
「立つんだ」
魔性の女について語りたい
魔性――なんて
ぼくが勝手に思い込んでいるだけ
それだけのこと
五十路間近のあの女
世間的には美熟女か
そこに
「魔性の」
そんな言葉を冠してしまうのは
ぼくが
言葉を知らないから
語彙がないから
ここはひとつ
何か言葉をひねり出せねば
詩をつづるのだから
と
隠喩法が
いまだ身につかず
言葉がひねりにひねられて
書いた本人も分かってないよな
意味不明の
メタファー
それよりも
ストレートに
言葉をつづれ
つづるのだ
と
ぼくは思っている
はてハテ さてサテ
あの女についての
言葉が立ち上がらず
それでも ぼくは
言葉に向かって
リングサイドから
大声をあげる
立て 立つんだ
言葉も
ぼく自身も
立ち上がらないのに
※写真は「ダウンの後にリングの上に立ち上がったボクサー」と入力してAI(LINEのお絵描きばりぐっどくん)が作成したもの 気持ち悪いな