遺族年金 両親と同居の息子が死亡した場合
今回は両親と同居している未婚の息子(厚生年金加入中)が死亡した場合を考えます。
例:父(60歳)、母(58歳)、息子(25歳:会社員:平均標準報酬240,000)の3人暮らし (令和3年9月現在)
会社員として厚生年金加入中の息子が死亡したと仮定します。(短期要件:厚年法58条1項1)
まだ未婚のため、配偶者・子はいないので、父・母が遺族厚生年金の請求をすることになります。(厚年法59条1項)
しかし母はまだ60歳に到達していないので60歳までは支給停止に、父は60歳以上なので遺族厚生年金の受給開始となります。(厚年法65条の2)
ではそれぞれの遺族厚生年金額はどうなるでしょうか。
・(240,000(平均標準報酬額)×0.005481×300月(みなし)×0.75)÷2=147,987円/一人当たり年額) ( 偶数月24,664円×6回払い) (厚年法60条1項1、60条2項)
つまり、父と母で年金額を半分ずつ分けあうことになります。(母は60歳到達時に支給停止事由消滅届を提出することにより60歳から支給開始)
ちなみに、息子の死亡事由が交通事故等であり、第三者から賠償を受ける場合は調整があります。(厚年法40条第2項) 具体的には事故日から最長36月までとなり、調整の対象となるのは損害賠償金の全額ではなく、生活保障費相当額(逸失利益)のみです。