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行街-毎月第3月曜日に新作を投稿
2024年4月15日 19:09
泊木 空 天国の海には白い雲波が立ち、乗客を乗せた飛行機はシャチのように躍り出る。窓から見える雲波は雨粒を含んで柔らかそうだ。地上よりもぐっと近づいたせいか、太陽の光は急速に肌を焼くので、上空に出て数十分もしないうちにもうひりひりしている。 俺は窓についた震える雫を指で撫でながら、ここからほんとうに落ちるんだ、と頭の中で呟いた。雫の残した水跡の震えが、泣きながら書いた手紙の文字に似ていて、俺