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行政視察第一弾/富山県ウェルビーイング事業

こんにちは、神薗まちこです。
10月議会が終わって、息をつく暇もなく、行政視察へ行ってきました。2泊3日のプログラムでしたが、富山から名古屋に日本を縦断する行程でした。

第一弾は、富山県のウェルビーイング事業。
所管する学びとスポーツ部で取り扱っているウェルビーイング。

富山県では、すべての政策の根幹になっており、渋谷のダイバーシティandインクルージョンに近いのだなと実感しました。富山県は成長戦略を考える成長戦略会議に、有識者のシンニホンの安宅先生やnewpeaceの高木さん、青山社中の朝比奈さんなどすごい方が集まっており、県職員の方もおっしゃってましたがまさにガチで議論されてます。その様子がyoutubeでも公開されてます。

ガチな会議の様子


そんな中、生まれてきたウェルビーイングを柱としてまちづくりを進めるという取り組みでした。

話を聞いてて1番嬉しかったのが、ベネッセ時代も訪問したことのあった富山中部高校の生徒の提案でウェルビーイングのロゲイニングの事業がうまれたということでした。富山中部高校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受けて、探究的な活動も熱心にしている学校で、以前ルーブリック評価を参考にさせてもらうなどしていた学校でした。まさに、地域に根ざした探究の取り組みが、街を変えるという素晴らしい事例だと感じています。

以下、聞いたお話をザックリですがまとめました。

ウェルビーイングの取り組みについて 




富山県では、ウェルビーイング(幸福)の推進が重要な施策として位置づけられている。この取り組みは、経済的な豊かさだけでなく、精神的・社会的な充実を重視する新しい価値観に基づいている。これまで幸福の指標は「GDP」など経済面が中心であったが、コロナ禍や社会の不確実性が増す中、富山県では「質的な豊かさ」を重視する方向へとシフトしている。

ウェルビーイングとは、WHOの定義によれば「肉体的、精神的、社会的に満たされた状態」を指し、幸福の多面的な要素を含む概念である。短期的で一時的な「ハピネス」とは異なり、ウェルビーイングは持続性を持つものであり、主観的でありながらも、多様な要素に支えられるものである。


富山県では、客観的に見れば幸福度が高いと評価される一方、主観的には幸福度が低いという結果が出ており、これを改善するための取り組みが進められている。
富山県の成長戦略の一環として、ウェルビーイングは重要な柱となっている。人口減少や経済の厳しい状況に対応するため、知事が主導する成長戦略会議において、県民一人ひとりが実感できる「幸せ人口1000万人構想」が打ち出された。これは、富山県内の人口約100万人に加え、関係人口(富山と何らかのつながりを持つ人々)を含めた規模を目指すものである。経済成長とウェルビーイング向上を好循環させるため、人材育成や社会経済システムの構築を進めている。

県民のウェルビーイングを測定するため、独自の指標が策定された。5000名を対象にした県民意識調査の結果をもとに、年齢や性別などによって幸福の実感に違いがあることが分かり、それを反映させたウェルビーイング指標が作成された。例えば、つながりの質を重視した指標が取り入れられ、個人の社会的なつながりがどのように感じられているかが評価されるようになっている。

このウェルビーイング指標は、政策形成にも活用されており、富山県の行政は県民の幸福を政策の目的としている。ウェルビーイングを考慮した政策は、統計データだけでなく、県民の主観的な幸福感にも基づいている。例えば、富山県では就業率は高いものの、管理職の女性の割合が低いことが課題となっており、特定の年齢層や職業に焦点を当てた政策が検討されている。

富山県は、ウェルビーイングを向上させるための具体的な取り組みとして、若者や子どもを対象にした「つながり実感」プロジェクトや、女性のウェルビーイング向上に向けた施策を進めている。また、ウェルビーイング経営を推進し、地域全体で幸福度を高める努力を続けている。

これらの取り組みは、地域社会のすべての部門に波及し、富山県の経済成長と幸福度向上が相互に影響し合う形で進展している。今後の課題としては、主観的な幸福度の変化をどのように追跡し、具体的な施策に結びつけるかが重要視されている。

富山県のウェルビーイング戦略は、全国的な流れとも一致しており、国レベルでのウェルビーイングに関する取り組みにも連携している。例えば、GDPからウェルビーイングを重視する「GDW」へのシフトや、持続可能な都市づくりに向けた議論が進行中である。富山県のこの戦略は、地域全体の幸福を高めるための重要なモデルケースとなっている。



視察の合間に、近くの富岩運河環水公園へ行ってみました。世界一美しい景色の見えるスタバがあるということでしたが、ゆったりとした空気が流れ、明るい時は立山連山を見ることができ、夜はとても美しくライトアップされていました。

駅周辺の整備や歩道などもきれいになっており、久しぶりに伺った富山はとてもこれからの可能性を秘めた都市だなと実感しました!

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渋谷区議会議員・神薗まちこ(かみぞのまちこ)
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