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佐々木実紀さんのダンス作品『境界を侵犯する』の感想

佐々木実紀さんのダンスをオンラインで観させていただいた感想です

1. 作品の情報

若手ダンサー支援プロジェクト
U35シアター21フェス
2024年9月15日開催
ホームページ https://session-house.net/danceflower.html
オンラインチケット(9月22日までアーカイブ配信) https://session-house.zaiko.io/item/366364
9月25日の20時から公開Zoomオンライン感想会が開催されるとのことです

『境界を侵犯する』
振付・出演:佐々木実紀さん

2. ダンスを観て感じたこと

ダンスが展開されていく時々で私の中に
湧き上がってきたイメージはこんな感じでした

境界は地形的なものだけでなくて思想的なもので区分けされていて
その中には枠のようなものが存在しているかも・・

枠は社会の規範のような存在で
規範は見えているようで
ベールがかかっていてよくわからない
そんな規範に盲目的に縛られている私がいる

ただこの規範を外れることはとても怖い
規範は地面に這うように存在しているが
枠から外に出ることも上に離れることも怖い
規範の中に存在していることに安心感を覚えてしまう

規範は外的要因によって外されることもある
規範とされていたものが何かのきっかけで
突然クリアに見えてくるときもある

その規範は源泉をたどっていこうとすると
なぜか逃げていくような・・少し不気味な存在

それでも規範の源泉をたどっていくと
何物でもない無機質なものであることもある
私の中の規範は私が作り出した怪物のような存在なのかもしれない
その私が作り出した怪物は私の意図しないところで
ほかの人を飲み込んでいるかもしれない・・

3. 佐々木実紀さんのダンス表現

佐々木実紀さんの作品から強く感じたことは
まず表現したいことが明確に言語化されていて
それをダンスという表現に昇華させることで
とても明確に観客に問いかけていることでした
そんな姿勢はとても素晴らしいと感じました

佐々木実紀さんは表現したいことを
確かなダンステクニックで装飾なく
伝えておられていた印象で
観客の深いところに問いかけてくれる
素晴らしい表現だと感じました

4. ダンスという表現方法の素晴らしさ

いろんな境遇の人が世界には住んでいて
各々様々なレベルで物事を考えている・・

ダンス作品はそれらを抽象化することで
観客それぞれの感情に深く入ってきて問いかけてくれる・・

ダンスはとても素敵な表現方法だと
佐々木実紀さんの作品を観て感じました

5. 物語は続く

このダンスで佐々木実紀さんが提示してくれたものは
人は様々なレベルで規範を持っていて
時にはその規範の本質を考えることもあって
もしかするとその規範は私の求めていたものでない
こともあるかもしれない・・
といった印象を持ちました

そのことに気づいてしまった私にはこれからどんな
選択肢があるのだろうか?
そんな問いかけについて興味が湧きました
続く物語を続くダンス作品で観てみたいと強く感じました

もう一つ
この作品は基本的にソロで内省的な部分を
掘り下げていた印象でしたが
さらに複数人で表現する作品で
規範を守ることを求める側とそれを守ることを強いられる側の
関係性やその関係性の逆転
さらに異なる規範間の摩擦など
そんな他社との関係性についても
観てみたいと感じた作品でした

とても素晴らしい作品を観させていただき
ありがとうございました

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