ジーパンは国民服!
いよいよ東京オリンピックが始まりました。競技に加えて、昨日やっと、録画していた開会式を見ることができました。見たかったんです、開会式。
改めて振り返ると、モハメッド・アリの聖火点灯とか、宇宙飛行士が飛んできた姿などの、断片的なシーンは覚えているものの、オリンピックの開会式自体を見たい、と思ったことはなかったような気がします。よく言われることですが、日本を離れると日本のことが見える、というのはうなずけます。私の場合は、よく見える、というより、日本に対して、今までは気にならなかったものが気になる、という感じでしょうかね。日本を離れてから「落語」好きになったし、第二次世界大戦や原爆、特攻、満州などの動画も、かなり見ました。最近は、生の歌舞伎と宝塚を見てみたいなぁ、と思っています。
さて、本題の開会式に戻りましょう。国歌斉唱、聖火リレー、その他のパフォーマンスなど、思うところはいろいろありますが、それはまた別の機会に。あ、これだけは書いておこう。おもしろかったのは、ピクトグラムの実演部分(笑)。いいじゃん、いいじゃん!と思って見ている途中に気づいたのですが、子供の頃に好きだった「仮装大賞」のノリなんでですね。純粋に楽しかったです。
さて、本当に本題。3時間におよぶ開会式、さすがに、選手入場部分のほとんどは早送りしてしまいましたが、アメリカでの放送なので、当然のことながらクローズアップされているチームアメリカと、チーム日本は、しっかりチェック。で、気になったのが、チームアメリカの装いでした。ネイビーと白のストライプのTシャツに、ネイビーのジャケット。そしてジーパン!なんだか、かっこいいなぁって。
日本では、ジーパンはラフな印象が強くて、例えばアルバイトをするにしても、ジーパン自体がNGだったりしますよね。数年前に一時帰国したときに、15年ぶりくらいで高校時代のバスケ部の仲間が、集まってくれたのですが、その時の、母の言葉が忘れられません。「あなたが一番遠くから来たのに、あなただけがジーパンなのねぇ」って。確かにその通りでしたが、私が履いていたのは、お気に入りのジーンズだったんですよぉ。
日本にいるときからジーパ好きだった私にとって、アメリカは、その点、とても居心地がいいです。今だって、毎日ジーパンで通勤です。まわりも、ほとんどジーパンです。アメリカでは、日本のように、購入したお店での無料裾上げサービスなど存在しませんが、既製品のバリエーション(ウェストの高さ&幅、股上&下の長さ、スタイルなど)が、とにかく豊富なので、お直しなしでも、ぴったりするものを見つけることができています。そして、安い。私が愛用しているジーパンなんて、20ドルくらいですからね。
サクラメントに越してきて以来住んでいるアパートのお隣さんは、白人のおじいちゃんとおばあちゃんです。お歳のほどは、少なくとも60代後半から70代でしょう。このおじいちゃんが、ジーパン以外のものを履いているのを見たことがありません。背が高くて、白髪のロン毛。ブルージンズに赤、青、緑など、原色のTシャツが定番です。冬は、それにジャケット。よーく見ると、髪の毛も実は薄かったり、おなかだって、それなりに出ていたりするのですが、なぜか「かっこいい」印象なんですね。しっくりきているというかなんというか… 私の父では、こうはいかないだろうな、なんて思う訳ですよ。
そうそう、このお隣さんの老ご夫婦、毎朝、ふたりで仲良くお出かけします。木曜日はスーパーへ食料の買い出しの日、月曜日はどこそこのカフェで朝食、のように、曜日ごとにルーティーンがあるそうです。そして、日曜日の朝はIn-N-Out Burgerという、ここらで人気のハンバーガーショップへ。肉汁たっぷりのハンバーガーを食べるのが、肉好きおばあちゃんの楽しみなのだそうです。さすがは、アメリカ。
ハンバーガーショップで思い出しました。もう何年も前のことになりますが、なぜか巣鴨のマクドナルドで、仕事の打合せをしたことがありました。ふと気が付くと、斜め向かいくらいのテーブル席で、3人のおばあちゃんが、女子会中。さすがは、“おじいちゃんとおばあちゃんの原宿”と言われるだけあって、マックはマックでも、巣鴨のマックは違うなぁ、なんて思っていたものです。すると、おばあちゃんのひとりが、バッグの中をごそごそ…と。笑顔で取り出したのは、おせんべいの袋。マックのお供にも、おせんべい。さすがは、日本。