コロナ禍でも活動が加速していくためには~多様なメンバーのもつ創造性を引き出すコミュニティ・マネジメント~
2020年10月28日の夜、”みんなごと”のまちづくり推進事業が主催する「つながり促進プログラム」オンライン公開講座に参加しました!
コロナ禍でどう地域活動をすればいいのか、どう新たなコミュニティと繋がることができるのか悩んでいる方も多いと思います。
わたしも同じ気持ちですが、講座に参加してさまざまな形で数多くのイベントが開催されている今だからこそ、たくさんのコミュニティを見つけて、どんどんチャレンジをしていけばいいのか!と道が開けました。
講座では、とってもタメになるお話が多かったので、コミュニティに関する悩みや地域づくりに興味がある方にぜひ読んでいただきたいです!
【つながり促進プログラム / 公開講座とは】
「つながり促進プログラム」オンライン公開講座は、“みんなごと”のまちづくり推進事業「まちづくり・お宝バンク」に登録された取組提案の実現に向けた支援の一つとして,多様なセクターをつなげる人材の育成を目指すとともに、幅広い取組提案者(取組提案の応募を検討している方を含む。)が繋がり課題を解決していくための手法を学んでいただく講座です。今回は、京都市内の各種支援団体や京都外の企業、ソーシャルセクターの実践者を講師として招き、成果を加速させていくサポートプログラムを実施しました。
今回のテーマ
今回のテーマは『多様なメンバーがいるコミュニティのマネジメントとは』
オープンイノベーションやクロスセクターという言葉が飛び交い、多様性の重要さがよく聞こえてくるようになりました。一方で、どのように多様性を強みに変えていけば良いのかや、連携を進めていくためのプロセスはどのようにデザインされると良いのか、悩みを抱える人も増えています。
今回は、そんな「多様なメンバーで課題に取り組んでいきたい」という想いを持ち、新たなチャレンジをしようと思っている方や、創造性を育むことに伴走されている中で課題を感じている方、「多様なメンバーの持つ、創造性を引き出すこと」に興味や関心がある方で学び合う場となっております。
講師にはすでに新しいチャレンジに取り組み、さまざまな企画運営を生みだす4名が参加し、これまでの活動内容やこれからのコミュニティのあり方やイベントの可能性について語っていただきました!
今回のゲスト
・藤田 祐司さん
Peatix Japan株式会社 共同創業者 取締役/CMO (最高マーケティング責任者)
慶應義塾大学卒業後、株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)で営業を担当後、2003年アマゾンジャパン株式会社(現アマゾンジャパン合同会社)に入社。最年少マネージャー(当時)として、マーケットプレイス事業の営業統括を経て、Peatixの前身となるOrinoco株式会社を創業。国内コミュニティマネージャーチームを統括したのち、営業、マーケティング統括を兼務。2019年6月CMO(最高マーケティング責任者)に就任し、グローバルを含めたPeatix全体のコミュニティマネジメント・ビジネスデベロップメント・マーケティングを統括。
・舟橋 健雄 さん
078実行委員会 Interactive部門企画統括/TEDxKobe(テデックスコウベ)ファウンダー兼オーガナイザー/(株)神戸デジタル・ラボ マーケティング室長
1975年神戸市生まれ。1995年の阪神・淡路大震災後、 大学の仲間と情報ボランティア活動を実施。その後、 仲間とNPOを立ち上げるなど、 神戸のNGO/NPOの草分けとして活動。2001年より京都のシンクタンク(株)シー・ディー・アイにて研究員として従事。2005年より神戸のITベンダー(株)神戸デジタル・ラボに入社。企画・営業・総務・社長室・広報・マーケティングなどの業務を担当。2010年より「オープンソースカンファレンス神戸」、 2011年より「神戸ITフェスティバル」を立ち上げ、 一企業を超えた地域の有志たちとITによる神戸の活性化にチャレンジ。2013年より「TEDxSannomiya」、 2014年より「TEDxKobe」のライセンスを取得し、 神戸にイノベーティブなコミュニティを醸成すべく活動。また、2017年より「神戸ITフェスティバル」を発展的解消するかたちで、クロスメディアイベント「078」(ゼロ・ナナ・ハチ)を開始し、初代事務局長として携わり、その後もIT部門(Interactive部門)の責任者として関与。この活動も、神戸を世界の中で輝く魅力的な街にするとともに、人々が変化の時代によりクリエイティブに生きていくためのきっかけとなることを願って活動を続けている。
