シックスパックとアブクラックスは筋肉だけの問題ではない。見せ方に大きな違いがある。
スリムなお腹に憧れる人は多い。
男性はもちろん、スリムになりたい女性も6つに割れた腹筋(シックスパック)に憧れる。
今、シックスパックはスリムなお腹の象徴になっている。
しかし、女性的なスリムなお腹といえばアブクラックスである。
日本でもSNSで話題になり、テレビなどでも紹介されて、女性ならばアブクラックスが出るお腹を目指せといった風潮にはなったが、1年もたたずにその話題はシックスパックのお腹に置き換わってしまった。
おそらく、アブクラックスを作ろうと筋トレしたのに、みんなシックスパックのお腹になってしまったからであろう。
ちなみに、
●シックスパックとは、6つに割れた腹筋。
●アブクラックスとは、お腹に3本の縦の割れ目が入り、ウエストのクビレが強調され、お尻が上がって、お腹もペタンコで、女性らしい曲線を消さずに締まった体になるというものである。
締まったお腹を作ろうと思ったら運動やトレーニングをすると考えるのは普通だが、シックスパックにしてもアブクラックスにしても、特徴や仕組みを理解しないで腹筋を鍛えると迷宮に入り込む。
特徴として、アブクラックスは言うまでもなく女性的な体を作るが、女性がシックスパックのお腹になると、ウエストのクビレを無くして、お尻が垂れて、直線的な体になって、たくましさが強調されてしまう。
また重要な特徴として、筋力が上がったから腹筋が割れるのではないことは忘れないで欲しい。
腹直筋はどんなに筋肉がない人でも全員6つに割れている。中学生くらいの体脂肪の少ない男子だと、運動などしないヒョロヒョロの人でも、ちゃんとシックスパックに割れている。
単にシックスパックは力こぶが大きい方が見えやすいため筋トレの象徴なだけである。
実は、見せ方が重要である。
6つに割れた腹筋を
●縦割りで見せればアブクラックス。
●ブロックに分けて見せればシックスパック。
その為にどうするかである。
それぞれの見せ方を理解しないで筋トレをすると、最終的にシックスパックになってしまうのである。
シックスパックとアブクラックスの画像で、特に男性らしいシックスパックのものと女性らしいアブクラックスのものを見比べてみると答えが分かる。
シックスパックを強調している画像を見ると、お腹に力を入れて少し胴体を丸めているのが分かる。腹筋を使えば胴体は丸まり、腹筋のチカラコブがでる。
一方、アブクラックスの画像を見ると、お尻をクイッと上げたり、腰を横にクイッと曲げたりして、お腹を伸ばしている。
アブクラックスはチカラコブを見せるのではなく、腹筋を伸ばすことで分かれている縦のラインが出ているだけである。
●骨盤を前傾させることで、お腹を縦に引っ張るアブクラックス。
●骨盤を後傾させることで、お腹を収縮させるシックスパック。
真逆である。
この違いを理解せず腹筋運動をして胴体を丸めて、アブクラックスの出し方とは真逆の練習と、体を丸くする習慣を植え付けることになり、シックスパックになっていき、その後シックスパックも消えていく。
トレーニングをしていてもシックスパックは消えていくのである。
※注意として、下手な腹筋運動をし過ぎることで逆効果にもなりえる。
少しややこしいことを言うが、間違えではないので読んで欲しい。
例えば、腹筋運動をしているのにシックスパックにならない人がいる。
それは、骨盤が後傾しているからである。
ここでいう後傾は動きの後傾ではなく、日常の骨格のバランスとしての骨盤の後傾で、骨格としての後傾は筋力があって痩せていてもきれいなシックスパックにはならないのである。
綺麗なシックスパックの人を横から見ると、胴体は丸めているわりに、お尻がクイッと上がっているのに気づくはずである。
つまり、シックスパックも日常の骨盤は前傾している人が、動きで骨盤を後傾させることで綺麗に見せている。
その証拠に、年齢とともにシックスパックが見えなくなる。それは加齢によって背骨が丸くなり骨盤が骨格として後傾しているからである。
どちらにしても、お腹が締まる人は、必ずお尻がクイッと上がっているのである。
骨格としての骨盤の前傾を基本にして、丸めて見せるか、伸ばして見せるかの違いである。
運動指導をするならば、この辺も見極めて指導して欲しいものである・・・