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インクルーシブ教育の推進

こんにちは、神薗まちこです。

今回は、「インクルーシブ教育」の推進についてまとめます。
インクルーシブ教育については、マニュフェストにも掲げており、就任当初からどのように進めていけばよいか?模索している事案でした。

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まさに、「ちがいをちからに変える街」を掲げる渋谷区が目指すべき、教育の姿です。ダイバーシティ&インクルージョン。「特別な支援を必要とするスペシャルニーズ児と健常児が一つの教室で共に学ぶ」ことが出来れば、全ての子どもたちにとってより良い学び舎がつくれると感じています。

1:インクルーシブ教育とは?

そもそも、インクルーシブ教育とは何か?ということですが、下記まとまっています。

みんなの教育技術より 
https://kyoiku.sho.jp/80230/
▶インクルーシブ教育とは?
インクルーシブ教育とは、すべての子どもの多様なニーズに対応できるように、すべての子どもを包含する教育のことです。目的は、排除のない社会を実現することであり、社会的・経済的格差、民族・人種・宗教等の差異がもたらす差別の軽減・解消をめざします。そのためには、不利な立場にある人々の自立および社会への完全参加を、学校の改革によって実現しなければなりません。
国や地域の実情によって、インクルーシブ教育の捉え方は異なりますが、狭義には、すべての子どもが同年齢の子どもとともに「通常の学級」に包含されることを、広義には、すべての子どもの教育が、教育行政機関の責任のもとに、共通の規則や手続きに基づいて行われることを指します。

まさに、インクルーシブ教育を目指すということは、100人100通りの学びのスタイルや環境を子どもたちに提供できるようになるってことに通じていて、決してスペシャルニーズ児童のためだけのものではないということが分かると思います。

8月に実施した「シブヤまちづくりLAB」では、
https://note.com/machikokamizono/n/n0b3543f1c54e
東京都でインクルーシブ教育の推進を進めている龍円あいり都議から発信をいただきました。
ショッキングな発信で、日本で進めているのは「インクルーシブ教育システムは、世界の潮流とは違うんだよ。」ということでした。

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2:渋谷区がインクルーシブ教育を推進するために

こういった勉強会や当事者の方々のお声をいただき、2020年第4回定例会の一般質問で、下記6点を提案させてもらいました。

****ここから****
二点目は、インクルーシブ教育についてです。
渋谷区小中学校全体で取り組んでいくべきもう一つの課題は、ダイバーシティ&インクルージョンを実践できるインクルーシブ教育の体制を整えることです。
世界の潮流は、特別な支援を必要とするスペシャルニーズ児と健常児が、一つの教室で共に学ぶことを目指し、スペシャルニーズ児に対する特別支援は、通常学級の中で行われています。そして、分離的な場での教育は例外とされています。一方で、日本は、文科省が「小中学校における通常学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場を用意しておくことが必要である」と定義し、分離した教育も、インクルーシブ教育システムの一環として是としており、分離された環境で教育を受ける児童・生徒数が、世界の潮流とは反対に、年々増加しております。
 東京都では、文科省の定義するインクルーシブ教育システムではなく、世界標準の同じ教室で学ぶインクルーシブな教育を進めていくことが「未来の東京」戦略ビジョンで提示され、二〇二〇年二学期から、学校におけるインクルージョンに関する実践的研究事業が豊島区と日野市でスタートしており、渋谷区教育委員会も視察に行った大阪府箕面市スタイルを参考にしています。
箕面市では、通常学級の中に支援学級在籍の児童の席があり、朝から下校まで一緒に過ごしています。全学級に支援学級の生徒が二、三名いて、支援学級の担任も入って指導します。  

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こちらの写真を御覧ください。例えば、障がいの重い医療的ケア児も、看護師と介助員がついて授業を一緒に受けています。なぜ世界が、そしてこの箕面市がこのインクルーシブ教育を推進するのかということですが、まさに社会全体として差別や偏見というバリアを幼少期からなくし、違いを受け入れ、違いから学び、そして共に生きるすべをみんなで身につけるためにやっているのです。

インクルーシブ教育へ向け、踏み出す提案を六点いたします。
(以下、質問ー答弁を順番に組み替えて入れています)

****質問1****
一点目は、特別支援学校へ通う児童・生徒への施策です。特別支援学校に通う児童・生徒のいる御家庭から多く聞くのが、完全に地域と分断され、コミュニケーションを取る機会がつくれないということです。既に推進していただいている副籍制度を生かし、特別支援学校に通う児童・生徒やその保護者が、副籍校の子どもたちや地域の方々と交流できる活動を増やせないでしょうか。教育長の見解をお伺いします。

