バウンダリー その1

今年担当しているお子さんで、
「切り替えができない」
「時間を守れない」
と言われているお子さんがいます。

本当は14時からの開始時間ですが、13時に来ることもあれば、14時を過ぎても来ないこともあります。

早く来たとある日、その子の保護者から
「今日は支度が早く終わったので
早く来ました」
と言われました。

それで納得。

子どもの支度が終わったか終わらないか、を基準にして来室するので、その子どもは「時間を守る」とはどういうことかを学習していませんでした。

子どもには、「早く」来たとか、「遅く」なったという時間を軸にした考え方は存在せず、自分の支度が終わったかどうか、だけが基準として存在します。自分、が決めているのです。終わったから来た。それだけです。

こんな子に、いきなり「もう14時だから始めるよ」と言ったって、「だからなに?」状態です。
「まだ13時半だから始めないよ」と言ったって、「ボクの支度は終わってるのになんでやらないの」状態です。

状況が変われば、「まだ遊んでるのに」「もっとこれやりたかったのに」になっていくのは目に見えます。

時間を軸に行動した経験がなければ、やりたいことをやめさせられた、やりたくないのにやらされたという負の感情しか残らないでしょう。時間を守る、がわからないからです。

これが大人から見ると、「時間を守れない」「切り替えができない」子どもになってしまうのかもしれません。

そして私も大失敗。
「予約は14時ですから、次回からは14時に合わせて来てください。今日はまだ早いので、待合室で待っていてください。」と言うべきだったのに、言わなかったのです。
じゃあ、トランポリンで5分遊んだらやろうか、と別のことを学習させて、早く指導を始めてしまったのです。
トランポリンは楽しいもの。
順番がまわってこなければ、なかなか遊べない遊具だと知っています。
次の週からそのお子さんはどうしたと思いますか?
「(何時に来ようが)トランポリンで5分遊んだら始める」
ことにしてしまいました。

私も、保護者の方とそのお子さんに、時間を守るという経験をさせ損なってしまったのです。

バウンダリーの本を改めて読み返しながら、日々の指導と子どもの育ちに活かしたいと考えています。

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