・崔 禎秀さん
OBPアカデミア 学びの場づくり責任者/任意団体ライノ代表
在日コリアン3世として生まれた、生粋の大阪っ子。大学卒業後3度の転職を重ね、現在は大阪・京橋にあるOBPアカデミアに勤務。年に約1000回の講座・イベントの場づくり責任者を務める。休日はコーヒーのイベント出店や企画をしており(この1年で約30回)、コーヒーやイベントを通して「常に選択肢のある世界」の価値や、それを体感出来る場づくりを行なっている。最近では、普段リアルで開催していた講座を全てオンラインに切り替え、様々な講師と様々な講座のあり方を探っている。
・池嶋 亮さん
NPO法人ゼロワン理事
学生時代のアルバイトがキッカケで、エンターテイメントによる街の活性化に興味を持ち、米ニューヨークに留学。イベント関連の企業にてインターンを経験。その後、世界20ヵ国30都市を周る世界一周の旅を敢行。帰国後、チャンバラ合戦-IKUSA-の活動に参加。2014年に運営団体をNPO法人化し、日本各地で様々な企業や行政と連携してイベントを開催するなど、"外遊び"の可能性を追求している。TEDxKobe2015出演。みんなの夢アワード2019ファイナリスト。OBPアカデミアでは「五感で楽しむ日本酒ワークショップ」など、実家の酒店がセレクトした日本酒で様々なプログラムを展開最近。
トークテーマ①「コロナ禍でこの半年間、それぞれどんな活動をしてきた?」
藤田さんと池嶋さんは、主催とゲスト出演をあわせて年間100件超えのイベントに参加されたり、崔さんは年間1000件イベント開催するコワーキングスペースでマネージャーをしていたりと、生みだす数が半端ないな、と。
企画されたイベントもとてもユニークなものばかりで、
・24時間オンラインイベント(24個のコミュニティが1時間ごとの交代制で開催)
・つながっていいとも(ゲストが次のゲストを紹介していく)
・リアル脱出ゲーム
・アイスブレイクのみ実践するイベント
など、オンラインでも楽しめるような工夫が多くほどこされておりました!
お話を聞いている限り、まだまだ新たなイベントが企画されていく気がします。
また、崔さんの運営するコワーキングスペースでは利用者さんにワクワク感をもってもらうためのオンラインイベントを開催しています。
・講師限定の交流会(崔さんとひたすらお酒、コーヒーを飲むオンラインイベント、slack)
・アカデミアサロン(月額1万、施設使用、講座受講半額、特典)
など、新しい学びがほしいときにヒントを持ち帰ることができ、学びと交流を止めないイベントづくりをされています。
コロナ以前のコワーキングスペースは、個別に仕事を持っている人が個人のスキルを共有し協働できるスペースだったのものが、コロナにより自習利用が増えてしまったことで本来のコンセプトから遠のいていたようですが、その問題を現状維持にするのではなく新たな視点で企画運営されています。
ゲストトークで感じたことは、主催者も参加者もワクワクするイベント企画が多いということ。
舟橋さんのお言葉で、「知縁」のコミュニティをつくっている、と仰っていたのですが、まさしくゲスト4名に共通して言えることだと思いました。
知縁とは、自分自身で選んで、興味・関心でつながっていくこと。多様なメンバーでつながるコミュニティづくりは、第一に主催者側が心から楽しめるものを生みだせるかどうかが重要なのかもしれません。
トークテーマ②「コロナ禍での活動、どう変化した?」
Peatixでの統計を見ると、コロナをきっかけにオンラインイベント開催が劇的に増えたことが分かりました。
ゲストの方々もオンラインを駆使してさまざまな企画運営をされていましたがたが、沢山開催したからこそ気付いたオンラインイベントのメリットとデメリットを語ってくれました。
◎メリット
・イベントのはしごができる
・学び、出会いの場が増えた
・場所、時間に関係なくイベントに参加できる
×デメリット
・運営者も参加者も交流しづらい
・五感で楽しめていたものが、聴覚と視覚しか使えない
・ワンクリックで退出できてしまう(参加者にとってはメリット?)
