ハーレクインに倣って #第9夜
初めましてのみなさまも、おなじみのあなたもこんにちは、MAKIです。
年齢的なものも含め
男性自身が行為中に勢いを失ってしまうその現象を
若かりしわたしは
自身にオンナとしての魅力が足りないからだ、などと
非力な自分を卑下した時代もあったのだけれど
30歳の初夏、
人生の師と仰ぐ性愛界の巨匠との出逢いをきっかけに
存在そのものを愛おしく思えるようになり
大きさやら形状やらにこだわらず
受け入れられるようになって
つまりは
目的は重なり合うことではない、の境地を
愛戯とは、
相手を愛でて悦楽に導いてあげたくなるものだ、
という価値観を共感しあえるひとを見つければいいだけの話なのだと結論づけているわたしなのです。
愛を伝えたがりのわたしたちオンナにとって、
K点を超えるためにもっとも必要な要素は
技術でもビジュアルでもなく
安心、だと悟っていて
このぬくもりはわたしをつぎの世界へと誘うから
身を委ねても大丈夫、
香り・肌触り・味わい・嬌声・曲線美、
五感でわたしのすべてを褒めてくださる、
そういう紳士に出逢えると
オンナに生まれてきてよかった、と素直に思えて
でも、
相手に期待してしまうのもまた人間の悪い癖で。
重なり合うことは
お互いのそれを介しての愛撫であり
悦楽に必要不可欠なルートではないにせよ
それでもあなたを受け入れたいと
繋がることであなたを内側から全身で感じたいと
そう本能がわたしに訴えかけるのです。
さて、
いまから綴るお話は
色気のある物語を書き遺してみたい衝動を備忘録代わりにしたためているものです。
お付き合いいただけましたら幸いです。
#物語です
#物語ですよみなさま
安心できる、というのは
愛を語る上では切っても切り離せなくて
わたしの望む新世界はこの安心が大いなる課題で
刺激的な出逢いもそれはそれで
文字通り気持ちのよいものだけれど
もしかして今世で最後のお相手かも、と
そんな覚悟をもって
以前よりも生にも性にも貪欲なわたしがカラダを開いたその先に
きっと想像をはるかに超える多幸感が待っているのだと
そんなわたしを迎え入れるのだと
過去にうまくいかなかったものに縋っても
それはもううまくいかなかった証でしかないのだから
南京錠をしてしまい込んでいる感情を全力で抱きしめて
ここではないどこかへ
安心できる腕のなかを求めて
今日も東京の街を彷徨うわたしがいるのです。
つづく