****教育長答弁(質問1に対して)****
次に、特別支援学校へ通う児童への施策についてのお尋ねです。
特別支援学校へ通う児童・生徒も、副籍制度により、地域指定校の学校行事や授業への参加の中で、その学校の児童・生徒と交流しているところです。
副籍制度は、教育課程に基づく制度であるため、副籍制度をもって、地域交流に直接結びつけることは困難であると考えます。

****再質問(イマイチ納得いく答弁でなかったため)****
特別支援学校の生徒において、副籍制度に関しては、地域交流等にはつなげるのは、制度的に難しいということだったんですけれども、特別支援学校に通う保護者の方から、やはりその地域と分断されると。今まで同級生として一緒に、保育園だとか幼稚園に通った子どもたちと交流ができないといった現状が挙げられています。
そういった中で、学校がその副籍制度というのを設けて、地域として、渋谷区として、特別支援学校に通う児童・生徒さんたちに、御家庭にどういうふうなフォローアップができるのかというのをぜひ区として考えていただきたいなというふうに思っております。
学校教育として何かできないかというところで、もし御所見ありましたら、改めてお願いいたします。

****再答弁(質問1に対して)****
議員御提案の特別支援学校に通う児童・生徒が地域に入り、交流を深めるということは、やはりそのニーズに対してしっかりと向き合うべきだというふうには考えます。
しかしながら、今、副籍制度の中では、答弁の中で申し上げましたように教育課程、つまりは授業や学校行事への参加ということで枠が決められており、その中で特別支援学校の児童・生徒が、学籍ですので、籍と籍の校長同士の了解の下で交流が図れるということしかできない状況にあります。
ですので、教育委員会として今できることは何かと問われるとするならば、特別支援学校と協力関係をさらに深めながら、ぜひ渋谷区立小中学校の授業や学校行事に参加できるような副籍制度を利用してというような話は、強く働きかけることができるかなと思います。

****質問2****
二点目は、特別支援学級に対する施策です。現在、各学校で通常学級の児童・生徒たちとの交流及び共同学習は行っています。例えば、鳩森小学校では、毎日の清掃を縦の学年で班をつくって、通常学級も特別支援学級の児童も混ぜこぜで活動しています。年に数回のイベントだけの交流に終わらせず、毎日の活動の中で、交流や共同学習が行われるよう進めていただきたく思いますが、教育長の見解をお伺いします。

****質問3****
三点目は、通常学級でのインクルーシブ環境についてです。
現在、東京都教育委員会の就学の手引では、知的障がい児は通常学級の在籍の対象となっていません。しかし、知的障がい児でも、通常学級で学習したほうが、コミュニケーション能力が伸び、将来自立する可能性が高まることが、ハーバード大学教育学大学院の論文で発表されています。また、文科省は知的障がい児が通常学級で学ぶべきではないという方針は示しておりません。
就学相談で出された判定先以外に就学した場合、継続相談が続き、児童・生徒の状況に合わせて、介助員・学習指導員が配置できなかったケースも聞いています。御家庭の希望を踏まえ、知的障がい児であっても、通常学級での在籍が可能なよう、介助員や学習指導員の配置を行う検討ができないでしょうか。教育長の見解をお伺いします。

****教育長答弁(質問2&3に対して)****
次に、特別支援学級に対する施策、並びに通常の学級におけるインクルーシブ環境について、一括してお答えします。
インクルーシブ教育システムは、同じ場で共に学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある児童・生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要です。
各学校に共有することについては、文部科学省が平成三十一年三月に作成した「交流及び共同学習ガイド」を参考に、令和元年度、鳩森小学校のインクルーシブ教育の研究内容も踏まえた、交流及び共同学習の渋谷区版ガイドラインを作成し、全教職員、保護者、地域の理解を得て、より活発な交流が図られるようにしてまいります。
また、継続相談のお子さんに対する介助員の配置は行っておりませんが、ふさわしい学びの場での合理的配慮とは何か、そのお子さんの自立に向けた支援としては何が適切か、学校と保護者、教育委員会で丁寧な相談を重ねながら、個別に対応してまいります。

****質問4****
四点目は、放課後等デイサービス(以下、放デイ)についてです。
こちらを御覧ください。これは、自立支援協議会がつくった資料ですが、渋谷区の放デイの少なさ、特に恵比寿、広尾エリアの少なさを物語っております。渋谷区障がい福祉推進計画策定に向けた実態調査報告書でも、「放デイが使いづらい」「区内に施設が少ない」といった声が上がっています。また、コロナ禍での事業アンケートでは、事業運営が厳しい状況も報告されています。

