チビアオイチャン 〜歌劇団の流儀〜
都内某所、とあるお店の模型コーナーの一角
仕事終わりのサラリーマンや学生でごったがえす店内で微動だにせず新商品コーナーを眺める男がいた
Mackey (23) オタク
フィギュアオタクである彼にはもう一つの顔があった
それは
"葵歌劇団"
1人のフィギュアオタクが推しのアクションフィギュアを作り上げる3ヶ月間に、我々は密着した
♢6月
———これは?
M「"創彩少女庭園"というコトブキヤの出しているプラモデルのシリーズです。美少女プラモってやつですね。これを素体にします」
M氏はこれをベースに大人気Vtuber"富士葵"のアクションフィギュアを作るという
富士葵とは登録者37万人越え(2022/12月時点)の超大人気Vtuberである
これだけの人気がありながら、彼女にはまだ公式として出されたフィギュアが存在しない
M氏は以前にもねんどろいどで富士葵を作成していたので、今回は二度目の挑戦というわけだ
———以前ねんどろいどでも作成されていましたがなぜ二度目の挑戦を?
M氏「ねんどろ葵ちゃんもすごく可愛くできて大満足でした…でも僕としてはもっとぐりぐりアクションのできる葵ちゃんが欲しかったんです。そこで出会ったのが"創彩少女庭園"ってわけです」
そう言うとM氏は黙々と数日間、制作に没頭した
♢7月
都内某所 ホビーショップ
M氏が黙々と見つめる棚には、約1/10のフィギュアやドール用の衣装が並べられていた
M氏「この制服…使えそうですね」
M氏がそう呟き手に取ったのは"1/10男子用制服セット"
———男子用とありますが?
M氏「半袖無地なのがなかなかなくて…でもこれなら最初に用意したスカートとも合いそうですし。全身布化、いけそうですね」
M氏は今回、一つの挑戦として"全身布化"を目指していたと言う
布にすることで可動の邪魔にならず、思い通りのアクションができるのでは?と考えたからだ
♢8月
———この写真は?
M氏「富士葵ちゃんを代表するようなポーズですね。ねんどろいどだと再現が難しかったので今回このクオリティで再現できてよかったです」
制作は順調に進んでいるようだ
♢10月
完成し公開を次の日に控えた夜
今の心境をM氏に聞いた
———完成していよいよ公開ですが今のお気持ちは?
M氏「この3ヶ月間、できる技術と愛は全て注いできました。葵ちゃんはもちろん、楽しみにしてくださっていた歌劇団のみなさんにも喜んでもらえるといいですね」
♢公開
( BGM:スガシカオ『Progress』)
あなたにとってチビアオイチャンとは
M氏「"心の応援団長"、ですね。それは葵ちゃんと変わりありません。作ってる間も完成して写真を撮ってる間もずっと葵ちゃんの事を考えてられるんですが、それだけでパワーをもらえるんです。仕事が忙しかったりする時も『帰ったら机の上でチビアオイチャンが待っててくれる』って思うだけで頑張れます」
M氏はそう語ると満足げにチビアオイチャンを眺めていた
応援や創作には様々なカタチがあると思うが、チビアオイチャン制作は長期間に渡ることもあり思い入れや愛着度も増すようだ
この番組をご覧のあなたも、あなただけのチビアオイチャンに応援してもらってはいかがだろうか
今年もこちらのアドベントカレンダーに参加させていただきました!
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結局何を伝えたかったかというと
「お前もチビアオイチャンを作らないか?」
というお話でした(要約)
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