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Intro - Challenges by Ms Thandeka
Ms Thandeka from a small village
テンデッカちゃんの挑戦に偶然居合わせたことで、自分の世界がいかに狭かったか、自分がよりどころにしている常識がいかに自分の経験や知識に基づいた偏った常識なのかを痛感することになる。南アフリカにきて彼女に出会い共に生活する機会に恵まれたことは、自分の視野を広げるきっかけとなった。
テンデッカちゃんは南アフリカの小さな村出身で30代。ピオちゃんのお母さんだが、離婚したものの小さな村には仕事がなく、やむを得ずピオちゃんを村に住む自分の母に預け、村から車で7時間も離れた小さな町の工場で働いていた。村に帰ってピオちゃんに会えるのは年2回。働き始めたとき2歳だったピオちゃんは今年9歳になる。2歳のピオちゃんを母に預けて働きに出ると言ったら、父は猛反対したらしい。「反対されたのが悲しくて泣いてしまった」とテンデッカちゃんは言っていた。(彼女は泣いてないけど)ちょっともらい泣きしてしまった。「反対するくらいならお父さんが働いたらどうよ?」と勝手なことを想像したが、父は鉱山で働いていたが既に退職していた。
工場での収入は毎月ZAR4,800で7年間変わらず。そのうち、ZAR1,500を村の母に仕送り、食費など含めた彼女自身の生活費がZAR1,000、家賃がZAR500、銀行口座に天引きで毎月ZAR500を貯金、保険がZAR500、ローン返済がZAR300、携帯電話にZAR100、手元には殆ど残らない。ちなみに1ZAR≒8JPYなので、月給はJPY40,000くらい。
Why saving?
どうして貯金?と思ったが、よくよく聞いたら、銀行残高はZAR1,500。貯金自体はもう一年以上やっていると言っていたので、貯金とはいえ実質は家計の一部。
Why ZAR500?
ZAR500という手頃な家賃には理由がある。アルミ板で囲われたワンルームに電気も水道もシャワーもない。雨が降れば地面から雨水が侵入してくる。生鮮食料品を購入したときは近所の友達の冷蔵庫に預かってもらう。髪の毛を乾かすときは近所の美容院でドライヤーを借りる。
Why loan?
どうして借金する必要があったのか?銀行から借りた金額はZAR7,000。このお金は兄弟を助けるために必要だったそう。銀行には月々ZAR300ずつ36か月間返済して合計ZAR10,800になる。つまり利子50%。「あと少しで終わるからこれは大丈夫」という彼女のコメントから察するに、返済金額は借金の150%にもなることが彼女の家計にどれほどインパクトを与えるか、という概念はなさそう。お金を渡した兄弟から一銭も返済してもらっていない。定職につき安定収入のあるテンデッカちゃんが7人兄弟で一番経済的に成功していると言っていた。
テンデッカちゃんの挑戦は続く。