独立しても起業しても満足できない男の「会社辞めてみた」
株式会社Froomを12月31日付けで退任することになりました。
1年11ヶ月という短いようで、僕にとってはとても長い期間、CTOという役職を任せてもらいました。
この2年弱の間、Froomを通してたくさんの人にお世話になり、特に代表の水元には、未熟な自分を最後まで引っ張ってくれたことに感謝でいっぱいです。
自分自身の成長を感じながらも、Froomという組織を最後まで成長させることができなかったことに悔しさを感じます。
それでも、最後まで真摯に話を受け止め、最後まで僕の意見を尊重してくれた水元(@Ridai990215)含め、Froomのメンバーに最大限の感謝と敬意をはらい、自分の道を進んでいくことを決意しました。
1月からは、同じ名古屋のスタートアップであり、先輩企業である株式会社Acompanyで働くことになりました。
このnoteでは、スタートアップのCTOが会社を共同創業し、転職するまでの話をしていきます。
僕自身は、元々Webフリーランスからそのキャリアをスタートさせ、スタートアップを起業し、そして1社員としてまた組織に属するという一連のキャリアを歩んできました。
個人事業主、スタートアップ経営者、会社員というキャリアをすべて選択した僕が、どんなことを考え、何を決断してきたかをお話できればと思います。
アフターコロナ感漂う昨今の、特にエンジニアの方の、キャリアを考える際のアイディアになれればと思います。
独立しても起業しても満足できない男、「マッケイ」
自己紹介が遅くなりました。
マッケイです。
名古屋でエンジニアをしています。
僕のことを簡単に紹介すると、大学在籍中、急に思い立ちフリーランスとして独立し、そのままの勢いで休学したと思ったら、スタートアップを立ち上げ、さらにそのままの勢いで大学を退学した男です。
この通り、自分がやりたいと思ったことはとにかく勢いでぶつかりに行く性分で、当たってぶち抜いていくスタイルを得意としています。
元々エンジニアリングが大好きで、高校から大学まで工学部にどっぷり浸かり、毎日プログラムを書く生活をしていました。
大学時代には、プログラミング好きが天元突破し、「プログラミングをしながら稼げたら最高なのではないか」と考え、当時流行っていたWebフリーランスとして独立しました。
大学生の身でありながら、月に何十万と稼ぐ経験は確実に僕自身の自信へとつながり、大きな糧となりました。
フリーランスの中で見つけた新しい自分
フリーランスとして活動していると、今まで見えてこなかったものが見えるようになります。
フリーランスを初めた当時は、とにかく自分が周りよりも稼ぎ、稼いだ額がその人の価値になると本気で考えていました。
そのため、「月に100万円を稼ぐ」「年収1億円」といった言葉に強い憧れを持っていました。
ただ、世の中を見渡してみると、いかに自分が小さな尺度でしか生きていないかを痛感させられました。
世界には僕が想像ができないレベルで生きている人たちがいます。
その中で、「やれ月の売上が100万になった!」「やれ将来は不労所得で生きていくぞ!」なんてぬるいことを言っている自分がすごく、すごく小さいなと感じました。
フリーランスという生き方が自分の目指す先とズレていると感じ、より自分が最高の生き方ができる場所を探し始めました。
最高の生き方ができる場所、Froom
2020年2月、株式会社Froomを立ち上げました。
「Make Learn Interesting」を合言葉に、「学び」をもっと面白く、ワクワクできるものにするために活動を行っています。
代表の水元の教育に対する思いに共感し、また、スタートアップという未だかつて味わったことのない劇的な生き方に強く刺激され、最高の生き方をできる場所を作りました。
株式会社Froomでは、製造業向けの動画マニュアルサービスを提供しています。
製造業などの、特にマニュアル化しにくい現場作業や高度な技術を、簡単に動画マニュアル化することで、新人がいつでもベテランの技術を学べる環境を構築します。
今までの動画編集といえば、ハイスペックなPCを用意し、高い専門スキルが必要な動画編集ツールを使って編集することが当たり前でした。
しかし、Froomの動画編集ツールは、ブラウザで機能するWebベースの動画編集ツールを自社で内製化し、PCのスペックになるべく左右されない、洗練されたUIの動画編集ツールの開発をしています。
約1年間、この動画編集ツール及び、マニュアル用のLMS(学習管理システム)の開発を行い、エンジニアとしてのレベル感が格段に上がりました。
また、エンジニアリングと並行して、スタートアップの経営にも携わりました。
ただ言われたもの作っているだけではダメで、自分たちが作ったプロダクトがどのように社会的価値を創出するのか、本当に顧客の求めているものは何かと、答えのない問題に立ち向かう面白さを学びました。
ただ楽しい、それだけでは生きていけない
この1年11ヶ月間は本当に最高の時間でした。
自分1人では絶対に見ることのできなかった景色がたくさんあり、劇的で楽しかったです。
楽しく仕事をする。
その一点において考えているだけであれば、これ以上の環境はありません。
しかし、僕はただ楽しいだけでは、やはり満足できないのは性なのかもしれません。
僕は、兼ねてから自分の中で持っているビジョンがあります。
約2年間、Froomを通して社会的価値の創出を目指してきました。
Froomの事業領域には、明確な課題があり、その課題で困っている人がいることはこの目で見てきました。
ただ一方で、本当にこのFroomで、自分が理想とするレベルの社会的価値の最大化ができるのか。
本当に自分がしたいことは何なのか。
そんな内省をする中で、自分の中でモヤモヤしている感情があることに気づきました。
優劣ではなく、自分にとっての最適解
結果として、僕は12月31日をもって株式会社FroomのCTOを退任します。
Froomを去った後は、株式会社Acompanyというスタートアップで新しい道を歩みます。
Froomを去り、Acompanyにジョインするに至った理由は、自分のビジョンとのマッチ度が高かったからです。
