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誘惑 ーアイに触れるということ。 #第5夜
初めましてのみなさまも、おなじみのあなたもこんにちは、MAKIです。
ご奉仕の日々が訪れてほどなくして
皮肉を込めてパートナーを「省エネマグロ男」と罵るわたしが顔を出し始めました。
#突然のパワーワード
手、耳、鼻、口、ご苦労さんと歌ったロックバンドがあったよなぁとぼんやりと思いながら
彼のやる気に火をつけることに躍起になるのを愛撫と呼ぶのであれば、
それは愛に満ちた行為というよりも
キャンプ場でリーダーシップを発揮するボーイスカウトのお姉さんのように
責務を全うする、
そんな表現が正しかったのかもしれません。
それでも、わたしの願いに応えてくれる彼を
性技をもってもてなさなくては、と
彼の上で泳ぐわたしは健気な彼女そのものでした。
師と仰ぐ性愛界の巨匠に顔向けできないなどと
この頃はまだ面識のなかった本の中のそのひとに
こころの中で懺悔をしつつ
わたしのなかのわたしが呼びかけるのです。
ほんとうは、
彼にしていることは
自分がしてもらいたいことなのでしょう?
頭のてっぺんから爪先まで
そのすべてを包んでくれるような愛が
お望みなのでしょう?
もしかしたら、
彼でないひとのなかにその答えがあることも
とうに知っているのでしょう?
わたしのなかのわたしがそう呼びかけたころ、
誘惑が、目を覚ますのです。
つづく
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