2021年映画ベストと、登場するごはんシーンについてのまとめ
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
あっという間に2021年がおわり、マトリックス3部作を復習していたら、お正月も過ぎ去ってしまいました。びっくりです。
年末恒例の企画として、いろんな方の2021年映画ベストを見るのはやっぱり楽しい。今回は、2021年の映画記録をメモしようと思います。
わたしの2021年映画記録は、
劇場鑑賞(新作):36本(うち2本はオンライン試写)
自宅鑑賞(新旧):81本 でした。
Twitterなどで映画ベストを見ていると、見逃してしまった作品も多かったなぁと反省もありますが、配信限定公開の素晴らしいドラマ作品も豊富な1年だったので映画以外のエンタメも楽しく拝見しました。
▼そんな、わたしの2021年映画ベストはこちら
▼上半期に鑑賞した作品はこちらにメモ
ベスト映画を選んでいるときは意識をしていなかったのですが、並べてみると全部に食事シーンがある気がします。簡単に振り返ってみましょう〜💪
『すばらしき世界』
西川美和監督は、エッセイも持っていたり、とても好きな監督の一人です。
わたしはこの映画の終わり方が好きでした。登場人物の中で一番美しい考え方を持っていたのは、過去に罪を起こしてしまった役所さん演じる三上という男だったんだろうなと思う。
本作のキャストは素晴らしい方ばかりなのですが、やはり仲野太賀さんには泣かされる。あのお風呂シーンの表情はすごかった。
▼『すばらしき世界』のごはん▼
すき焼き/卵かけごはん/故郷、九州・福岡での食事(豪勢な刺身の船盛り、かしわ飯、筑前煮、鰯のぬか床炊き)/ホルモン焼き
フードスタイリストは『かもめ食堂』や『南極料理人』の飯島奈美さん。さすがの素晴らしいお仕事です。
役所さん演じる三上が出所し、橋爪功さん演じる身元引受人の庄司の自宅に身を寄せた際、食卓に出るのがすき焼きでした。
この温かい食事と彼らの優しさに思わず涙ぐむ三上の姿を思い返すと、わたしが涙ぐんでしまう、大好きな食事シーンです。梶芽衣子さん演じる奥さんもすごくいいんです(「きのう何食べた?」のファンなので)
『すばらしき世界』はパンフレットも充実の内容でした。シナリオが収録されているのも好感度アップなのですが、スタッフ紹介ページでは、みなさんの顔写真とともにプロフィールが掲載されていて、制作チーム(現場スタッフ)へのリスペクトをとても感じたパンフレットでした。
『劇場版 きのう何食べた?』
『劇場版 きのう何食べた?』については、こちらの noteに熱い想いを書きました。よかったら読んでください。
『エターナルズ』
マーベル作品もよく観るのですが、その中でも『エターナルズ』はトップクラスに大好きな作品になりました。何よりもキャラクターたちが好き。ドルイグとマッカリのコンビがいいよねぇ。もちろん、セナとギルガメッシュのコンビもいいし、みんな好きすぎる…!
人類を愛してくれる彼らの想いとは真逆に、あまりにも人間は愚かすぎる。わたしはこの映画でずっと泣いていた気がします。
壮大な歴史を描きながらも、分かりやすく美しく仕上げるクロエ・ジャオ監督すごいなぁ。わたしはクロエ・ジャオ監督の『ザ・ライダー』という作品が大好きです。この作品も非常に美しい。
▼『エターナルズ』のごはん▼
そんな『エターナルズ』は、みんな大好き団欒シーンがありました!
ビールとワインとハチミツのお酒?が登場。あとブルーベリーパイのようなものも一瞬映りました。料理を振る舞うのが、マブリーことマ・ドンソクというのが、クロエ・ジャオの分かってる感!さすがすぎる!
