どんなシーンでLUMIXを使うと困るのか。
どんな人がLUMIXは向いていないのか。
…それはまた次回。今日はここまでです。
最後までご覧くださりありがとうございました。