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令和の『オネアミスの翼』
この記事は、初めてスクリーンで『オネアミスの翼』を観てライトオタクが感動した話です。
おそらく、古参オタクの人は「え?いまさら?」などと冷笑したくなると思うので無理に読まないで……
また、見る目が育っていない人間が素晴らしいものを何度観ようとも、その輝きを拾い気付く事は難しいという内容でもあります。
何度も観てはいた、オネアミス
これは2009年のツイートです。
映画は、繰り返し見た記憶が無いなぁ。敢えて言えば、オネアミスの翼か。
— 町田メガネ@C101コミケマーケティング論 (@machidamegane) October 15, 2009
ビデオやDVDで繰り返し観ていたようです。
しかし、全然その具体的な視聴光景を思い出せない。
古い記憶なので忘れた、と考えられますが……それはそれで『繰り返し観て、それかよ』という記憶力の残念さにガッカリですね。
今回、新宿バルト9での4Kリマスター上映を観る前に記憶に残っていた事は結構わずかでした
・確実に『名作だった』というぼんやりした記憶
・何がどう名作だと感じたのかは言語化出来ていない
・特に印象に残っていた具体的シーンが『レイプ未遂シーンのおっぱいの揺らぎ』『ロケット打ち上げシーン』
初めてスクリーンで観劇するとしても「たぶん、予想通りこの程度は感動するだろう」という、確実に良い体験ではあるが令和になってもはやそこまで大きい新たな感動などは期待していませんでした。
冒頭から驚く
映画冒頭、主人公のシロツグが雪原の中を歩くシーンから入ります。
『……!?!?!? え、あれ?? ここ、こんなに……凄かったのか?』
多くの人にとっては、何気ないただの歩きシーンかとは思いますが僕には鮮烈でした。
こんなに雪景色鮮やかな中を、こんなにも見事に雪の中を歩く男の体の動きのダイナミズムをわざとらしくなくリアリティを持って動かすのか。
これは、『スクリーンで観たこと』と、詳細はわかりませんが『4Kとしての処理』、そして『映画館ゆえの音響』。
それらが全て組み合わさって、DVDなどで繰り返し観ても何も思わなかった特徴のない光景だと想っていたシーンが上質な前菜となって卓の前に置かれたのです。
そしてタイトルが出て冒頭のスタッフ表示などが音楽とともにしばらく流れますが。
そこで流れていく大量の世界観説明の挿入イラスト一つ一つの味わいや美術が輝いていました。
私は今まで、オネアミスの翼の何を観ていたんだ?何も見ていないに等しかったのではないか?
味の分からない幼児が高級寿司(さび抜き)を食べていたようなもので、成人(肉体的に)してから改めて食べる静止した寿司のようなものでしょうか。
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![](https://assets.st-note.com/img/1667009109597-64EquUX076.jpg?width=1200)
ストーリーの理解度も上がった
私はオネアミスの翼については、『好きだけど、そんなに他の人に観てもらいたいとは考えない』というスタンスを取ってきました。
シロツグによるヒロインレイプ未遂シーンに激しい嫌悪感があったからです。
しかし、各所で拾える情報精度が上がり、より没頭して観ることによりシロツグの精神的な追い詰められ方がより響いてわかるようになりました。
そこに共感はしないが、相当に心情を意識して作ったキャラとシナリオで精緻に組み立てられているのだなと理解しました。
スクリーンで観ることで「このシーンの作画が良かった」と改めて思う部分もありますが、それ以上に美術・設定の素晴らしさとボリューム、ストーリーの解像度上昇に感動があった観劇となりました。
それと、やはり映画館だからなのか音楽音響の素晴らしさは当たり前に良いですね。
今まではわからなかったのですが、坂本龍一の良さ味はこの環境でこそしっかり拾い上げれるものなのかもしれません。
観終わって改めて想うこと
35年前にこれは、奇跡的な作品だな、と。
アニメかどうかは関係なく、映像作品としてこれは異常な再現不能な現象だったんだろうなと非オタよりのライトオタクな私でも思います。
映画を作る時に、常にこの品質でとは言いませんが。
ノウハウもたまり様々な技術で作画やエフェクトを当時より低コスト高品質でアウトプット出来ても、結局はつくる人の挑戦的情熱が無いと突き刺さる感動というのものはなかなか生まれるものではないのだなと思いました。
脚本が良いか悪いかは難癖付ければなんとでも言えると思います。
しかし、素晴らしいものを丁寧に積み上げてラストシーンに至れば、どんなに長々と架空の歴史の史蹟画像が延々と流れようとも感動的な気持ちを高めて最後まで観ることが出来ます。
良い作品の脚本は、良い脚本だし。
良い脚本じゃないとそもそも良い作品として土台を組めないなとも改めて思いました。
まとめ
オネアミスの翼4K、上映館は以下リンクで
これがスクリーン環境で観る事が出来る最後のチャンスとは思いませんでした。
なぜなら、あまりにも良さみでありこれはAKIRAのように数年ごとに上映しても利益が取れる内容と知名度だからです。
今月は映画を観に行くことはちょっと難しいけれど数年単位でやってくれるならまぁいいか!という方は今急がなくても良いです。
ですが、数年なんて単位で待つのが苦痛なオタクは。
この機会を逃さないで欲しい。
アニメ史の奇跡を、上質なコンテンツとして味わえる数少ないチャンスです。
無職へのお布施
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