たすく、SMARTを知る。
今年も半年が過ぎた。たすくは年初に掲げた今年の目標を眺めている。
「もう半年か・・・・、全く予定通り進んでないな、手をつけていないのもあるし。」
たすくはがっかりもしたが、毎度のことなので真剣には受け止めていない。
そもそも、たすくの目標は目標と呼べるようなものではない。
年初の目標はほぼスローガンと化している。年が変わった気持ちの勢いで作ったもので、抱負とか意気込みとかそれに近いものだ。
目標は夢でも、スローガンでも抱負でもない。
目標と言えるためにはSMARTと言われる、以下の条件を満たす必要があります。
Specific(具体的):何を達成したいのかを明確にする。
Measurable(測定可能):進捗を確認するための指標を設定する。
Achievable(達成可能):現実的に達成可能な目標を設定する。
Relevant(関連性がある):自分の長期的な目標や価値観と一致するようにする。
Time-bound(期限がある):具体的な期限を設ける。
SMARTは上記の頭文字を取って呼ばれるものです。
例として、
Specific(具体的):何を達成したいのかを明確にする。
「日常英会話ができるようになる」→✘
これは願望であって、目標とは言えません。
まず、日常英会話とはどのくらいのレベルを指すのかが曖昧です。
「日常英会話ができるレベル」を自分で具体的に定義する必要があります。例えば、英単語を3000語暗記する、文法書を5回読む、日常会話フレーズ集を暗記するなどです。これを達成しても日常英会話ができない場合、施策の追加や見直しを検討します。
また、英語が話せる状態を英語資格試験取得を手段として目標に設定することも一つの方法です。例えば、英検準1級やTOEIC800点以上を目指すなど。ただし、そのために具体的に何をするかが重要です。それが前述の施策か、さらに追加の施策が必要かを検討します。これがサブの目標となり、それぞれがタスクとなります。あくまで試験合格は手段です。自分の考える日常会話ができるレベルが、試験に合格したとしてもクリアできていなければ、新たな目標設定をしなければなりません。
Measurable(測定可能):進捗を確認するための指標を設定する。
目標の指標が明確であれば、進捗状況を確認することができます。進捗が確認できない場合、主観的な判断に頼ることになり、自己満足や自己否定につながる恐れがあります。単語をいくつ覚えたのか、何ページ、何回テキストをやったのか、などの数値化が必要です。理解できた、わかったなどは日によって、教材によって代わるものです。
1時間聴いてもわからないのであれば、2時間聴く必要があります。2時間聴いてもわからなければ、方法がまずいのか、時間が少ないのか、その指標を作ることが、検討修正の材料となります。
Achievable(達成可能):現実的に達成可能な目標を設定する。
行動計画を立てても、それを実行するための場所や時間があるのかを確認する必要があります。非現実な行動計画を立てても意味がありません。英語の勉強などは習慣的に継続しなければ上達は見込めません。覚悟と時間と労力が必要になります。仕事の都合、家族、その他すべきこと、したいことを考えて実行する可能性があるのかないのか検討する必要があります。
Relevant(関連性がある):自分の長期的な目標や価値観と一致するようにする。
「日常英会話ができるようになりたい理由」や「目標である具体的な施策」と「日常英会話ができるようになる」という目標の妥当性、整合性、関連性を確認します。日常英会話ができるようになる、というのはなぜなのか、そのために行う施策は妥当かなどを検討する必要があります。特に英語が話せればという願望程度の理由であれば、施策はきっと具体性に欠けるものとなるでしょう。
Time-bound(期限がある):具体的な期限を設ける。
年初の目標であるので、達成期限は1年以内とします。そして、進捗を想定し達成度を確認します。初めの進歩は遅いが後半にかけて進歩度合いが進むと予測するなどです。1年を期間を区切り、小さな目標に分割し、進捗状況を確認する作業は重要です。目標をたて、施策を実行しても予定通りに進まなければ、進まない理由が自分にあるのか、方法にあるのかを検討し、修正する必要があります。半年経って目標を眺めているようでは困ります。
たすくの目標はどこに問題があったのか?
目標が曖昧で、手段も具体的ではなく、具体的な行動計画に落とし込まれていませんでした。つまり、年初のスローガンは達成するわけもありません。
年末を迎えるまでもななく結果は出ています。
なるほど、SMARTか。
目標みたいなものを作っていたということか。やらなくちゃ、やらなくちゃということを思い出させる、視覚的なトリガー程度にしかなっていなかったな。
たすくはSMARTを知り、その条件と自分の掲げていた目標と言われるものがただの願望であるということを再認識した。年初たてた目標らしきものを全て抹消し、あらたな目標を作る決意をしたのであった。