大注目のシブヤ科!探究×協働の力を身につける
こんにちは、神薗まちこです。
みなさん、シブヤ科ってご存知でしょうか?「なに?それ?」って人がほとんどだと思います。
保護者の方や教育界隈にいる人はもちろん、区民の皆さんたち全員に注目してほしい、渋谷区独特の「科目」が令和3年度4月から全校でスタートしています。
渋谷区はICTだけ推進してるんじゃないよー!ってとこを、今回紹介したいなと思います。
1:シブヤ科とは?
一言でいうと、「渋谷区をテーマに、探究×協働をする」科目です。今年度令和3年度から全校でスタートしていますが、2年前から試行的にいくつかの学校で実施されています。
対象は小学3年生から中学3年生まで。
それぞれの学年で総合学習の時間の一部をいかして、活動をします。(例えば、中学生は1年生50時間、2-3年生70時間、年間総合学習の時間がありますがそのうちの1年は15時間、2-3年生は20時間をシブヤ科実施するようにという設計になっています。授業として行っているので、もちろん評価もつきます。)
各学校や学年で、様々なテーマで実施していきます。この5月末くらいまでに各学校から計画が出てくるということでしたので、どんなテーマを実施するのか楽しみですね。
2:なぜ今、シブヤ科なのか?
今の小中学生たちは、人生100年時代を生きると言われています。さらには日本は超高齢化社会に突入、2045年にはシンギュラリティ(人工知能が人間の知能を超える)、そしてこのコロナ禍や20年以内にくると言われている首都直下型地震など、まさにVUCA/Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)/な、予測不可能な社会を生き抜いていかないといけないわけです。
そんな時に求められる力は何か?それは、文科省が小学校では2020年からスタートしている新学習指導要領のベースとして発信しています。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/index.htm
これまでも「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力」の部分は、頑張って積み上げてきた学力です。今回の改訂で一番注目されているのは、「学びに向かう力、人間性など」です。
「学びに向かう力、人間性など」ってなんなのか?といったときに、私は「探究」と「協働」の2つの言葉で表すことが出来ると考えています。
しかも、渋谷区の掲げる基本構想は「ちがいをかえる街。渋谷区」です。まさにダイバーシティ&インクルージョン。多様性をどう学び、いかすか?を、区をフィールドに学ぶことができます。
地域をフィールドにし、地域の様々な方々に協力いただきながら、学びを作っていく。まさに公立だからこそできる、公立の強みを最大限いかした探究×協働の学習が「シブヤ科」です。
3:事例/代々木中学校
代々木中学校は、このシブヤ科が本格スタートする3年前から試行錯誤してプログラムを作ってきました。
まさに3年間通じて学ぶのは、「ちがいを力に変える」ということ、そして探究×協働学習を通じて学ぶということです。そのために、授業を学校の中だけでとじず、外部人材を巻き込み、実施しています。
各クラスに担任の先生方と一緒に、民間で活躍するファシリテーターの方が一人ついて、年間15H~20Hの授業を伴走します。このファシリテーターをスカウトして、取りまとめているのがコミュニティスクールに所属している地域コーディネーターの方です。この方がいるからこそ、成り立つ体制になっています。テーマに関しては、1年生は「ひと」、2年生は「まち」、3年生は「せかい」のテーマと「ちがいを力に変える」を掛け合わせて学んでいきます。自分たちで調査したテーマを机上での調べものに終わらせず、現場に関わっている人にインタビュー取材をしたり、学年によっては課題解決のためのプロトタイプを作ったり、それを踏まえて最終的にはチームでプレゼンを行います。この授業を通じて、生徒たちに「自分の街は、自分たちの手で浴していけるんだ!」ということを実感してもらえたらということで、ファシリテーターや先生方も授業展開を考えてくれています。具体的な授業の様子を、富ヶ谷新聞さんが取材してくれていますので、ぜひご覧ください!
学校がレポートをHPにあげているので、こちらもとっても参考になります!
4:事例/加計塚小学校
加計塚小学校の5年生のシブヤ科も面白い取り組みをしています。学校の菜園で育てた野菜たちを、商品化して販売するところまでやっています。
KAKEZUKA FARM
https://ebisufan.com/news/kakezukfarm4417.html/
小5でそこまでやっちゃう!?というくらい、素晴らしい取り組みになっています。収穫した野菜をどんな商品にして、販売するか?を、マーケティング会社からアドバイスもらったり、地元の飲食店と協力して商品化したりして、販売しています。
こういった取り組みができるのは、地域学校協働本部の地域学校協働活動推進員(恵比寿新聞の高橋さん)が学校の意図と地域のネットワークをつなげるからこそ出来る活動です。もちろん、子どもたちの積極性や学ぼうとする姿勢だったり、担任の先生などの協力もあっての授業だと思いますが。
こんな素敵な取り組みが、各学校でどんどん広がっています。
シブヤ科が広がっていくと、子どもたちの学びが主体的に、積極的に変化していきそうな、そんな息吹を感じています。
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