はじめましてを伝えることってこんなに真剣勝負だったのか
[ 2020年息子が0歳クラスのときの日記 ]
いま通っている保育園では、登園はじめの最初の数日間は親子登園という段取りになっていて、息子の保育園生活の最初の数日を一緒に過ごす幸運にめぐまれた。
新しい場所にもひるむことなく、楽しそうに活動を楽しむ息子。こんな環境で過ごすんだなとか、こんなリズムで生活するんだなと、実際の生活の様子をしっかり一緒に体験できて、こちらまで楽しかった。
そんな親子登園中のある日。
お外での活動中に、芝生に敷いたシートの上に、一旦ここにいてね、とクラスのお友だちと息子が一瞬2人きりで座らされた。
先生や他のお友だちはシートの周辺にいて、私もシートのそばでそっとしゃがんで2人を見ている。
お友だちと息子は、真っ直ぐ向き合って座っていた。笑いかけたり、声を出したり、ましてや動きもしないで、お互いに対してビンビンに注意を向けて集中しながら、ただただ座っていた。
相手に興味があるんだけれども、どうやって関わろうか、どうやって最初のきっかけをつかもうか、計りかねていたのだろうか。まるで真剣勝負の場のように空気が張り詰めていて、こちらも一緒に気持ちを張り詰めて見守っていた。
次の瞬間、息子の手がパッと動いて、グーに握っていたお友だちの手を指でピッと触った。
時間にしたら大した時間じゃなかったと思う。でもそこからピンと張られた糸を切ったように、止まっていた時計が動き出したように、2人が動き出して、お互いにちょこちょこ相手にちょっかいを出していたように記憶している。
そばで見ていて、なんだかこの瞬間に圧倒されてしまって、勝手にドキドキして、すごいものを見せてもらったという気持ちになってしまった。
言葉はもちろんなくて、”まずは笑いかけてみようかな”とか、"手を振ってみようかな"とか、そういう振る舞いのコードもないなかで、相手にはじめの一歩のアクションをとるって、すごいことなんじゃないかなと思って。
目の前に宇宙人が現れたときに、さぁどうしようと思うことと似ているんじゃないかと、勝手に大げさに思って、この2人の一瞬に勝手に感激した。
はじめましてを伝えるのって、こんなに緊張の走る瞬間だったんだな。子どもの毎日ってきっとすごくドラマチックなんだろうなぁ。
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