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「食べ物は日本のほうがおいしい」これホント?!

アメリカ、カリフォルニアに住むようになって、もうすぐ9年。この9年間、アメリカに住んでいる日本人からよく聞くなぁ、と思う言葉があります。「食べ物は日本の方がおいしいからね」。う~む、果たして、これは本当か?

アメリカ生活の最初の約2年間を過ごしたベイエリアと比べると、ここサクラメントあたりでは、日本人仲間には、そう多く出会いません。はて、“そう多く”とは、実際のところ、どんなもんなのだろう?と、気になってちょっと調べてみたところ、私が住むPlacer county(郡)の日本人の数は、3,500人を少し下回るほどで、総人口の0.6%ほど。感覚的にもこの数字通りですね。私のお散歩&コーヒー友達の日本人の女の子、職場の高級スーパーに入っているお寿司屋さんで働く、仲良しの日本人のおじいちゃんが、私にとって貴重な存在のはずです。

さて、本題の「食べ物は日本の方がおいしいからね」というフレーズ。私がこの9年で出会ってきた日本人仲間はもちろん、ベイエリアに住む義理の母が、よーく口にする言葉です。義理の母は、先にアメリカへと拠点を移していた義理の父と日本で出会い、結婚し、即アメリカへ移住。慣れない異国の地で、うちの旦那さんを含む、合計4人の子供を育て上げた、とてもたくましく魅力的な人です。旦那さんの両親ともに、日本生まれ(父は満州生まれですが)の日本育ち。いわゆる日系一世になります。残念ながら、お義父さんは私の渡米前年に他界していますが、未だ現役のお義母さんは、アメリカ生活歴50年を超えるのに、超日本人。本人は「若かったから、アメリカまでフラフラついてきちゃったの」なんて笑っていますが、50年以上も前の時代に、異国の地へと移り住んだ度胸と、その後の数々の苦労、70歳を超えた今も尚、日本人女性として凛としている姿は、本当に頼もしいものです。旦那さんによると、お義母さんが日本へ最後に帰ったのは、お義母さんのお父様が亡くなられたときとのことで、ということは、ここ四十数年は日本の地を踏んでいないということになります。若くして茨城の実家から単身上京し、東京で住み込みで働いていたそうなので、日本時代にあれやこれやを食して、、、なんていう過去はあり得ません。先日、「お好み焼きというものを食べたことがない」と言うので、ホットプレートを持参して、お好み焼きパーティーをしたくらいですからね。子供が小さい頃は、庭師だったお義父さんのお手伝いをしたり、バラ園で花の手入れの仕事をしたりしていたそうですが、長年、日本食レストランでパートもしていたので、彼女が作るカリフォルニアロールは、見た目も味も一級品。そして、かなりのお料理上手。そんな母の味をあたりまえに育った人を旦那さんに選んでしまった私は、大変なものです。とはいえ「子供の頃、お母さんは〇〇を作っていた」とか「お母さんは××を使っていた」などの旦那さんの発言は、大いにヒントになっています。人生の、そして、アメリカ生活の大先輩、近くに住んでいないので、なかなか会うこともできませんが、旦那さんを通して勉強させていただいています。

さて、話を戻しましょう。そのお義母さんが、いつも「食べ物はなんでも、日本のほうがおいしいから」と言うのです。旦那さんによると「昔からいつもそう言っている」とのこと。お米はもちろん、お魚から果物、お菓子に至るまで、食べ物の話になると決まって「日本のほうがおいしいからね」と。時に、「いや、でも日本では、マンゴー1個が2000円とかしちゃうんですよぉ」とか「高級メロンは5000円だって!」なんていう話しになっても、「でもやっぱりおいしいからねぇ」となるのです。ちなみに、お義母さんのお家では、日本語テレビを見ることができますので、日本のニュース、日本の各地の情報、そして日本の食べ物のことは、私以上によーく知っていたりします。「食べ物は日本のほうがおいしい」は、概ね当たっているのかもしれませんが、それだけでなく、やっぱり、懐かしいのかな、帰りたいのかな。早く一度、一緒に日本に帰らなくてはいけませんね。

この「食べ物は日本のほうがおいしいからね」は、お義母さんに限ったことではなく、アメリカに暮らす日本人の、日本への郷愁が半分、本当にそう思うところが半分といったところなのかもしれません。

食べ物は、あくまでも個人の好みによるものが大きいものですが、私には、カリフォルニアに分がある、と思う食べ物もあります。真っ先に思いつくのが、果物とナッツ。果物は、やはり燦燦と太陽を浴びているからですかね、オレンジなどは味が濃い!そして安い。その他にも、夏のコーンの味の甘さと安さは感激ものです。まさに、広大なトウモロコシ畑パワーです。ここでいう安いというのは、本当に安くて、私はシーズン中のコーンは、ひとつ30セント(約30円)では、「まだ高いな」と購入を見送ることがあるほどです。時には、ひとつ10セント(約10円)にまでなりますからね。他には、シーズンのアメリカンチェリーもおいしいですよ。日本への直送サービスが存在するのも納得です。とはいえ、通常、生の果物は日本へ持ち帰れませんので、お土産にはドライフルーツを持って帰ったりします。お気に入りは、マンダリンのドライフルーツ。つまり、普通のミカンです。でもこれが、味が濃くっておいしいんです。そのほか、ナッツ類も安くておいしいですね。随分前になりますが、父が、どこぞかでクルミが体にいいと聞きいて「マチコのところで、安く大量に手に入るかなぁ?」と提案されたことがありました。確かに。クルミは体にいいし、日本で買うより数段安い。そういえばお父さん、ミックスナッツ系、好きだったものね。でも、残念ながら送料がバカ高く、そうなるとこちらで購入して郵送するメリットはなくなってしまい、クルミ計画はボツ。でも、お土産にはいいですよね。ちなみに、有名なBlue Diamondというアーモンドの会社はサクラメントになりますので、サクラメント土産には、Blue Diamondのアーモンドもおすすめです。

果物とナッツの他にも、「アメリカの〇〇はうまい!」というものがあります。これは、私の私感のみではなく、常日頃「やっぱり食べ物は日本でしょ~」と話していた、ベイエリア時代の日本人の知り合いの皆さんも、口をそろえて言っていたことです。〇〇とは、まさかのサーモン。なぜかって?なぜでしょうね?ここいらのサーモンは、アラスカ産になるのではないかと思うのですが、どういう訳か、これがかなりおいしいのです。マグロのお刺身は、なぜかいまいちマグロの味がしないのですが、サーモンはちゃんとサーモンの味がします。アメリカの、少なくとも、カリフォルニアのサーモンはうまい!これ、ホント。たまに無性にお刺身が食べたくなって、日本食スーパーでマグロかハマチとサーモンのお刺身を調達する私たち。サーモンを口に入れるたびに「おいし~」「うまっ」と言わずにはいられない私に「もう黙って食べて!」という旦那さん。いやでも、ホント。アメリカのサーモンはうまいんです。


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