これからの政治と選挙のはなし〜都議選2021、現場レポート
「これからの政治と選挙のはなし~都議選2021、現場レポート」ということで、コミュニティデザインをやっている中島明さん(まちのコミュニティデザインをされている)と企画しました。
2週間前、都議選の熱狂の中にいた私ですが、ふたを開けてみると投票率は42.39%、渋谷区はもっと低くて38.3%・・・
「投票しない(できなかった)人たちは、なぜしなかったのだろう?」
そんな疑問を持ちつつ、一方で今回の都議選にはとても希望を感じてもいました。
希望に思えたところ、気づきなどをみんなと話したく、以前、clubhouseで「小学生でも分かる地方政治」を一緒に話した、東京都議会議員(現職、次期は候補者としては出ずに別活動予定)の奥澤さん、小金井市議会の白井さん、探究学舎の木元さんにもゲストとしてお声がけし、対面&オンラインでのご参加者がいる中でスタートしました。
私なりの気づきをまとめます。
1:イデオロギーから、テーマへ
渋谷区で応援していた龍円さんも、品川区に応援にいった森澤さんも、
有権者の皆さんが、政党とかではなく「テーマ」を見て、選択していたように感じていました。奥澤さんもおっしゃっていた、「イデオロギーから、テーマへ」。
今回の年代別の数字はまだ出てませんが、2013年→2017年であきらかに年代別の数字は変化していて、例えば、子育て世代の30代-40代の投票率割合は37%→44.9%になっています。
待機児童問題などの大きなテーマが出てきて、SNSでの発信もそうですし、
署名を集めたり、陳情をするなど、子育て世代の市民が動いて、国政・都政・区市町村の政治にも働きかけてきました。その結果、政治が動き、行政が動きました。渋谷区でも今年度、待機児童ゼロを達成。
自分たちが動くことで、世の中が動き、課題が解決に向かうという実感を持てたからじゃないかと思うんです。だから今回も、この世代を中心に「テーマ」をちゃんと設定して、その「テーマ」を一緒に実現してくれる人を選んでいたんじゃないかと。
その動きが加速していくと、「政治家や行政が、まちを良くしてくれる」
なんて発想ではなく、「まちをよくするのは私たち一人ひとり」という発想に変わっていくなと。実際に、渋谷区ではそういったうねりを強く感じています。
2:若者には手触り感のある「テーマ」がない!?
一方で、若者代表でもある木元さんからあった「10-20代はこれといって、解決してほしいと思えるテーマがない。提示されている課題に手触り感がない。」と。まさにと思いました。
20代前半は特に投票率が低いことも気になっていて、大学進学などの関係で地元にいないということもあるのかもしれないけども、それよりはきっと「テーマ」がないから、だれを選んでいいかも分からないんだろうと。
確かに20代前半の時、そんな目で選挙候補者を見たことは一度もなかったと思うし、大学で一人暮らししていた時に、住民票のある実家へ戻ったり、不在者投票をしてまで、投票していなかったなあと。
でも、大学時代は環境問題の活動とかサークル作って頑張ったりしてたんだけども、なかなか政治と自分が活動していたテーマがつながらなかったことも記憶しています。
「手触り感のある課題」がある若者もいると思います。それがきっと、いろんな政治(国政も地方政治も)とつながっていないんだろうなと感じるし、国政と地方政治は役割も違うので、そのあたりもつながりが難しいんだろうなと感じています。
「手触り感のある課題」意識を持つ若者が増えることで、「自分たちのまちは、自分たちで変えていけるんだ!」という想いと行動が少しずつ結びついていく、そんな学びが今、文科省も推進している「探究」という学びだと感じています。
渋谷区でも「シブヤ科」という、探究×協働のまなびがこの4月から小3-中3の全校でスタートしています。間違いなく、子どもたちは日々変化していっています。私自身は、そこに大きな希望を持っているし、彼らの感じた「手触り感のある課題」の解決策の一個として政治が入ってくるといいなあと思っています。
(代々木中が毎回シブヤ科をレポしてくれているので、良かったら見てください→https://shibuya.schoolweb.ne.jp/swas/index.php?id=1320121&frame=frm5e49ed1c6fb5e)
3:デザインが人をひきつける
白井さんがおっしゃっていたデザイン性の問題というのも感じていて、
とにかく政治家からもらうチラシはダサい・・(=受け取りたくない)というのは感じていたので、デザイン性は私もこだわっている観点でした。
それは、自分の原体験もあって。20代前半の時に渋谷区に移り住んで、初めてみた長谷部区長(その当時は区議)チラシとポスターにロックオンされたから。メッチャおしゃれなフライヤーがポストに入っているなと見たら、何と選挙のマニュフェストだったということに驚いて、そこから政治というよりも「長谷部健」という議員さんに興味を持ったから。
ワクワクしたんですよね、ああこういうまちを一緒に作ってみたいなって。
だから一票を投じたんです。感覚の合うデザインが、人と人とをつないでくれることを考えると、例えば、選挙の案内や広報なども、得票率の低い世代をターゲットにして、アプローチ方法を考えるなど、検討すべきとも感じました。
4:投票率が上がらないほうが、政治家も行政も嬉しい!?
投票率が上がらないほうがこれまでの政治クラスターの人たちが投票して、その中で結果が決まるので良いと思っている政治家。
そして、そういった政治家たちとツーカーで行政運営を行っている行政も投票率がアップされることを望んでいないのでは?
という、課題提起も出ました。
「えーーー!」全く持って共感し難い・・・状況だなと感じ、私が強く感じた違和感は何だろうなあと考えていました。
私は住んでいる人たちや働いている人、そしてまちを愛してくれている人たちと一緒にまちを創っていきたいと思っています。共に創っていきたい。
だから住民の代表になる議員をちゃんとテーマで選んでほしいし、その議員がみんなのことファシリテートしながら、まちの課題を一緒に考えて、行動おこして、解決していったり、魅力化していくことがやっていきたいと思っています。
人それぞれタイミングもあるし、関われる範囲は多い・少ないあると思うけど、でもそういう気持ちで自分の住んでいるまちに少しだけでも関われたら、人生楽しいんじゃないかなあと思うからこそ、今もまちのいろんな人たちとたくさん活動を仕掛けているし、区政報告会ではなくって「meet up」や「まちづくりLAB」という形でテーマについて話すことをこだわっています。
それは、別に得票率を上げたいからやっているというわけではなく、一緒にまちを創っていこう!という、活動なんだということも今回の会を機に改めて、見つめなおすことが出来ました。
一方で、すでに政治クラスタの中にいる私のような議員だけが頑張ってもダメで。今日みたいな、中島さんのような方々が声かけて、気軽に話せるそんな場がもっと増えて、アメーバみたいに重層的に広がっていったら、きっともっと大きく変わっていくだろうなと感じています。
今日、Twitterで知り合った方がこのイベントを紹介したら、来てくれたんですよね。それがとてもうれしかったんです。そうやって少しずつ、広がって、みんなの近くに政治があって、まちの課題や可能性を一緒に作っていけたら最高だよなと感じた、たくさんの学びのある時間でした。
場所の準備や企画を推進してくれた中島明さんに改めて感謝!!
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