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九州うどんのお店『ウエスト』を体験してきた

うどんにこだわりが強くて、うどん素人のやわらかい記事内容に激しく噛みつくようなうどん警察やうどんバーサーカーの人は読まないで下さい。
こちらは、マイルドなうどんすきすきですので。

そもそも九州のうどん、という概念が無かった

お恥ずかしい話ながら。
私は、九州に上陸したことがない道民都民です。

九州のグルメ関連情報が話題になっても、鹿児島と長崎の区別はつくが『中津からあげ』の中津がもう難しい。
※名作漫画『県立地球防衛軍』の中に出てくる、道民や都民に理解できない文化はだいたいは大分県のものなのだとはちゃんと理解しています。

『福岡』『博多』『北九州』の区別は未だにつきません。
少なくとも、九州大陸北方の諸部族が同じ言語ながらにそれぞれが、セントラルの我々にはわからないながらも大切な何かを奪ったり守ったりしているのだとはわかります。

そんな僕ですから、九州もまたうどんの強豪国だとは当然理解していませんでした。
九州のグルメは、鹿児島の鶏肉とか長崎のカステラとか北方のモツ鍋くらいしか情報が入手出来ない人生を送っていたのです。

うどんは讃岐うどん!という暴力的な圧……現代日本社会の闇

讃岐うどんは美味しい!!
讃岐うどんの『コシ』が最高だぜ!!
うどんを食べるならばやっぱり釜玉だよなぁ!?

そういう言葉は、ひとつひとつだけで見れば他愛も無い「美味しいものを食べた感想」みたいなものなのですが。
もう10年ほどは、その比率たっぷりで押し出されると……犯人のいない犯罪のように押しかかるものがあります。

讃岐うどんこそ正道!正義!!大正解!!
この社会的風潮に迎合し、僕はそれなりに上手くやっていました。

はなまるうどんを褒め、新宿の麺通団でねば玉を食べ、丸亀製麺のうどんを認め、冷凍うどんはやっぱりカトキチ(テーブルマーク)だと断言する。

しかし、その気持ちや発言は嘘では無いが自分の心のあり方の真実を正しくは述べていませんでした。

轟音が家を揺らし、凄まじい積雪が家を埋めゆく中で食べる、鶏肉の入った醤油味の汁でくったりと煮込まれたうどんを食べたい気持ちとかを吐露したくても。
それは社会に理解されない受け入れられない、トレンドに反した……現代社会では実に難しい行為だったのです。

『コシのあるうどんで無ければうどんに非ず』
この、香川県が押し出す暴力的価値観は、都民にもはや当たり前と言えるほどの洗脳を既に成し遂げています。

本当は多様なうどん文化

この記事を読む人の多くは驚くかもしれませんが、実は讃岐うどん以外にも我が国には様々なうどんがあります。

私が、讃岐うどん界による執拗で激しい洗脳攻撃に耐えきり今まで命を繋げられた理由はいくつかありますが、そのうちの一つが新宿のうどん屋さん『三国一』です。

私は、ここで定期的に『鍋焼きうどん』や『味噌煮込みうどん』を食べることで、どんなに上述の讃岐うどん屋が魅力的なカレーセットとか出してきて飼い殺そうと襲いかかってきても正気を保ってきました。
事実、讃岐うどんの店でその手の煮込みメニューの存在は確認されていません。

また、如何に五反田の立ち食い讃岐うどん屋『おにやんま』の鶏天セットが美味しくほぼ毎朝食べようとも、その精神支配に抗い続け、銀座の佐藤養助で食べる稲庭うどんの美味しさも揺るぎない価値があると、心の奥底で自分のコアを守護ってきました。

そんな中、ついに私は存在を知ってしまった。
未踏の地、修羅の国『九州』……そこにもまた、うどん文化が存在するということに。

ウエストの致命的な問題点

ウエストには深刻な問題点があります。
その前にまず、その味の評価を述べます。

……素晴らしい……
これです、これだよ、こうあって欲しい。

その麺は、柔らかくともふやけてグズグズになるようなものではなく。
それでいて汁の旨味を拒むかのような拒否的弾力でも無く、舌と唇の圧力を試すかのような硬さでもありません。

程よく、具と汁を絡めて口中でバランス良く噛ませて味わうためのバランスが取れています。

そのうどんを引き立てる汁やごぼう天などの美味しさの魅力については専門のうどん評論家におまかせします。
私からは、見事としか言えません。

この美味しさでなんで東京に店が無いのか不思議でなりません。

……そう、この店は東京に無いのです。

町田を東京と誤解している

資料として以下を示します。
ウエストの公式サイトの『関東地区』店舗のページです。

関東にも8店舗あることになっています。
それは確かに素晴らしいことです。ウエストが地域を超えて東京の人間にもこの味を届けようという努力の結実でしょう。

しかし、それぞれの店舗の住所を確認すると愕然とします。
千葉県に7店舗、町田市に1店舗なのです。

『関東』とは何か。それは、東京都と神奈川県です。
一応、埼玉県の南部である、大宮や王子も含めても良いでしょう。

関東の人口の99%はこの2つのリージョンでカバー出来ます。
千葉県に100店舗展開しても、それは関東で展開したとは言葉遊びの上では言えますが、現実とは異なる結果です。

無論、町田もです。
しかも、JR町田駅からさらにバスで20分の移動を挟みます。

今回私は、このウエストに行くために『バス』という乗り物に乗ってみましたが、これはアーヴァンシティで生きる我々にはスキー場のリフトよりも難しい交通手段です。
少なくとも私は、乗るのも降りるのも難儀し苦難の行軍の末になんとかたどり着いたというのが実情です。

ウエストに期待する、たったひとつのこと

ウエストのうどんの美味しさは、もう証明されまくっています。
これはもう、『勝つ』美味しさと値段です。

しかし、関東民の多くは小田急線か山手線だけで生きています。
いち早く、小田急線の駅から徒歩15分くらいでも良いので、本当の『関東』に出店していただける日を請い願います。

この記事を読んだうどんが好きな関東民の方も、万難を排して奥地に探検し、千葉や町田の店舗でウエストのうどんを食べてみて下さい。

以上、よろしくお願いします。

無職へのお布施

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