【LUMIXの弱点①】新規購買層が買いたいと思わない
先日の「こんな人には向いてない、LUMIX」の第一段です。
今回は「新規購買層」をテーマにお話しします。
LUMIXの長所
LUMIXの長所として、「機能性・操作性の良さ」「堅牢性」がよくあげられます。
Fnボタンが自由にカスタマイズできるとか、システムUIが使いやすい、壊れにくく熱に強い、といった部分です。
これはまさにそうです。
私がカメラ初心者の方におすすめする理由の一つでもあります。
また、自分の好きなようにカスタマイズできるので、「俺はこんな風に設定してるー」とか「こんな便利な使い方があるんだぜぇ」とLUMIXユーザーの間で話すのは楽しいですし、「カスタマイズした自分独自のカメラ」という感じがいわゆる男心をくすぐる気がします。(女性ユーザーの方すみません)
しかし、機能性を重視しているせいか、「質感や所有欲はどうか?」と言うと、「良い!」とは言い切れないものがある気がします。
冬の寒いときに機能性(ここで言う暖かさ)を重視して洋服を着込むと、オシャレさはなくなり野暮ったくなってしまいます。
おしゃれなコーデにしようと思うと、割と薄着になったり、メリハリが必要になったりするんですよね
LUMIXにおいても、機能性に全振りしてしまってるせいで、カメラとしてのおしゃれさ、つまり趣味性や嗜好性は薄くなってしまっているのではないか、またそのせいで新規購買層が獲得できないのではないかと思いました。
LEICA DG 25mm F1.4 IIというレンズ
一例として、LUMIXが出すm43マウントのレンズで、LEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4 IIというレンズを挙げます。
こちらのレンズは、2019年に新型にリニューアルした割と新しいレンズです。
このレンズ、35mm換算50mmの画角のプライムレンズで、いわゆる標準レンズです。
50mmのレンズは各社カメラの指標ともなるレンズで、写りなどを判断されることが多い重要なレンズです。
私も、以前にこちらのレンズを購入しました。
写りはLeicaの名がつくだけあって、艶のあるおもしろい写りをします。
しかし、私はこのレンズを手放してしまいました。その理由は「質感」です。
こちらのレンズは金属製なのですが、フォーカスリングの部分だけゴム製になっています。
このゴム製がとてつもなくダサい。
レンズとしての質感をかなり下げています。
しかも、すぐ埃がついて見た目が悪い。
その部分が不満足だったので、私は他社のレンズに買い換えました。
その他にも35-100mm F2.8の旧型のレンズを使っていますが、こちらもLEICA銘でリニューアルしました。
しかし、こちらもゴム製のリングを使っています。
安いレンズであれば妥協して使うのですが、高いLEICA銘のレンズなのにフォーカスリングがゴムというのはどうなのかな?と思います。
これが変わらない限り、私がLEICA銘になった新型に乗り換えることはまずありません。
これも、機能性に重点をおいて質感を無視してしまった悪い例だと思います。
では、なぜこのような事になってしまうのでしょうか?
それを考えてみました。
LUMIXのカメラ開発の仕方
LUMIX公式の出す「LUMIX Magazine」の中で、以前にカメラの開発についての記事が有りました。
カメラの開発の工程を紹介するのですが、その中で、私は気になる文章がありました。
それがこちらです。
この文章を読む限り、LUMIXでカメラを開発するときには、「まずはエンジンを作り、アルゴリズムが完成すると、ハードウェアの開発に着手する」ようです。
つまり、まず内部のパーツを作って、内部のパーツができてから、それが収まる「ガワ」の設計をしているということだと思います。
ハードウェア設計は後回し?
