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ご奉仕のはじまり -アイに触れるということ。 #第4夜

初めましてのみなさまも、おなじみのあなたもこんにちは、MAKIです。


それは、一緒に住み始めて1年が経った頃でした。

手を繋いだり、
行ってきますのキスがあったり、
おかえりなさいのハグがあったり、
頭を撫でたり、
彼の発する冗談に笑ったり、
彼の左側を当たり前に過ごす日々のなかで、

無いのは、セックスだけ。


物理的なカラダの繋がりがなくとも
くすぐりに弱いわたしの膝小僧から内腿にかけてを彼の手がそうっと撫であげたり
左首筋にやさしい口づけがあったり
ふざけてふいにヒップラインを触れてきた日には
シティーハンターのヒロインが如く怒ってみせたり
そんなふうな他愛もないやり取りでじゅうぶんに満たされるこころがあればよかったのだけれど、


若く
体力の満ち満ちたわたしは、
その先を求めて嘆いたものです。

ある日、
右側に眠る彼の、
ルパン三世のような美しい逆三角形の背中を
左手の人差し指でゆっくりと引っ掻くようにしながら涙交じりにこう尋ねました。

「ねぇ、しないの?」

彼は笑いながらわたしのほうに寝返りをうってこう言います。

「バカだなぁ、MAKIちゃん。
 そんなにしたいの?」



そんなに、したいのです。


「うん、したいよ?」

若く素直で貪欲なわたしはそう答えます。

思えばこの頃から、ご奉仕としての営みが始まったのだと振り返るのです。

求められるのではなく、求めるそれ。

キッカケや、ムードや、
その流れのスイッチを押すのはわたし。
能動的な行為は嫌いじゃないし
抱かれるという受け身な表現は常々オンナを弱者にするなぁと思っていたから


わたしの愛撫によってその気になるのなら
いくらだって、なんだって、
受けて立つし、受け入れる。

これまでの人生で散々っぱら逃げてきた
スポーツや習いごとの自主練習たちを
性技を日々鍛錬することで
地道に積み重ねることに向き合うフェーズが
20代半ばにして訪れていたのだと、
十数年の月日を経て、
ようやく腑に落ちるわたしがいるのです。


つづく

#アイに触れるということ
#第4夜

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Mack5
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