国民年金 年金額の増やし方
国民年金からは、65歳から老齢基礎年金として給付があります。(ここでは厚生年金は考えないものとします)
20歳から60歳まで保険料を納付すると年金額は780,900円(令和3年度)となりますが、すでにこの権利がある方は、それ以上保険料を納めて年金額を増やすことができません。
受給開始前に、保険料を納めず年金額を増額する方法が一つだけあります。
その方法は、「繰下げ請求」です。(国年法28条) (他の年金受給権がある場合は繰下げ請求ができません)
65歳で受給開始 780,900円(R3年度) ⇒ 70歳で受給開始 1,108,878円(42%up・参考)
さらに、令和4年4月からの法律改正により、最高75歳で受給開始できるようになります。年金額試算は84%upになり、1,436,856円となります。
数字だけ見ると一見よさそうにみえます・・しかし、70歳から又は75歳から年金を繰下げ受給すると問題点もあります。
・70歳、または75歳まで年金が無くても生活できるか・・まだまだ多くの企業が60歳定年制であり、継続雇用制度により仕事を続けても65歳で雇用が終了する場合がほとんどです。R3.4の改正高年齢者雇用安定法により、70歳までの就業確保措置を検討ように求められましたが努力義務であり、助成金も設定されていますが、今後どこまでの会社が採用するのかわかりません。
・70歳、又は75歳で繰下げした場合の損益分岐点・・せっかく繰り下げ受給を開始したのに数回受け取って死亡した場合、総受取額で65歳から受取っていた場合の方がよかったことになります。おおよその損益分岐点は70才繰下げ請求であれば82歳頃、75才繰下げ請求であれば87歳頃になります。男性陣は悩むでしょう・・
そんなわけで、「繰下げ請求」にはリスクがあるので、現時点では繰下げ請求する方は2%未満であり、ほとんどの方が65歳からの本来請求を選びます。
年金額を増やすため、他の制度について何があるか、次回考えてみたいと思います。
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