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技能検定3級シーケンス制御作業 攻略

2023年からシーケンス制御が、電気機器組み立てから独立したようです。2022年まで技能検定で使う装置(通称:検定盤)は毎年同じもので、ベルトコンベアのミニチュアでした。2023年からは、どうなるのかは、現時点では分かりませんが、まぁ、同じようなものだと想定しています。

押しボタンスイッチやワーク検出のリミットスイッチに、切り替えスイッチ、電磁リレーと、コンベアモーター、パイロットランプ、7セグ表示まであり、なんだか難しそうですが、3級で扱う部品はたったの14個程度。それならなんとかなりそうです。

毎年、出題される問題は少しづつ変えているみたいですが、スイッチ類も変わらないので大差なしだと思います。

ラダープログラムの開発環境
手持ちのノートPCにGX Works2の体験版をインストールします。

過去の試験問題を読みながらラダープログラムを書いていきます。

まずは、手動/自動切り替えです。大抵の工場の装置には、自動運転と手動操作を切り替えるセレクタスイッチがあります。

「SS0」が手動の場合・・・
「SS0」が自動の場合・・・

と問題文にも記載ありました。

ラダーで表します。

先頭のM8001内部リレーは、デバッグのときにa接点に変更すると、それ以後の回路を無効にできるので、入れてあるだけです。M10とM20をひとまとめに書くことができるので、見やすくなります。
手動の時はリレーM10がON、自動のときはリレーM20がONになります。

次に非常停止と異常解除です。
たいてい非常停止ボタンはb接点ですので、間違えないように。

すべての状態のてきに,非常停止ボタン「PB5」が押された場合,
非常停止が働いた状態となり,「コンベア」および"サイクル動作中"を直ちに停止させる.
"サイクル動作中"に「SS0」を“手動”に切り替えた場合も,
異常を検知して非常停止が働いた状態となる.
非常停止が働いている間は,「PL4」を点灯させる.
この間は,「PB1」,「PB2」,「PB3」を押しても「コンベア」は起動してはならない.
「PB4」を押すことにより非常停止状態を解除して,「PL4」を消灯させる.

ラダーにします。

非常停止ボタンPB5を押すと、異常リレーM30がONして自己保持します。異常リレーM30は他のラダーのところでb接点スイッチとして、先頭に入れて置き、入れた箇所のラダーは動作しません。あとRST命令でM250リレーをOFFにします。自動運転中を示すPL1の点灯用にSET命令を使用する予定です。
異常解除のリレーM31を入れておきます。異常解除のボタンを押すと、押している間だけリレーM31がONします。異常リレーM30がONの間はPL4をONにします。
次に手動のラダーを書きます。

「SS0」が”手動”の場合,「PB2」を押している間「PL2」を点灯させる.
また「PB3」を押している間「PL3」を点灯させる.
「PB2」と「PB3」が両方押されたときは,先に押されたほうを優先して,
「PL2」と「PL3」が同時に点灯しないようにインターロックを設ける.

ラダーにすると

手動の時は、リレーM10がONです。
リレーM10がONで、プッシュボタン2が押されている間だけ、M101をONにします。
リレーM10がONで、プッシュボタン3が押されている間だけ、M102をONにします。

出力はデバイスごとに分けることで、シンプルに書けました。

「PL2」が点灯としている間,「コンベア」は「パレット」が左行する方向に動作する.
「PL3」が点灯としている間,「コンベア」は「パレット」が右行する方向に動作する.
「コンベア」動作中は,「PL1」が点灯する.

問題文の仕様説明が、ちょっと解りにくいですが,わざとだと思います。
前のラダーにコンベアのリレーを追加しました。

M101がONの時、RY1(Y0)をON(左行)、PL2をONにします。
M102がONの時、RY2(Y1)をON(右行)、PL3をONにします。

「コンベア」動作中は,「PL1」が点灯する。
「コンベア」は「PB2」または「PB3」を押すこと以外で起動してはならない.

ラダーにPL1の動作を追加しました。
「「コンベア」は「PB2」または「PB3」を押すこと以外で起動してはならない.」って…まぁとくに、特別なことはなしだと思います。正確にラダーができていれば、これはできていると思うので。

ここからが後半、自動の動作について

「SS0」が自働の場合,「パレット」がコンベア右端にあるときのみ,
「PB1」を押すと,(1)~(4)の順序で動作する.
(1)「パレット」が,左行する.
(2)「パレット」が,コンベア左端に到達すると「コンベア」は1秒間停止する.
(3)「パレット」が,右行する.
(4)「パレット」が,コンベア右端に到達すると「コンベア」は1秒間停止する.
この一連の動作を“サイクル動作”と呼ぶ.
"サイクル動作"起動後は,"サイクル動作"を繰り返す.
"サイクル動作"中に「PB3」を押すと,(4)の動作終了後,"サイクル動作"が終了する.
"サイクル動作"は「PL1」を点灯させる.
"サイクル動作"は「PB1」を押すこと以外で起動してはならない.

ひとつずつ、ラダーにしていきます。

コンベアの右端にパレットがあると、LS1で検出して、サイクル動作起動スイッチPB1を押すと、自己保持してサイクル起動スイッチが押されたことを記録する。くわえて、サイクル動作中であることを記録するために、SET命令を使いました。SET命令でONしたリレーM250は、RST命令でなければOFFしません。
サイクル運転中(M250がON中)に、終了ボタンPB3を押すと、リレーM210がONになり自己保持して、終了ボタンPB3を押したことを記録します。
M210リレーは、サイクル動作が終了したら、解除しますが、今のところリレー名がつけられないので、空欄にしておきます。


リレーM20がONで自動です。
リレーM30が作動すると、動作しません。
LS1がパレットを検出して、PB1をおすとサイクル動作開始です。リレーM20をサイクル動作フラグにしてます。

サイクル終了
サイクル運転中リレーM250がONで、PB3が押されると、M21が自己保持回路して、サイクル終了フラグをONにします。

工程1 左行
自動工程0M200リレーがONで、LS1がパレットを検出すると、リレーM201がONして、自己保持回路。M201がONの間はベルトコンベアが左行します。LS2がパレットを検出して、タイマー0.1sec経過するとタイマーリレーT20 K1 がON出力する。0.1秒はチャタリング対策。

工程2 停止
T20がONで、リレーM202がONして自己保持回路。M201がONの間はベルトコンベアは停止。タイマーT21 K10が1秒後にON出力する。

工程3 右行
T21がON、M202がONで、リレーM203がONして、自己保持回路。M203がONの間はベルトコンベアが右行します。LS1がパレットを検出して、タイマー0.1sec経過するとタイマーリレーT22 K1 がON出力する。

工程4
T22がONで、リレーM204がONして自己保持回路。M204がONの間はベルトコンベアは停止。タイマーT23 K10が1秒後にON出力する。

工程5 終了判定
M204がONで、T23がONすると、M205をONして自己保持回路。
M210がOFFならば、M206をONにして自己保持のみ解除。工程1の起動開始条件にM206を追加。
M210がONならば、RST M250でサイクル運転を解除。自己保持を解除する。

サイクル終了のさいは、忘れずにサイクル終了フラグを解除する。

あともう少し。
今までかいた出力部分(Y0~Y5)のラダーを最後の方にまとめました。
そして、リレーM201とM203とM250を出力の条件部分に追加します。

これで、ラダープログラムは完成です。

本番ではこれを配線とプログラム作成で1時間55分以内で完成させれば、受かると思いますね。

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