マチコというものの片鱗
元々ひっそりと物書きのようなことをやっていたし、せっかく衆目に触れうる活動をしているから、この際自分の書く文章も改めて日の目に晒してみたいと思った。
私はかなり雑な性質で、部屋をすぐにゴミまみれにするし、洗濯物も溜めこんでしまう。だからこの文筆活動がどのくらい続くのか、どれくらいの頻度で可能なのか、皆目見当もつかない。だが走り出したからには気の向く限りやってみようと思う。
私は岡山という地方都市で活動するドラァグクイーンの端くれだ。ショーに出始めて間もない。クラブに出てくるまでは、飲み屋で働いていた。
あまり自分の性別を公にすることはなかったが、この際なので打ち明けると、いわゆるXジェンダーである。生物学上は女性。
幼少の頃から「自分は女ではない」と思っていた。では女ではないなら男なのだろうと、これまたそこそこ雑に考えて、大学生のときにホルモン療法を始めた。
ホルモン療法を始めると、みるみる声が低くなった。髭が生えた。体毛も濃くなった。しかし、私はそれで満足してしまった。満足感を覚える自分に初めは困惑した。ゆくゆくは乳房を切除し、男性器を形成するものだと、本当になんとなく思っていた。だのに自分はそこまでを求めていなかったことに気がついて、アイデンティティの危機に陥った。
そんなときにインターネットとは便利なもので、調べているとすぐにXジェンダーについての記事がヒットした。性の在り方に縛りがないことをそこで初めて知った。
生まれは女性、そして男性ホルモン投与による男性性が付与された身体。私は自分のそういったところが大層気に入っている。どちらになりたいということはない。どちらとして受け止められようが気にならないし、どちらでいようとも思わない。私はあくまで私でしかない。
これを毎回説明するのがどうにも煩雑であるし、Xジェンダーという言葉の世間に対する浸透度はまだ期待できないところなので、聞かれてものらりくらりといった対応をしてきた。
もし私に興味を持ってくれて、ここに来てくれた人がいたら、心の片隅に置いておけなんてことは言わないから、よくわからなくてもいいから、「そんなもんか」とでも思っていてくれたら有難い。
最近の趣味は料理。名もなきおかずを作っては食べている。
遺伝もあり、とある病気を発症したせいで、あまり糖のあるものは食べられない。白飯があるのとないのとでは、食事に対する心の躍り度がかなり違うが、こればかりは仕方ない。しっかり節制して薬を服用していれば、この病気が悪さをすることは少なくなるというので、なんとか堪えている。
しかし、野菜は美味しい。この病気になってから野菜を気をつけて摂るようにしているが、そのようにしていると殊に野菜の美味しさに気づく。
今まではやはり体に悪いものほど美味しいという思想があったが、自分できちんと料理して、皿に盛り付けて食うとなると、野菜も大変に美味しい。基本的に何の野菜も好き嫌いなく食べる。お揚げさんとか胡麻とかと一緒に炒めてやると、何でも美味しくなる。今日はお揚げさんの徳用パックを安くで買えたので、ほくほくしている。
しかしこういう話をすると、得意料理を訊かれることが多々あるのが困る。冷蔵庫の余り物で思いついたものやそのとき食べたいものを徒然に作っているので、これといって得意料理などないのである。私は単に料理が好きなだけである。後片付けも苦ではない。たまに溜め込んでしまうけれど。
好きな映画はミッドナイトスワン。作品名と同タイトルの劇中曲が好きで、折々で聴く。
好きなアニメは蟲師。人間の力だけではどうにもならない自然に圧倒される感覚が堪らない。あと映像美とか見せ方運び方でいうとモノノ怪。
好きな漫画は東京喰種。とかいいつつ最終巻までぎりぎり読めてはいない。
好きな音楽アーティストは枚挙に遑がないが、少し挙げるとするならばキタニタツヤ、女王蜂、小林私。歌詞も音楽性も好きだ。
なんだか好きなものを列挙したくなったので書いた。好きなものを並べてみせたかっただけの時間である。
最初の記事は自己紹介に限ると思い書いてみたが、やはり全てを書ききることはできない。もうとても眠たいし。
これから思いついたことをつらつら書いていくつもりなので、気が向いたら読んでネ。
ではまた。