リーダーのあり方や課題へのアプローチ方法を、自分の団体に活かしたい。/Xsector Kyoto参加者の声②
まちとしごと総合研究所では、2019年度から京都市と共に「X Cross Sector Kyoto(クロスセクターキョウト)」を立ち上げ、まちづくり団体、NPO、企業、行政、大学関係者等の異なるセクターのさまざまな主体が、共通のゴールを掲げてお互いの強みを出し合いながら地域課題の解決を目指すための実践的なプログラムを実施しています。本記事では、プログラム参加者の声をご紹介します。
<お話を聞いた人>
名前:表雅敏さん
職業:若い世代が選挙に関心を持ってもらう会 代表
グループ:環境
ーーX Cross Sector Kyotoに参加したきっかけを教えてください。
2019年から「若い世代が選挙に関心を持ってもらう会」を立ち上げ、若い人へ選挙に興味を持ってもらう活動をしています。街頭演説をしているけど、なかなか関心を持ってもらえないので、色々なイベントやワークショップに参加して、活動に賛同してくれる人を広げています。Xsectorも賛同者がちょっとでも増えてればと思い、参加しました。
ーー実際、参加してみてどうでしたか?
まず、若い人がたくさん参加していることに驚きました。僕の世代ではサラリーマンが主流やったから、フリーランスやベンチャー企業を立ち上げている人が結構いることも感心しました。もっと僕も頑張らないといけないなと思いましたね。
ーーグループ結成時、若い世代に選挙を広げたいとプレゼンされましたが、残念ながらメンバーが集まりませんでした。
残念ではありますが、仕方ありません。僕はたとえ賛同してもらえなくても、どんな場でも絶えず発信だけはしんといかんという気持ちがあるから。チームは作れなかったけど、マイクを持って話したことで、何かしら広がることもあるだろうと思います。
ーー自身のグループ立ち上げを諦めた後、環境チームに参加されたのはなぜですか?
少し前から、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが話題になっていました。SNSから活動が広まり、今や世界的に有名です。たった一人でも世界に活動が広がるのは、すごいなと思っていたんです。それに若い世代にしたら、これからますます地球温暖化など環境問題は、重要になってくるだろうなと。そう思い、環境チームで頑張ろうと決めました。
ーー日頃は自分の関心事にリーダーとして活動されていますが、Xsectorでは異なるテーマにメンバーとして加わることになりました。心境の変化はありましたか?
自分の持っている課題ではなく、誰かの課題意識のためにフォローする立場です。正直、初めはあまりやる気が湧きませんでしたが、環境チームのリーダーが一生懸命やっている姿を見ているうちに、応援したい気持ちが芽生えました。
ーー若い世代に混じっての活動では、いかがでしたか?
今は携帯電話を持っていますが、最近まで持ってすらいませんでした。環境チームは、実際に会って話す機会よりもSNSで意見交換することが多かったのですが、なかなか慣れませんでしたね。ガラケーなので素早い返信ができませんが、チームの皆さんにはご理解をいただいていました。
プロジェクト面では、リーダーがいろんな意見を聞いた上で、最終決定してくれたらいいなと思っていたので、僕はお年寄りの立場として意見を提案していました。若い世代が、僕の話を聞いて「昔ながらのええことやん」って思ってくれたら、いいなって。提案の一つになることで、僕の役割を果たせるんちゃうかなと思っていましたね。
ーー「若い世代が選挙に関心を持ってもらう会」で活かせそうな学びはありましたか?
いくつもありました。特に影響を受けたのが、環境チームのリーダー梅村さんです。僕の活動は今まで、若い世代に社会の現状や課題、予測されうる未来ついて発信するだけでした。しかし梅村さんは、環境問題に対してみんなが関心を持ってもらうために、どう行動したら良いかを突き詰めて考えていました。
そうしたこともあり、今まで「若い世代が選挙に関心を持ってもらう会」は街頭演説が中心でしたが、これからはアプローチ方法を変えてみようかと思っています。
ーー具体的にはどのような活動を予定されていますか?
区役所に相談して、子ども食堂や児童館にお邪魔させてもらい、政治に関心を持ってもらう活動ができないかと模索中です。小さい時から親に選挙へ連れられて行くなど政治に関わる機会があった子どもは、大人になった時、投票率が高いというデータがあります。そこで、今後は小学生を対象にした活動を広げていけたらと考えています。
ーー今はお一人で活動されていますが、今後は仲間が増えて行くといいですね。
定年退職した人に参加してもらえるといいですね。仕事を辞めて何にもやらずに家に閉じこもっていると、身体も弱ってしまうから。今までの経験や知見を生かして、ボランティアに参加してもらえたらって。子どもと関わったり、物事を教えたりする喜びを一緒に分かち合えたら、老人が抱えがちな孤独や病気の対策にもなるんちゃうかと思います。
ーーそういう効果もありそうです。
2019年度は勉強のために、Xsectorはじめ様々なセミナーに参加しました。2020年度は行動の年やと思っています。新型コロナウイルス感染症の広がりで、なかなか外に出かけられなくなりましたが、将来的には児童館や小学校を回って、出前授業をできるようになりたいです。そして僕自身もスキルアップして、中学校でも高校でも話せるくらいになれたら。京都市内あちこちで開催したいので、一緒に活動してくれるボランティアさんが集まったらいいですね。
▼表さんが活動する「若い世代が選挙に関心を持ってもらう会」は、お宝バンクに掲載中です。
https://tsukuru-kyoto.net/bank/330-2/