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P.S. 元気です、MAKI #最終夜
初めましてのみなさまも、おなじみのあなたもこんにちは、MAKIです。
過去に手招きをされる毎日を前向きなことだと言い聞かせようと、誰にも邪魔されない第一歩に選んだ先は、きちんと踏ん切りをつけることだと気付いた今日この頃。
生きてさえいれば、
いつかまたこの世界のどこかで出逢えるけれど、もしすでにこの世にいなければ、わたしの魂が気配を探し続けることになるのだろうと感じたのです。
おはようからおやすみまで語り合えていた頃、
ともに暮らす家で一緒にいる時間も好きでしたが、彼が不在の部屋で、晩ご飯を作りながら帰りを待つあの時間が大好きでした。
いま、そこにカラダはいないのに、たしかにいまはいません、という気配があるあの感覚。
もうすぐ玄関の鍵を開ける音が聴こえてくると分かってしまうあの感覚。
不在の気配が分かるということが、わたしをこの部屋の住民にしているのだと思っていたのかもしれません。
最後に連絡がきた2019年4月から2年。
彼の名前を検索し、トーク画面を開いてみたのです。
#LINE
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彼は、ちゃんと現代にも生きていました。
こんなにも想い出してしまうことはもちろん伏せて、「元気?」のひとことにまとめてしまうあまのじゃくなわたしがそこにいました。
生きているのか、無事でいるのか、ほんとうに心配だっただけなのかもしれません。
わたしたちが名前で呼び合えていた甘い甘いあの時代はもうちゃんと過去で、しっかりと時は刻まれ、お互いにいまを生きているのです。
月並みなことを言うならば、彼と離れなければ経験出来なかった人生があり、出逢えなかったひとがいて、住めなかった街があるのです。
ああ、ちゃんとわたし生きてる、
そう気付けたわたしに魂が喜んでいるのです。
愛し愛されるとは名ばかりで、
誰かをちゃんと愛していると確信していたあの頃の自分に酔いすがっていたのです。
つまるところ、わたしが好きなのは誰かを好きでいるわたしで、ほんとうに愛し愛されたい相手はわたし自身なのです。
だから、いまは、
まやかしかもしれないけれど、
感受性豊かで横顔の美しいあなたとの逢瀬を心待ちにする人生を楽しもうと思うのです。
ひとときの悦楽かもしれないけれど、
あなたが冗談混じりでいう愛のささやきにほだされていたいと思うのです。
ここから、ほんとうの意味でひとりのわたしが始まろうとしています。
わたしは元気です。
#愛し愛されるということ
#おしまい
#第3章へつづく
#つづくのかしら
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