障害認定基準 第8節/精神の障害(2)
今回は精神の障害の認定基準について見ていきたいと思います。
前回のブログでおおまかに説明していますので追記をしたいと思います。
障害年金の請求において、精神の障害の請求は多くの割合を占めます。他の傷病のように身体や血液等の検査数値では判断できませんので、それぞれの症状において、『日常生活における制限』がどの程度であるか慎重な審査が求められます。
長期に治療が続く場合も多く、また、初診日がどこにあたるのか判定が困難な場合があるので、記録の保存の確保について親族の支援が必要でしょう。
精神の障害は、
①統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害
②気分(感情)障害
③症状性を含む器質性精神障害
④てんかん
⑤知的障害
⑥発達障害
以上に区分されます。
「仕事をしていると年金は認定されないのですか?」
こんなご質問を頂くことが多いです。
認定要領には以下のように記載があります。
『日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。また、現に仕事に従事している者については、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業人との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活を判断すること』
つまり、個々具体的に判断されることになりますが、症状を抱えながらも他の従業同様に毎日定期的に仕事を継続している場合は、認定されなかったり等級ダウンがなされているような気がします。
『精神の障害に係る等級判定ガイドライン』において、④就労状況の共通事項として、「相当程度の援助を受けて就労している場合は、それを考慮する。」とあり、具体的な内容例として、「就労系福祉サービス(就労継続支援A型、就労継続支援B型)及び障害者雇用制度による就労については、1級又は2級の可能性を検討する。」、「障害者雇用制度を利用しない一般企業や自営・家業等で就労している場合でも、就労系福祉サービスや障害者雇用制度における支援と同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性を検討する。」
以上のように記載があります。
検討する、ですので診断書内容と病歴・就労等申立書の内容に基づいて慎重に審査されます。
就労が不利と捉えて現在順調な仕事をあわてて退職したりすることのないよう、落ち着いて判断したほうが良いです。