恋愛寫眞　ーアイに触れるということ。 #最終夜

初めましてのみなさまも、おなじみのあなたもこんにちは、MAKIです。

手当て、という言葉があります。
多岐にわたるその言葉の意味のなかで
もっとも好きなのは、文字通り
手を当てる行為であるケガの処置のようなそれ。

手、には
触れる、という機能があり

手を当てる、には
誰かのキズを治す効果があります。

20代を費やした彼と
会わない世界線を選んでからほどなくして、
とある師匠に弟子入りする機会を得ました。

愛のひとであるその方から学んだことは
数多くあるのですが

パームタッチという技法から始まるそれは
カラダの声を聴く
相手の想いに触れる
行為の前戯という概念を超えて
相手を癒し、
相手の状態を知ることに結びついていくのだと

そういえば、
どれだけ彼のことを知っていたのだろうと
振り返るわたしがいました。

こんなに好きなのに
どうして分かってくれないの

こんなに頑張ってるのに
どうして認めてくれないの

求めるばかりで
真意を知ろうともせず
与えられて当然と高を括り

きっとわたしが与えていたものは
若いこのカラダを除いて
なにもなかったのだと悟りました。

彼の寂しさに触れました。

愛に触れるということは
相手のカラダと物理的に触れ合うこと以上に
相手のこころに触れることで

交わることで愛も得ていると思うのはお門違いで
でも
相手に触れないとみえてこないこともあり

セックスレス、とは
つまりはコミュニケーションエラーで
カラダ以前に、
こころの触れ合いを避けていった顛末なのだと
自戒を込めて結論づけるわたしがいるのです。

カラダだけのコミュニケーションなら
きっと愛情なんてなくったって成り立つのだし

愛情はあるのにレスを嘆くのは
きっと愛情の届け方受け取り方の擦り合わせに
齟齬があるのだろうし

セックスをするから愛があるのではないし
愛があるからセックスをするのでもないし

「セックスがないこと以外は順調なの。」

これは、
虚勢を張る言い分でしかないのだと思うのです。

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ほんとうはどうしたい？
どう思ってる？
どんなことを望んでる？

顔色がよくないけれど仕事でなにかあった？

この前、香りが好みって言ってたから
奮発してコーヒー豆買っちゃった
これで美味しいカフェ・オ・レつくろう
一緒に飲もう

いつもそばにいてくれてありがとう
あなたが頑張ってくれるから
わたしも笑顔で毎日を過ごせるよ

わたしだったらそこまで本気で向き合えないな
最善策を直前まで考えて仕事に臨む姿勢
ほんとうに尊敬してるよ

ねぇ、
あなたの言葉で聞きたいな

ほんとうはどうしたい？
どう思ってる？
どんなことを望んでる？

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セックスがないことを嘆いていないで
そんな言葉たちをきちんと伝えたかったなと

離れて、
冷静になって、
ちゃんと愛せなかった自分を反省し

愛を伝えて、
相手に向き合って、
こころを開いて本音を伝え合える
そんな出逢いがこれからきっとあって

あなたがしあわせに暮らしていることが
わたしの願いだったのだと
その相手がわたしでなかったのに
長く長く引き留めてしまってごめんなさいと

被害者面はやめて、
わたしのほうこそ
彼の30代を奪ってしまった側なのだと
きちんと反省ができる大人になりました。

愛に触れて、
わたしの本心に触れて、
またひとつ、
こころを浄化することができた自分にハグをして

想い出のなかで無邪気に笑う
わたしと彼との写真たちを指でなぞり

ああ、
こういうひとりも悪くないよなぁと
そんなことを考えながら

もし、
いま、
パートナーとのレスに思い悩むひとのもとに
この物語が届いているのなら

アイの触れ方に
まずは胸に手を当てて
自分の本心に触れてみてほしいなと願うのです。

遅すぎることはありません。

いま
まだ

隣にいることを選んでいるあなたになら
出来るはずです。

これは、
わたしのようなあなたに向けて
あなたのようなわたしからの物語。

終わり

#アイに触れるということ
#最終夜
#ご愛読ありがとうございました