『あのこは貴族』
こういう心地よい人間関係の描き方を最後までできる映画ってあるんだ、と嬉しくなる作品でした。
箱入り娘でお嬢様の華子と、地方から上京してきた美紀はあるきっかけで出会うのですが、決して友達にはならないストーリーが好きだった。各々が暮らす世界(階級)に、それぞれ悩みや苦しみがあり、それは違う世界の人には理解してもらえないもの。だから自分で決めた暮らしを作っていくしかないのだけど、逆に言えば、わたしたちの世代は自分で道を選ぶことができるということ。勇気をもらえる作品だと思う。
▼『あのこは貴族』のごはん▼
シソ入りおはぎ/指で舐めるジャム/里芋の煮物/アイスキャンデー/中華料理屋/アフタヌーンティー
食は露骨に金銭感覚が表れる。
華子のパートで登場するごはんは、高級ホテルの料亭で開かれる家族の食事会や、有名店のおはぎ、高級レストランでのデートなど、映画で観るようなお金持ちだ!と思う場面が多数登場。
でもそんな中で、華子が実家の台所の片隅で指でジャムを舐めるシーンがあります。このお行儀の悪さが、華子の子供っぽさを表している気がして大好きなシーンです。また華子の叔父さんを山中崇さんが演じているのですが、距離感がすごくいいんですよねぇ。
美紀のパートでは、帰省したときに里芋の煮物が登場して、ほっこりする(わたしも地方出身で、美紀の暮らしが理解できるので)
そしてやっぱり面白かったのは、大学時代にお金持ちの子たちとアフタヌーンティーに行ったら5,000円くらいかかって驚くシーン。友達間で金銭感覚がズレたらキツイよね。
誰もお客さんがいない、美味しくも不味くもなさそうな中華料理屋も好きでした。ここでしか会えてない二人という感じがして、あとから思うと少し切なかったなぁ。
そして『あのこは貴族』もパンフレットが素敵なデザインでした。いつかパンフについての記事も書こう。
『ドライブ・マイ・カー』
『ドライブ・マイ・カー』について書いたnoteはこちら。
韓国料理が登場するシーンが好きでした。
『アナザーラウンド』
マッツ・ミケルセンが大好きです。
トマス・ビンターベア監督は本作を「人生賛歌」と言っていましたが、わたしも本作から希望を感じました。何かを失ったとき、旅立つ人もいれば、立ち直る人もいる。アルコールによって一度は人生を壊し、自ら再建していく姿には監督の愛も感じます。
▼『アナザーラウンド』のごはん▼
ウォッカとキャビア/むきエビ/サゼラック など
サゼラックはライ・ウイスキーをベースとするスタンダードカクテルで、諸説ありますが、世界最古のカクテルと言われているそうです。
作り方は、ライウイスキーにアブサン、アンゴスチュラ・ビターズ、角砂糖、レモンピールが主流とのこと。劇中でも一口飲んで「くぅ」という表情をしていましたが、ガツンとくる味だそうです。
そして『アナザーラウンド』もパンフレットがよかった!パンフの紙質もよく、写真も豊富でマッツファンは買うべし。デンマークのお酒に関するトリビアやコラムもあり、補足しながら映画をさらに楽しめるモノとして、正しいパンフレットです。
『花椒の味』
『花椒の味』について書いたnoteはこちら。
本場の麻辣火鍋を食べてみたい。
『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
キリアン・マーフィーが大好きです。
だからベストに入れたのも理由ですが、本作は続編として本当に上手だったと思っています。前作は親目線で失った命と誕生した命が描かれていたと思うのですが、本作は子供たち目線の再生と成長が描かれていて、めちゃくちゃ泣きました。まず冒頭が素晴らしい。分かりやすい伏線も良かったし、ツッコミどころはあるけれど、一作目を超える面白さだったと思います。
▼『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』のごはん▼
本作は極限状態で食品(缶詰ぽいもの)も底を尽きかけている様子でした。めっちゃツライ…。後半とある場所へたどり着いたとき、少し温かいスープのようなものを食べるシーンがありました。ヨカッタ、ヨカッタ。
サバイバル映画によく出てくる缶詰って、何の缶詰なんでしょうか?気になる。災害が起きたときにも思いますが、我々も缶詰は備えておこうね。
『モロッコ、彼女たちの朝』
『モロッコ、彼女たちの朝』について書いたnoteはこちら。
モロッコのさまざまな種類のパンを知ることができて嬉しかった作品。
『サウンド・オブ・メタル』
今回のベスト10の中で唯一、配信で観た作品です。
リズ・アーメッドが主演を務め、聴覚を失ったドラマーの青年の葛藤を描いたAmazonオリジナル作品。第93回アカデミー賞で作品、主演男優、助演男優など6部門にノミネートされ、編集賞と音響賞の2部門を受賞しています。
聴力喪失を追体験させるような音響が素晴らしい。映画は劇場で観るのが好きですが、本作に限ってはヘッドホンで鑑賞するのも良いかもしれません。
不安、怒り、決意、安らぎ、いろんな感情の切り取り方が丁寧で、とても慎重に作られている作品だと思いました。自然な描き方で、デフ・コミュニティ(ろう者の文化的集団)の存在を知れたのもの良かった。
本作には『エターナルズ』のマッカリ役のローレン・リドロフさんも、聴覚障害の学校の先生として出演しています。
▼『サウンド・オブ・メタル』のごはん▼
ルーベンが作る朝食/ドーナツ/マチュー・アマルリックが作る食事
『サウンド・オブ・メタル』のごはんについて簡単に書こうと思ったのですが、思い返すとすごく素敵なシーンがたくさんあったなぁと思い、このあと別のnoteでメモしようと思います。
▼1/10追記
『サウンド・オブ・メタル』に登場するごはんについて書きました!
本日はここまで👋
2022年も素敵な映画と、楽しいごはんシーンに出会えますように!