Acompany代表の高橋さん(@ryosuke_nu)とも話をし、「テクノロジーをもってして、社会的価値を最大化する」というビジョンを実現できる未来を感じました。
株式会社Acompanyは、秘密計算という、データを秘匿したまま統計・機械学習ができるプライバシー保護ソリューションの開発・社会実装を進めています。
昨今のプライバシー規制にあるように、プライバシー保護の市場は加速度的に成長をしています。
アルゴリズムの渦に呑み込まれようとしている世界において、データはテクノロジーの格好の餌食です。
機械がいよいよ人間の理解の範疇を越えようとしている現代で、個人個人のデータを保護し、アルゴリズムからその身を守る方法を一早く構築する必要があります。
その中で、プライバシーのゲームチェンジャーとなりうるポテンシャルを秘め、そのインパクトを引き起こす時を今か今かと待ち望んでいるAcompanyは、まさに僕のビジョンとマッチしていました。
それぞれの会社の良さ
誤解を招かないためにも一つ、決してFroomがAcompanyに劣っていたから、Acompanyに転職したわけではないということです。
僕にとっては、最適な選択がAcompanyであっただけです。
そのため、FroomにはFroomの良さがあり、AcompanyにはAcompanyの良さがあります。
CTOとして組織を動かしてきたFroomと、いちメンバーとしてジョインするAcompanyの良さをご紹介できればと思います。
Froomは創業は代表水元の「ビジョン」のもと生まれました。
世の中のつまらない教育や学びを無くしたいという強い思いのもと、「社会の学び」のアップデートに力を入れています。
教育という一大テーマに切り込み、その大きな課題を解決しようとしています。
Froomが提供しているサービスがユニークなこともあり、教育のDXに興味があり、社会の教育を変えたいと思っている方にはマッチ度が高いと感じます。
Acompanyは、ユニークな技術を使用しているところに目が行きがちですが、それに隠れるように非常に強力な「バリュー」のもと人が集まっています。
Acompanyのメンバーには、クールさや、ハッカーさが求められます。
このカルチャーが鼓動しているAcompanyのメンバーはみな優秀で、刺激を貰えます。
このようなカルチャーがある組織で働きたい、時代を作るテクノロジーを開発したいという方にはAcompanyはマッチしていると思います。
両企業ともに、絶賛採用活動中です。
ぜひ、少しでも気になるところがあれば、下のリンクから各々のサイトにてご連絡してみてください。
株式会社Froom
https://froominc.notion.site/Froom-6bc98b73ac914129931a6cd5150eef18
株式会社Acompany
https://recruit.acompany.tech/
意志を持って歩く
僕の好きな言葉でスティーブ・ジョブズの「Connecting the dots」という言葉があります。
この話の闇雲に点を打てば良いとは言っていないことろが好きです。
明確に自分が信じるものを持ち、未来の自分すらも信じ、今を全力を持って生きろというメッセージを感じます。
僕は、何事にも意志を持って行うことが大事だと思っています。
今回のAcompanyの転職も明確な意志を持って行いました。
今回だけの話にとどまらず、僕の人生のそれぞれの点では、僕の明確な意志がその点を人生に刻み込んできました。
意志を持って行動すると、自分の人生に責任が生まれます。
反対に、人生に責任を持たずに歩むと、常に被害者意識が生まれます。
被害者意識を持つと、自分に降りかかる災難は他人のせいで、自己以外のことは他人事です。
僕はそういう生き方をするくらいなら、自分の行動にも感情にも責任を持ち、全て自分ごとにして生きていきたいです。
何事も自分ごとで語り、当事者意識を持ってして、物事に取り組む人は最強だと思っています。
Acompanyでは、「テクノロジーをもってして、社会的価値を最大化する」をビジョンに、Acompanyの価値の最大化を行っていきます。
テクノロジーにとどまらず、デザインやUX設計といったものを活用し、Acompanyと社会との接点となるインターフェースを設計し、Acompanyの「プライバシー保護とデータ活用を両立させる。」というミッションを遂行していきます。
他人のビジョンではない、自分のビジョンで人生を生きているか
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
僕の人生は、フリーランスから始まり、スタートアップを創業し、ベンチャー企業のエンジニアとして、今、落ち着きました。
初めは、「お金持ちになりたい」というビジョンのもと、猛烈に働き、フリーランスとして生計を立てるまでになりました。
今でこそ、そのビジョンに大きな価値を感じませんが、当時はこのビジョンが全てであり、このビジョンおかげで生活ができていました。
しかし、当時は、「自由に生きる」や「たくさん稼いで幸せになる」などといった知らない他人が作ったビジョンの中で生きていました。
他人のビジョンの中で生きているうちは、最高の人生を歩んでいる感触がありませんでした。
その中で、少しづつ、自分が何をしたいのか、何が好きで、何が嫌いなのか。
そんな内省を繰り返してきました。
僕の人生は、自分がこうしたいという感情に素直についてきた人生でした。
自分がやりたいと思ったことはとにかく勢いでぶつかりに行く性分で、当たってぶち抜いていくスタイルを得意としています。
これからも、自分の感情に素直になり、明確な意志を持って人生を歩いていきたいと思っています。
「他人のビジョンではない、自分のビジョンで人生を生きているか」
常に自問自答しながら、頑張っていきます!
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最後まで読んで頂き、ありがとうございます!
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