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ニーズ喚起ビジネスの不自然②【確定申告くらい自分でやれ編】


みなさん、この季節がやってきましたよ。
花粉もそうですが、

【確定申告】です。


数年前に比べると
e-taxの進化が素晴らしくて
無料の確定申告ソフトやアプリがたくさんあり
めちゃくちゃ簡単になりました✨

確定申告の手前で
一年間の【収支報告書】を作るのですが

これは会社で言う決算書。

自分がどんな経営をしているのか
管理、把握するためにとても大切なものです。

この作成作業を大変だとみなさんいうのです。
ちょっと簿記や納税や控除の基本知識が必要になるからですね。

ただ、
『お金のことがわからない』人が
お客様に価格や価値を提示したり
責任あるサービスをお届けできるわけないと
わたしは思います。

このサービスはどういう金額構成をしているのか
採算があっているのか?
自分にも他者にも双方にメリットが正しくあるのか?

これは当然に
数字から読み取らなければなりません。

そもそも自分は青色申告か白色申告か?わからないといっているかたは、まず収支報告を作っていただきたい。

65万円の控除が必要か不要かもわからない状態で
誰かに自分の事業を預けてしまうなんて
ネギを背負ったカモである自覚が必要です。


今回は個人事業主にとって
収支報告がなぜ大切なのか?と

某窓口で青色事業者を勧められている
ニーズ喚起ビジネスの不自然について
わたしなりの考えをまとめます。

【目次】

  1. 値決めは経営

  2. 採算管理で有事を乗り越えた強さ

  3. お金がわからない人の事業

  4. 生まれたて青色申告者はお客様

  5. 個人事業主の生存率


1.値決めは経営

これは稲盛和夫さんのアメーバ経営を学んでいた中ででてきた、おそらく最も大切な事柄だと思います。

値段ってどうやって決めていますか?

サラリーマン営業時代が長いわたしは
『仕入れ率』や『掛け率』ベースでの
メーカー希望小売価格から何%引きという
ガッチガチの小売マインドでした。

これは業界価格のような考えで
値下げ合戦の中で顧客獲得するために
安く仕入れができる条件のある
強い仕入れパイプ(サプライチェーン)をもつものが
勝利できる!という
2010年代前半くらいまでの価値観です。

その後イーコマースが市場を制圧し
価格にはあまり意味がもたされなくなりました。

すると、仕入れ価格もあるようでなくなり
リベートや販売成果報酬が大きな商材を
メーカーが出すようになります。

『モノ』になんらかの『情報』がくっついてくるタイプのもの、だいたいこれが現代の
『情報商材』として扱われています。

『モノ』に『保証』や『レッスン』などの
『サービス』をつけて抱き合わせて販売するのですね。

そうして『モノの値段』は
ものづくりのフィールドから
見た目やサービスといった
ブランドづくりのフィールドへ移行しました。

モノの制作コストも、モノだけでなく
他のサービスの費用まで含んだ価格になり
よりいろいろなものに費用が分散されています。

スケールメリット(規模の生産性)をもつ
大規模な企業は、こういったコストが嵩んでも
費用を最小限に抑えていくことができます。

そうやって作られたのが市場価格です。だいたい相場はこのくらいだから…と言う価格ですね。

では、私たち個人事業や零細企業が
こういった嵩むコストの中で
利益を産み、お客様にギリギリでない
サービスの質をお届けする【経営】をするには
どうしたらよいのでしょうか?

2.採算管理で有事を越えた強さ

【アメーバ経営】という稲盛和夫さんの経営手法を実践させていただいた、過去の勤め先での話。

事業や部門ごと、細かく細かく
一円の使途不明金も作らない。
そんな月次報告を、月に2回、
算数が苦手で計算ミスばかりの当時のわたしは
深夜泣きながら作成しては叱られました。

