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「シャミ悪」と「れな子が悪いんだよ」 / れな子は悪いのか? 甘織れな子の青春を見届けよ
2022年です。まちカドまぞくの2期、非常に楽しみですね。スタッフの皆さんに感謝すると共に、いづも先生の健康を祈るばかりです。
ところで「わたなれ」でご存じでしょうか。いまもっとも勢いがあり、アニメ化待ったなし(願望)のノンストップ百合ラノベ「わたなれ」ですが、世間ではにわかに「れな子が悪いんだよ」「シャミ子は悪くないけれどれな子は本当に悪い」といった言説が見られるようになりました。シャミ子、れな子というのは両作品の主人公であることは共通していますが、「シャミ悪」「れな悪」については、その使われ方や性質はかなり異なっています。
れな子というやつは本当に悪いのか?
甘織れな子が苦悩して、必死になって、一度きりの青春のひと時を過ごしていくさまを見て、それでもやっぱり「れな子が悪い」のか? もっとこう…何かないか?
本記事では「まちカドまぞく」と「シャミ悪」、「わたなれ」と「れな悪」の背景について紹介しつつ、この適当な洞察を深めていきたいと思います。
本記事は「まちカドまぞく」「わたなれ」のネタバレを含みますが、ストーリーの核心には一切触れません。興味を持ったら読んでくれ!!!
「まちカドまぞく」
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「まちカドまぞく」は伊藤いづも先生による4コマ漫画です。「まんがタイムきららキャラット」で連載しており、2019年にアニメ化されました。2022年4月にアニメ二期やります!!!!!
ある朝、突然闇の力に目覚めた女子高生・吉田優子は一族にかけられた呪いをとくため魔法少女を倒すことになってしまった!!
だけど相手は命の恩人!? そもそも全く勝てそうにない!?
ポンコツ系庶民派まぞくとクール系筋トレ魔法少女が織りなす日常系マジカルコメディーはじまります!!!
あらすじを読んでも何がなんだかわからないですが、私は1話見ても何がなんだかわからなかったので大丈夫です。しかしながら、綿密に練られた世界観、キレッキレのコメディ、魅力的なキャラクターとその関係性の変化、成長、きらら作品ながらハードな世界でたくましく生きる彼女らの在り様を見ていると気が付けばドはまりしているという恐ろしい作品です。
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こちらが主人公の吉田優子、通称シャミ子。種族はまぞく。何やら悪そうな種族ですが、彼女はとても良い子なのです。本当に良い子なので何が悪いのかわからない。
ちなみに彼女は危機管理フォームに変身できます。コスプレの類ではありません。
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こう…悪いと言えば悪い恰好をしていますが、この恰好で何か犯罪とかするわけでもありません。何か秘めた能力がある…といえばあるのですが、悪いことしたかというと別にしていない…多分。それもそのはずです。「シャミ子が悪いんだよ」とは、シャミ子の宿敵千代田桃がいかにも言いそうなセリフとして広まったのです。言いそうなセリフってなんだ。
「シャミ子が悪いんだよ」
これだけ言ってないセリフが流行り、原作とアニメで言ってないだけとまで言われる背景には、このような想像の余地が生まれるほどにまちカドまぞくの登場人物がとても生き生きと描かれているということが言えるでしょう。
私は原作描写の解釈に全力派であり、言ってない派ですが、このセリフが生まれるだけの背景があることは認めざるを得ない…それがまちカドまぞくのシャミ子であり、千代田桃です。ともかく、この世界観と彼女らの行く末をもっと見ていたいといえる作品、それがまちカドまぞくなのです。
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では「れな悪」とは何なのでしょうか? 「シャミ子は悪くないけれどれな子は本当に悪い」とはどういうことなのでしょうか?
「わたなれ」
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「わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)」、通称「わたなれ」はみかみてれん先生によるライトノベルです。2022年1月時点で既刊は4巻で、むっしゅ先生による素晴らしいコミカライズ版もあります。
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こちらのあらすじはわかりやすいですね。「友達」か「恋人」か勝負するとのことです。そんなのメタ的に負けるしかないじゃん…とか思われますが、そうはいかないのが甘織れな子です。
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主人公の甘織れな子。彼女は輝かしい高校生活に憧れて頑張ります。友達との、和気あいあいとした、楽しい平和な日々を過ごしたい。だから、不穏な恋人関係を望まない。これは罪を重ねるムーブとは逆を行っているように思われます。まして、日々陰キャ思考に苦しみ、また光り輝くグループのクラスメートたちに圧倒されるばかりの彼女が、なぜか「れな子が悪い」と言われている…逆に何をしでかしたというのか。実はれな子は何も悪くなくて常に被害者であり、「陽キャの時間奪っちゃった罪」みたいな陰キャ特有の思考か何かに陥ってるのでしょうか。
残念ながら、そんなことは無かった…
「れな悪」への道はれな子によって舗装されている
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れな子から見たら、グループの4人は光り輝く完璧超人たちに映りますし、人格的に完成されているようにすら見えます。実際彼女らは、れな子よりは世渡りはうまいのでしょうし、1巻時点では読者にもそのように映るところがあります (そのため、読者からもキャラの好き嫌いがはっきりしそうです)。一方、れな子は自分のことで精一杯ですが、それでも輝かしい高校生活を目指して人間関係を必死で頑張ります。体当たりで頑張ります。毎日が全力です。それが「友達」に少なくない影響を与えることも知らずに…
れな子が必死に人間関係に食らいつき、その中で少しずつ5人が成長し、5人間の様々な関係が変化していく。読者にとってもキャラクターがどんどん魅力的になっていく。それがキレッキレのコメディの上で描かれている。といったあたりが「わたなれ」の面白いところかと思います。
話が逸れました。もはや「わたなれ」の宣伝をしたいとしか言えない。
結局れな子は悪いのか? そう言われるような結果を招いたのは紛れもなくれな子自身、つまり、「れな悪」 への道はれな子自身が舗装したと言えるでしょう。しかし、そこに何ら悪意は無く、故意は…基本的には無く…、それだけでれな子が悪いと言えるのか…しかし、いや、やはり、…れな子が悪い。
シュレーディンガーの「れな悪」
こうしましょう。「れな悪」は確定していないのではないかと。
5巻がまだ発売してないので、「れな悪」の確定を観測できていません。
これはつまりシュレーディンガーの「れな悪」と言えます。なので、続刊を待って甘織れな子たちの青春を見届けたいと思います。
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