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放デイ事業者への区独自の助成など、放デイの数を増やす施策の検討はできないでしょうか。区長の見解をお伺いします。

****区長答弁(質問4に対して)****
次に、放課後等デイサービスについてお答えいたします。
区内の放課後等デイサービスについてですが、平成三十年三月には十事業所でしたが、現在は十一事業所が運営しています。
しかし、昨年度に実施した次期「渋谷区障がい福祉計画」策定に向けた実態調査において、療育を行う施設が少ないなど、放課後等デイサービスの利用に対する意見がありました。
区では放課後等デイサービス事業について、平成二十八年より障害者福祉センター代々木の杜ピア・キッズで実施しておりますが、区民などの声を受けて、令和六年度から、神宮前三丁目障がい者施設でも事業を開始する予定です。
放課後等デイサービス事業所に対する助成については、新型コロナウイルス対策の観点から、事業継続支援を目的として、独自の持続化給付金事業を開始しましたが、今後も引き続き、療育を必要としている児童が適切に障がい福祉サービスの提供を受けられるように、まずは課題解決に向けて事業者の実態把握に努めてまいります。

****質問5****
五点目は、保育所等訪問支援事業の活用についてです。
当会派からも提案し、今年度から、代々木の杜ピア・キッズが請け負ってスタートしており、現在、鳩森小で東京都の指導的役割にあるうめだ・あけぼの学園にも協力いただきながら、事業が進んでいます。しかし、まだ学校関係者や保護者の認知が不足しています。事業の認知を広げ、学校現場を通じて、保護者や担任などの療育指導につながる取組ができないでしょうか。区長の見解をお伺いします。

****区長答弁(質問5に対して)****
次に、保育所等訪問支援事業の活用についてお答えいたします。
保育所等訪問支援事業については、今年度六月より、障害者福祉センター代々木の杜ピア・キッズにおいて開始しています。
現在は、保育園へ通園している複数の園児に対して、直接の支援と訪問先に対して、支援方法の助言を行っています。
東京都知的障害児等療育支援事業を東京都より受託している法人の知見については、代々木の杜ピア・キッズにおいても、当該法人より訪問先との関係構築などのスキルアップへの支援を受け、区内における保育所等訪問支援事業にも生かしていきます。
今後、教育委員会と連携を図り、保育所等訪問支援事業の理解促進が進むように、区立小学校等にさらなる周知を行ってまいります。

****質問6****
最後(六点目)に、東大先端研と実施しているラーニングリソースセンターについてです。
現在、研究成果発表は実施されていますが、この取組を多くの学校関係者や保護者が認知していません。先日もディスレクシアと診断された児童のいる御家庭から相談をもらいましたが、御存じではありませんでした。まずは知っていただくこと、そして研究の成果を日常の学校活動に落としてこそ、意味のある取組と考えますが、今後の計画や方向性について、教育長にお伺いします。

****教育長答弁(質問6に対して)****
最後に、東京大学先端科学技術研究センターとの連携事業である「渋谷区ラーニングリソースセンター」についてのお尋ねです。
本事業開始の際には、全児童・生徒にリーフレットを配付し、専用ホームページで情報の発信を行うとともに、児童・生徒がセンターに登録するフォームを設けるなど、周知をしてまいりました。
今年度は、小学校と中学校の新入学生に配付するとともに、学校サポートとして、教職員がセンターに直接登録し、子どもたちの特性に合った指導を行う際に役立てられる情報が提供されるようになりました。
保護者への周知を図るには、学校の理解は欠かせないものと考えます。
そこで、十二月から、連携事業の一環として、教職員向けのビデオ研修講座をシリーズで実施し、本事業の理解啓発を図るとともに、事例ベースで子どもたちを理解し、サポートする方法等、教員の専門性の向上に努めます。
引き続き公教育として、より多くの児童・生徒に、その実態に応じた多様な教育機会を提供する本事業の拡充と周知を行ってまいります。

↓【映像もご覧なられたい方】画像をクリックすると、映像にとびます↓

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3:今後へ向けて

2での提案によって、質問3で上がっていた学習指導員や介助員の予算は2021年度は増額してもらい、より多くの生徒により複数時間、介助員等の支援を入れることが出来るようになりました。

また、この事業を担っている学務課とも相談し、しぶや区ニュースの2021年4月1日号のトップに業務委託している「ぴゅあさぽーと」さんを掲載。人の募集も苦戦しているということもあったので、より促進できるように働きかけをしています。

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https://www.city.shibuya.tokyo.jp/assets/kusei/s210401_1-3_web.pdf

このインクルーシブ教育に関しては、東京都と連携しながら、まだまだ道半ばではありますが、引き続き取り組んでいきたいと思います。

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