そしていまどき、手計算です。

でも、あの時の叱咤激励のおかげさまで
今の私があることは間違いありません。

すんごいドケチ経営だけど
尊敬していて雇用してもらい
学ばせていただいた経営者さんでした。

その方は税理士さんではなく
会計士さんに依頼をして

自分で毎月全ての採算管理をしていたのです。
本当に一円まで細かく細かく。

全く暇などない方で
十数年で全国にフランチャイズ展開する
猛成長をする企業の社長さんです。

そんな方が、この採算合わせの仕事は
何をおいても自らやっていらっしゃいました。

故に、仕入れひとつ、販売方法ひとつ
全てに理屈が通った会計でテキトーなものは
ひとつもありません。
なぜそうするのか?
それはどんな意味があるのか。

自動販売機のジュースのラインナップや陳列にまで細かく意味を見出すような経営です。
それで店舗の販売単価があがるのです。

一見、役職がついたり偉くなると
バカにしてしまいそうな事柄ばかりでしたが

まさに、これが
『値決めは経営』なのだ。ということなのです。

この企業はエンタメ業で
コロナ禍で営業できなくなる大打撃を受けていますが、今やV字回復。

この強さの理由は
徹底した採算管理にあったのだと確信します。

確定申告くらい自分でできない人が
どうやって事業計画や損益分岐を出して

本当の意味でお客様や従業員の生活を満たしたり
守ったりできるのだろうか。

夢だけ語り採算管理をバカにして逃げている事業者さんなんかと、わたしは誠心誠意お付き合いできるわけがない。

だから、ご相談いただいた事業主さんには
『自分でやんなさい。』っていうレクチャーしてます。

3.お金がわからない人の事業

上手い話や、善意を全面に誰かを助けたいと心を掴みにくるセールスやおすすめに対して

『失礼ですが、それってどうやって採算合わせてるんですか?』と聞いてみてください。

きちんと説明できていれば、その方は経営者。
怒ったり、感情や夢を語り出したら詐欺師です。

だって、利益が見込めないのに
『売れる』とか言ってるわけですよね?
絶対に関わってはいけません。

とはいえ、無知が故に詐欺師のようになっている
『お金のことがわからない人の事業』があります。

そういった方はカリスマ性があるのでしょうか、人をたくさん集めているように見えますし
偉い人やすごい人との写真がアップされています。(すみません、偏見ですが)

要するに人気者さんなんで
細かいことやらずとも人が商売が集まっています。

ただ、冷静にみてみると
ネットワークビジネスやマルチ商法の胴元のご友人がいて、その方の『人気者スキル』に報酬がでている仕組みに気がつきます。

あなたに同じレベル以上の『人気者スキル』があり、マルチ商法の胴元のご友人ができれば、同じように夢を叶えることができますが

そもそもそれほどの『人気者スキル』があれば
確定申告云々、こんなもの読まないでしょうw

ほとんどの方は、『普通のいい人スキル』くらいで、『人気者スキル』の人なんて田舎に一人や二人いる程度です。

では、『普通のいい人スキル』の人は商売できないのか?というとこれは違います。

普通に真面目に経営やればいいのです。
一円までしっかり採算管理をする。
誰でもできるとバカにされるような作業ですが
コツコツやるのです。

数年後、周りを見渡して気づきます。

一円に至るまで信頼のおける人に囲まれて、
コツコツ事業をしている自分なのか

マルチ商法のお客様(信者)の中で
誰もわたしの苦労なんてわからない。
と孤独な経営に陶酔している自分なのか。

4.生まれたての青色申告者はお客様


さて、確定申告なんて自分でやれる時代に
『お金のことはわからないから』といって
某商工会議所とか主催のイベントに参加して

『青色申告事業者になりましょう✨』っていわれて、言われるがままに書類と費用を提示して

『今日から私も青色申告事業者✨』
という生まれたての青色申告者さま。

先ほど、記載したように
まず収支報告をつくれば自分が白色か青色かなんて一目瞭然です。

というか収支報告までしなくとも
『出て行くお金』と『売り上げ』の差額を足し算と引き算するだけで

こんなセミナー行かずともよいのです。

それをしないで出かけたセミナー。
誰がどのように開催しているか考えてみましょう。

『商工会議所』のセミナーは簡単にいうと
地域会員さんであるビジネスマンや経営者さんの企画です。

地域の枠組みで活動することにより
規模の経済性と範囲の経済性を実現することができます。

要するにコストさげて共同で集客ができるのです。


いいですか、みなさん経営者ですから
自分の事業にはとてもシビアです。
ましてや敏腕の経営者さんや士業さん。

そんな蜘蛛の巣にですね
生まれての事業主がなんの予備知識もなく飛び込んだら、どうなるか想像してください。

商工会議所は地域の経営者やビジネスマンが会員となった非営利団体です。
決してボランティア団体ではありません。

こうして青色事業者になり
複式簿記がわからずお客様として通い
税理士さんの依頼をご紹介いただき
毎年何万円も支払いをする
とてもよいお客様にもなります。

必要だからと言われ保険などの販売をされることもあります。(商工会議所に保険屋さん詰めてますよね。)

そもそも、きちんと採算管理をした経営ができる人が生まれたて事業の確定申告によくわからないからと税理士報酬を払ったりするでしょうか?
私ならその費用はサービス向上や企業努力に向けます。

あなたは採算管理の結果、
本当に青色事業者である必要性がありましたか??
わからないからと自分の事業の経営を誰かにマルっと委ねてしまって大丈夫でしょうか??

いいですか?もう一度いいます。
確定申告くらいは『自分でできます!!』

5. 個人事業主の生存率


フリーランスや業務委託の
働きかたできるようになった現代。

独立とまで大げさでなくとも
趣味を誰かの役に立てたり
いくつかお仕事を掛け持ちしたりできます。

ただ、個人事業主の廃業率は
1年目で37.7%
3年目で62.4%
10年だとなんと88.4% !!

どうしてこんなにも生存率が低いのか?
大きな要因は【資金繰り】にあります。

やりたいことはあるけど
お金が続かないのです。

もちろん大きく利益を上げることができれば
とは考えるのですが

500万円以上の売り上げがある事業ですら
金策できず廃業してしまうのです。

これ、単純に
出ていくお金よりも
入ってくるお金が大きければ
経営は回っていくのですが

やはりこの採算管理をやっていないのです。

『その事業、採算合いますか?』
事業計画をつくり融資の審査にだって
採算が合っていることは最低限の条件です。

だからまず、確定申告は自分でやりましょう。
収支報告くらい自分で作りましょう。

なんだかわからないけどうまくいったという
『天才』の話は片隅において

まずは基本的な金銭管理をすること。
バカにしないこと
逃げないこと。


こうやって真面目に
経営をやってきた事業主さんと
良いご縁をつくっていきたいですね。

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