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子どもの食べ物による窒息事故を防ぐために大人ができること

子どもにとって食事の時間は楽しいひとときですが、窒息の危険が潜んでいます。

特に小さな子どもは歯が生え揃ってないため食べ物をよく噛むことができません。周りに気が取られてしまうと食べることに集中できません。

先日、札幌の保育園で1歳の子供が保育園でのどを詰まらせて亡くなるという悲しい事故がありました。

子どもの食べ物による窒息事故を防止するために大人ができることを考えました。

事故の概要:11月15日のニュース記事より


札幌市の認可保育園「アイグラン保育園拓北」で先月23日午前11時過ぎ、1歳の男の子が給食の食べ物をのどに詰まらせ、死亡しました。関係者によると、司法解剖の結果、男の子の死因は、肉をのどに詰まらせたことによる窒息死だったことがわかりました。どのような形状だったかは明らかになっていません。

食材の選び方と準備


子どもの食事は成長過程に合わせて形状を変える必要があります。しっかり噛むことができるようになるのは、歯が生え揃ってからです。「歯が生え揃うまで、歯ぐきでつぶれないものは丸呑みである」と理解しましょう。1歳になったら大人と同じものが食べられるというのは食品のことであって、食べ物の形状はその子どもの成長過程に合わせなければなりません。小さな子どもに与える食べ物の注意点を3つ紹介します。

1.安全な食材を選ぶ: 危険な食材の特徴は、ツルツル、丸い(球状)、ネバネバ、水分を吸収すると固まる、噛み砕けない


危険な食材の特徴は、ツルツル、丸い(球状)、ネバネバ、水分を吸収すると固まる、噛み砕けないです。例えばブドウ(ツルツルで丸い)もち(ネバネバ)パン(唾液を吸収して口の中で固まる)あめやグミ(丸い形のまま口の中にある)ナッツやこんにゃく(噛み砕けない)などです。

2.食材は小さくカット: 固形物を提供する際は、小さく切って与える


食材のカット: 固形物を提供する際は、小さく切って与えることが大切です。特に丸いものや硬いものは、縦や横に細かくスライスすることで窒息のリスクを減らせます。

3.調理方法の工夫

柔らかく煮たり、潰したりして、子供が噛みやすく、飲み込みやすい食感にすることが重要です。

子どもが食べることに集中できるようにの環境を整える


子どもは周りの物音にすぐ気を取られてしまい、食べることに集中できません。楽しく食べることは大切ですが、口の中に食べ物が入ったまま、話したり笑ったりすると、息と一緒に食べ物を吸い込んで気管に入ってしまいます。咳き込む力が弱い子どもにはとても危険です。配慮すべきポイントを3つあげました。

1.座って食べる習慣をつける

動きながら食べると窒息の危険が高まるため、必ず座って食べる習慣をつけましょう。

2.落ち着いた環境を整える

テレビを消し、静かで落ち着いた環境で食事をとることで、子供が食べ物に集中しやすくなります。

3.監視を怠らない

食事中は常に子供を見守り、必要に応じてサポートできるようにしましょう。

食べ方の指導

のどを詰まらせない安全な食べ方として以下の3つのポイントをあげました。これは高齢者の誤嚥防止と同じです。おじいちゃん、おばあちゃん世代の人もぜひ意識してください。

1.子供に一口ごとにしっかりと噛むことを教える

現代は柔らかく食べやすい食品が多くなり、大人でも噛む回数は減っています。昭和10年代は一食で1420回噛んでいたのが、令和では620回だと言います。現代はよく噛むことは教わらないとできない時代かもしれません。関わる大人も一緒によく噛む習慣ができるといいですね。一口ごとにしっかり噛むことを教え、急いで飲み込まないよう指導します。

2.少量ずつ食べる

口に入れる量を少なくするように指導し、口いっぱいに詰め込まないよう注意します。飲み込む力が弱いほど、食べ物をたくさん口に入れて押し込もうとします。飲み込む力を強くするためにも少しずつ、何度も飲み込むことを習慣づけましょう。

3.焦らせずゆっくり食べる

食事の時間を急がせず、ゆっくりと食べることの重要性を伝えます。私の子は幼稚園で小学校に行ったら給食時間が限られているから早く食べられるように、と指導されたことがあります。食べることを急かすのは結果的に「噛まない」「丸呑み」を促すことになってしまいますので、子どものペースで食べさせてあげたいです。

「のどが詰まって呼吸ができない」は待ったなしの緊急事態

のどが詰まった人をみたことがありますか?

のどが詰まった人は、漫画のように胸を叩いたり苦しがったりしません。声を出すことなく、うずくまって気を失います。のどが詰まって呼吸ができない状態が5分続くと、救命確率は25%に下がります。異変に気づいたらすぐ救急車を呼ぶのはもちろんですが、一刻をあらそいます。応急処置ができるように大人は学んでおきましょう

応急処置を学ぶ

ハイムリック法や心肺蘇生法など、窒息時の応急処置を学び、万が一に備えましょう。

後ろから手を回し両手を握り、握った手で季肋部を瞬間的に圧迫する
もっと小さい子供は
頭を下げて背中を叩く
意識がなければ、心臓マッサージです

子どもの特性を知って一緒に食事を楽しもう

子どもの食べ物による窒息事故を繰りかさないために、大人が知っておくべき子どもの特性と注意すべき点を書きました。安全で楽しい食事時間にしましょう。

参考記事
日本小児学会〜食品による窒息 子どもを守るためにできること〜
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=123


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