私自身カメラの開発どころか製造には携わったことはないので、全くの素人考えですが、
このnoteを読んで私は、「ハードウェア設計をするなら『この製品コンセプトならこれくらいのサイズ感だよね。この範囲に収めたいよね』みたいな話もしながら、外部を決めて内部を作っていく(もしくは外部と調整する)のが普通なんじゃないかな?」と思いました。
そのようなことをXでつぶやきましたら、あるフォロワーさんからこのように返信をもらいました。
そうなんです。
LUMIXが推す「機能性」「操作性」「堅牢性」が優れているのは、そっちに重点をおいて内部から作りこみ、それを満たすガワを用意しているからできているのではないかと考えます。
ですので、できあがってくる製品というのは「デカい」「ゴツい」「質実剛健」「飾り気のない」といった言葉が似合うような、質感はなく、おしゃれさに欠ける、デザイン性に欠ける製品ができているのではないかと思いました。
販売台数シェア率の低い原因
さて、LUMIXのカメラは使い勝手がよく便利で画質がいい、世界で最初に発売したミラーレスカメラにも関わらず、そのシェアは現在の日本ではとても少ないです。
ここ3年間の販売台数のシェア率を見ると、低調を維持しており、最新でわずか7.2%しかありません。
これは、恐らくカメラとしてのおしゃれさやデザイン性を重視していない事が原因ではないかと考えます。
新規購買層のカメラの選び方
例えば、初めてカメラを買う人がいるとします。
今後上位機種や交換レンズを購入してくれるかもしれない、大切な顧客です。
そのようなお客さんは、何を見てカメラを購入するでしょうか?
まずは「カメラメーカーとして聞いたこと有るかどうか」が第一になるでしょう。
昔からあって間違いなさそうな、みんなが持ってる、そういう安心感のあるメーカーの中からカメラを選ぶでしょう。
次に見るのは何でしょうか?
全くカメラを使ったことがない人がその機能性や操作性の良さ、カメラのスペックの高さに気づくことは稀だと思います。
これは私の想像ですが、恐らく「カメラの見た目」ではないかと思います。
質感、所有欲、かわいらしさ、オシャレさ、趣味性、嗜好性といった部分です。
なんか見た目が可愛らしいからちょっと触ってみよう。
触った感じがいいね。
フォルムがカッコいいよね。
部屋に飾っておきたいな。
そういう思いが、決して安いものではない、購入するのに勇気がいる、人生で1台目のカメラを購入するきっかけに繋がるのではないでしょうか。
多少試しにシャッターを切るとは思いますが、操作性や機能性を比較するような玄人は新規購買層には居ないでしょう(笑)
そういう意味で、LUMIXのカメラは販売にはかなり不利なのです。
よっぽど、店頭の店員さんが「使いやすくてオススメですよ~」というアドバイスを聞いて買ってくれるくらいかもしれません。
メーカーさんは店員さんを大事にしてあげてくださいね。
話を戻します。
メーカーの知名度は仕方ないとしても、有名なメーカーのカメラを差し置いて自社のカメラを手にとってもらおうと思うとまずは見た目やカメラの質感が大事なのです。
見た目や質感を大事に
新規購入層はこれから新しいカメラやボディを買っていってくれる可能性がある、メーカーにとっては重要な顧客です。
新規購入者層が増えるからこそ、開発資金ができて、新しいカメラやレンズが開発できます。
所有欲が高まりメーカーに愛着を持つからこそ、中古ではなくて新品を買いたいと思います。
公式の表明で「LUMIXを開発する上で、これからLUMIXユーザーの声を聞いて反映させる」と言っていましたが、それでは不十分だと私は考えます。
なぜなら、その中に新規購買層の意見や考えは含まれていないからです。
であるとすれば、いつまで経っても新規購買層は増えません。
シェアは増えず、LUMIXは盛り上がっていきません。
おしゃれで可愛いカメラ、クールでかっこいいカメラ、触るだけで嬉しくなるような質感の高いカメラ、一目見て買いたくなるようなカメラ。
そういうカメラを開発してはどうかなと私は思います。
今回は以上になります。
最後までご覧くださりありがとうございました!