障害年金 認定日の遡及請求が多いことについて
障害年金は初診日から1年6ヶ月経過日が障害認定日となります。
この障害認定日に到達すると障害年金の請求をすることができます。障害認定日の診断書が必要になりますが、1年以上経過すると現在の診断書も必要となります。
つまり、障害認定日から1年以上期間が空くと症状の変化の可能性があるので、2枚の診断書が必要になります。
この状態は認定日の遡及請求となります。
この遡及請求が可能と思われる相談が非常に多いです。
5年以上の遡及請求になる場合、以下の問題点があります。
・時効期間が発生する可能性・・5年以上遡及して認定されても、請求日から5年経過した期間は時効により受け取れません。(本来受け取れる金額の一部を失うことになる)
・初診日証明の取得が困難になる場合がある・・診療録の法令上の記録保存期間は5年間です。記録がない場合は自身で証明する必要があり、資料が無ければ証明できません。(請求そのものが危ぶまれる)
・重要な情報が診断書に記載できない・・古い記録が残っていても、その時期に必要な検査をしていないため、診断書記載に必要な数値が無く、正確な審査ができない。過去に戻って診断はできません。(正しい審査内容にならない場合がある)
疾病は症状が少しずつ増進していく場合が多いと思います。
初診日が1年6ヶ月が経過した障害認定日では症状がそれほどではないかもしれません。その場合は認定日請求ではなく、事後重症請求になります。それでも初診日の証明は必要です。
以上のように障害年金の仕組みが良く知られていないことに多くの課題があります。
本来なら受け取れるはずの障害年金が受け取れないということにならないよう、早めの請求をお勧めします。
少なくとも一旦請求しておけば、たとえ不支給であっても初診日は確定できたことになりますし、何より請求方法が確認できたことには意義がありますから。