物理的距離に邪魔されないのはオンラインの良いところであり、心理的距離が生まれてしまうのはオンラインの難しいところですね。
トークテーマ③オンラインとオフライン、どう共存させていく?
オンラインとオフラインのどちらも経験し、オフラインを求めている人が一定数いるということを踏まえて
「ハイブリッド型イベント」を実施しているゲストが大半でした。
ハイブリッドとは、オンラインとオフラインどちらからも参加者がいること。リアルな空気感を楽しむことができ、熱量がオンラインにも届けば、よりよくなる可能性があるという声が挙がりました。
ただ、参加者にストレスがかからないようにオンライン側の声はスピーカーで発信、オフライン側の声はマイクで拾うなど、すこし実施する上で注意すべき点は多くなりそうです。
また、オンラインでのつながりづくりにおいて気を付けていることをお話してくださったので、ピックアップしてご紹介します。
①定期的に短いスパンで開催しつづける
定期開催することによって常連が増えてくるので、会ったことがなくても知り合い感が出てくる。ちなみに、池嶋さんは年に4回親友と1日中ZOOMをつなげるオンライン同棲をしているそうです。お互いの近況が分かりやる気アップに繋がるようなので、わたしも今度やってみようと思います!
②質問はすべてチャットで
デジタルツールを使って全員が参加しやすい環境をつくることで、参加者のなかで差が生まれず発言しやすい雰囲気ができる。ハイブリッド型イベントをするときに使えるかも。
③弱みを見せあう
オンラインだと特に相手の空気感が伝わらないので、強みよりも弱み、好きなものを見せると心理的安心感が高まりやすくなる。ZOOMの背景に、偏愛マップや趣味、好きなものを貼ると盛りあがるそうです!
参加者の質疑応答
グループに分かれてゲストの方々からアドバイスをたくさんいただきました。
Q.オンライン上で同じ人しか反応しない場合は?
A.「to all」ではなく「to you」であることを画面上で伝えていく。
Q.ハイブリッド型はどちらに比重をおくべきか
A.オンライン。オフラインは目の前にいるので比較的対応がしやすい。
Q.まちづくりに関わりたいけど、どうつながればいいか分からない
A.そういう人こそつながりを第一に考えている安心できる「コワーキング」にいってみてほしい。
Q.活動グループで解決できないことが出てきたら?
A.そんなときもコワーキングで!どういう空間をつくりたいのか筋道を立てて新しい一歩を踏みだすサポートをしてくれる場所。
ゲストからのメッセージ「ハードルをさげて、どんどんチャレンジできる期間」
ゲストのみなさんで一貫して言えることは、みんなピンチをチャンスにして楽しんでいるということ。コロナ禍でだれもが経験したことのない状況下だからこそ、失敗してもだれも気にしない時期なのです。
だからこそ、やりたいと思ったことがあればすぐに実践して失敗もすればいいし改善していけばいいというお言葉を4名からいただきました!
そして、自分でなにかを生みだすことが苦手という人は、新しく生みだされているきっかけをしっかり掴むこと。そのなかで自分に一番合っているものを見つけていけるよう、日々出向くことを忘れないようにすることで新しいつながりに出会えるかもしれません。
お知らせ
この”みんなごと”のまちづくり推進事業が運営する「つながり促進プログラム公開講座」は、
・多様なメンバーで取り組んでいきたいという想いを持ち、新たなチャレンジをしたい方
・地域とのつながりを求めているけれど何からはじめたらいいか分からないという方
などなど、地域活動に興味がある方には、なにか新たな発見やつながりを見つけられる出会いの場になるのではないかなと思います!
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“みんなごと”のまちづくり推進事業 -つながり促進プログラム"X Cross Sector Kyoto"
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