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はじまりはいつも雨。 #第8夜
初めましてのみなさまも、おなじみのあなたもこんにちは、MAKIです。
わがままに生きるのもあるがままに進むのもわたし次第だと分かってはいるけれど、
こうしているあいだにもわたし以外のなにかを想っているあなたを想像し、自ら創り出した嫉妬のカタマリに押しつぶされそうになる今日この頃。
嫉妬は緑色の目をした怪物で、
人の心を餌食とし、
それを弄ぶのです。
そう綴られたシェイクスピアの一節がもうずっと脳裏をよぎり、いっそのことわたし自身がいなくなればいいのだと際どい感情に苛まれたりしてみると、
ああ、やっぱりまだ悲劇のヒロインでいたいし叶わぬ恋に涙する10代のような恋を望んでしまう自身をひどく残念に思うのです。
パラレルワールドのなかのわたしが、いまのわたしに手招きをします。
ひとりになって、飲食業が痛手を負う禁酒法時代が到来し、田村正和さんまでご逝去された日には、どうして彼を思いださずにいられましょう。
好き、という感情はなくどこまでいってもそれは未練でしかなくて、ようやく忘れさせてくれそうな刺激的な出逢いだと思ったそれもどうやらわたしの早とちりで。
雨が降るとこの歌を思い出し、また涙を流すわたしがいるのです。
いっそのこと、天気予報のようにあなたの愛情も予測が出来たらどれだけ平穏を保てるでしょうか。否、かえって可視化された停滞前線に辟易するだけなのでしょうか。
つづく。
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